宅配労働者の筋骨疾患を防ぐ可動床車が登場 2021年12月24日 韓国の労災・安全衛生
低床車を利用する宅配労働者の筋骨格系疾患誘発の可能性を下げるため、貨物室の高低を調節する「可動床車」を導入すべきだという主張が出た。低床車は宅配車輌の地上出入を禁止するマンションが増えると同時に増加している。地下駐車場の出入り口は高さが低く、従来の宅配車輌が入れないことが多いからだ。
大韓産業保健協会は「宅配労働者の筋骨格系疾患予防のための懇談会」を行った。懇談会には韓国労総・全国連帯労組宅配産業本部、CJ大韓通運宅配代理店連合会の関係者と、可動床車を開発した㈱韓国スマートトップの代表が出席した。
韓国スマートトップが開発した車には、低床車の貨物室の高さを一定程度上げ下げできるタイプと、貨物室の床を改造して腰を伸ばせるほどのスペースを確保するタイプのものがある。一つ目は貨物室の高さが最低1.25mから最高1.9mまでの高低調節が可能で、二つ目は最低1.45mから最高1.8mまでのスペース確保ができる。地下駐車場の入り口の高さが低いために一般車輌として出入りが不可能な場合、低床で駐車場を通過した後、高さ調節をすることで、腰を90度に曲げなくても荷降ろし作業ができる。
韓国スマートトップのソン・ギルウォン取締役は、宅配産業本部と代理店連合会の前で、二種類のトラックを試した。身長165cmの彼が低床車輌から品物を運ぶには腰を曲げなければならなかったが、高低調節後にはまっすぐ立ったまま貨物室の内部を移動することができた。ソン取締役は「京畿道、仁川市、慶尚南道の晋州地域に導入する試作品をCJ大韓通運が注文し、最近製作に入った。」「価格帯はそれぞれ1千万ウォンと500万ウォン台」と説明した。
実際に大韓産業保健協会が最初のタイプの車輌を利用して筋骨格系疾患の有害要因を評価した結果、車高が1.25mのときに危険水準4段階(非常に高い)が26.7%で、1.9mのときは0%と調査された。安全保健公団が行った低床車輌の有害要因調査でも、ハイトップ車(180cm前後)と低床車(130cm前後)を比較し、筋骨格系疾患の有害要因を評価した結果、低床車で配送手順の整理作業を行うと、危険性の水準が「高い(改善措置が必要)」であった。
低床車が労働者に及ぼす安全保健の有害性が立証された上に、筋骨格系疾患の予防に役立つ可動床車が開発されたので、政府の財政支援が欠かせないという指摘が出た。
協会のチョ・ギホン職業健康環境研究室長は、「労働者個人に費用を転嫁せず、安全保健公団のクリーン事業場造成支援事業の支援設備品目に可動床車を含ませて支援する方向を検討すべきだ。」「食堂で働く労働者の筋骨格系疾患予防のために食器洗浄機を支援設備品目に含めた前例がある」と話した。
2021年12月24日 毎日労働ニュース オ・ゴウン記者
http://www.labortoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=206598