昨年の労災事故の死亡者は828人・・宅配などで増加 2022年3月15日 韓国の労災・安全衛生
昨年の労働災害の事故死亡者の数は、前年より54人減少した828人と最終集計された。落下、挟まれなど、在来型の事故が半分を超え、コロナ19の拡散で従事者が増えた配達労働者の労災死亡事故も増えた。
雇用労働部は、産業災害補償保険による遺族給付の支給承認を基準に集計した昨年の労災事故死亡者数は828人と集計されたと発表した。2020年より54人減少した数字で、1999年に統計を取り始めて以来、最も低い数字だ。死亡事故万人率は0.43で、2020年から0.03減少した。これも統計を取り始めて以来、最低の数値だ。
業種別では、建設業417人(50.4%)、製造業184人(22.2%)で70%以上が発生し、その他の業種では227人(27.4%)だった。2020年より、建設業で41人、製造業で17人減少したが、サービス業(123人)で1人、運輸・倉庫・通信業(72人)で5人増えた。
事故の類型別にみると、転落が351 人(42.4%)、挟まれが95 人(11.5%)など、基本的な安全準則の遵守で予防可能な在来型の事故が全体の53.9%を占めた。労働部と安全保健公団などは、在来型の事故を防ぐための努力を数年間続けてきたが、その成果が十分に現れていないということだ。多くの類型で死亡事故は減ったが、転落による死亡事故だけは、2020年に比べて23人増えた。
事故死亡者基準では、高齢・移住労働者の死亡者が増えている。事故死亡者のうち、60歳以上の老齢労働者は352人と全体の42.5%を占め、これは前年度の347人(39.3%)よりも増えた数値だ。労働部の関係者は、「死亡事故が多く発生した建設業・製造業の高齢化が影響したと見られる」と話した。移住労働者の事故死亡者は102人の12.3%と、前年度の94人よりも増えた。
勤労基準法上の労働者ではない特殊雇用労働者の労災保険の加入拡大によって、特殊雇用労働者の死亡者は36人と、2020年より7人増えた。特に、コロナ19による配達産業の成長と従事者の増加で、2017年に3人だった事故死亡者の数は昨年18人に、大幅に増えた。しかし、配達労働者のうち、仕事をしていて死亡した人が18人ということではない。仕事で死亡しても、労災保険遺族給付を請求していない場合は同統計から除外されるからだ。配達労働者(クイックサービス運転技師)は労災保険の当然適用の職種だが、これをよく知らない配達技師もかなりな数にのぼるのが実情だ。
事業場の規模別にみると、5人未満の事業場で318人(38.4%)、5~49人の事業場で352人(42.5%)の事故死亡者が発生するなど、重大災害処罰などに関する法律が適用されない50人未満の事業場で、80.9%の事故死亡者が出た。2020年に比べ、5~49人の事業場は50人減少したが、5人未満の事業場では6人増えた。
今年は地方自治体別の死亡事故の状況も初めて発表された。昨年、50人以上の事故死亡者が発生した場所は、京畿道が221人(26.7%)、慶尚南道が81人(9.8%)、慶尚北道が67人(8.1%)で、万人死亡率が0.43人を超える広域自治体は、江原道が0.90人、全羅南道が0.72人、慶尚南道が0.70人の順だった。基礎自治体の中では、華城(32人)、平澤(21人)、昌原(18人)の順で多かった。
労災事故ではなく「職業性の疾病」によって、昨年、遺族給付が支給された労働者は1252人で、前年度の1180人より72人増えた。労働部の関係者は「労災の承認基準が緩和され、職業性の疾病と認められた数字が増えたため」とした。
労働部のクォン・ギソプ産業安全保健本部長は「労災事故の死亡者数は減ったが、依然として企業の安全保健管理体系の構築が不十分で、小規模事業場を中心に、墜落・挟まれ事故が多発するなど、小規模建設・製造現場の安全保健管理の力量が未だ不足しているのが実情」とし、「墜落、小規模事業場、高齢・移住・特殊雇用労働者の死亡者の増加に積極的に対応する予定」と話した。
2022年3月15日 ハンギョレ新聞 パク・テウ記者