自治体が生命・安全を守るには条例による権限行使が必要 2022年4月27日 韓国の労災・安全衛生

シンフン記者

地方自治体は、公務員と公務職労働者の使用者でありながら、地域内の事業場と施設の許・認可と管理運営責任を負っている。昨年の産業安全保健法の改正で、自治体に労災予防対策樹立・施行責務が与えられ、今年は重大災害処罰等に関する法律(重大災害処罰法)が施行され、自治体首長の責任が重くなった。しかし今月8日、泗川市役所所属の期間制労働者が伐採作業中に死亡した事故からも解るように、制度的な不備が確認されている。民主労総は『自治体労働者の安全のための優先課題』をテーマに討論会を行った。

民主労総のチェ・ミョンソン労働安全保健室長は、地方選挙での生命安全要求案を発表した。自治体での産業安全保健法・重大災害処罰法の遵守など、△安全と健康に不平等・差別のない職場、△安全な産業団地への中小事業場対策、老朽化した産業団地での安全対策の樹立、△重大災害予防・調査・安全管理に労働者と市民の参加を保障、△化学物質から安全な現場と地域社会、の五大要求だ。チェ・ミョンソン室長は「これまで労災に関して、自治体は大きな惨事が発生した時に合同の霊安所を設置したり、遺族や被害者を支援するといった、制限的な役割に重点を置いてきた」、「市民の生命と安全に対する要求が高まり、法的な根拠もできた以上、今回の地方選挙では、生命安全に対する要求を積極的に提起する」と話した。

地方自治体が生命と安全を守るために、使用者の役割を果たすべきだという主張も提起された。ユ・ソンギュ公認労務士は、「自治体は公務員と公務職労働者に使用者の役割を果たし、公共機関と民間委託労働者の生命を守るための政策を講じるべきだ」とし、「自治体が各種法律と条例をによって行使できる権限は、惜しまずに行使しなければならない」、「中央政府と地方政府の労働安全保健政策活動が重なったり、費用が無駄にならないよう、効果的に役割を分担することも重要だ」と強調した。

重大災害発生業者に対する許・認可の制裁を強化すべきだという要求も出ている。建設産業連盟のソン・ジュヒョン政策室長は、「重大災害処罰法の施行後も、建設現場で重大災害が持続的に発生している」、「自治体の発注工事に対しては、重大災害を発生させた企業に許・認可の制裁を加える必要がある」と主張した。

参加者は、社会的な脆弱層の労働者に「休む権利」を保障する役割を注文した。「労働者の未来」のパク・ジュンド政策企画チーム長は、「小さな事業所の労働者が利用できる共同休憩室の設置に、地方自治体が積極的に取り組むべきだ」と提案した。サービス一般労組のホン・チャンウィ配達プラットフォーム支部長は、「移動労働者が気楽に休める小規模な憩いの場がたくさん作られるよう、地方自治体が力を入れるべきだ」と注文した。

2022年4月27日 毎日労働ニュース シンフン記者

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