ソウル施設公団、全国で初めて『危険作業拒否権』を保障 2021年12月1日 韓国の労災・安全衛生

来年1月の本格的な『重大災害処罰法』の施行を前に、ソウル施設公団が公団の職員に『危険作業拒否権』を全面的に保障すると明らかにした。危険作業拒否権について、細部基準と手続きを準備して施行するのは、ソウル施設公団が全国の公共機関の中で初めてだ。 『産業安全保健法』は、産業災害が発生する緊急で切迫した危険があったり重大災害が発生した時には、労働者が作業を中止して待避できると規定している。しかし、労働者がこの権利を実際に主張するのは難しい。施設公団が保障する『作業拒否権』は、産業安全保健法上の『作業中止権』よりも幅の広い概念だ。危険な仕事を中断するのは、労働者に保障された法的権利だが、現実には保障されにくい点を考慮した宣伝的な意味と解釈することができる。

公団は現場の労働者の立場を実効性を持って反映するために、労使間の協議を経て、『危険作業拒否権』の細部基準と手続きを準備した。安全施設の不備などの危険要素があると判断された場合や職員自ら産業災害の発生を認知した場合は、直ちに作業を拒否することができ、事後にチーム長や所長、部署長に対面報告をしたり、有線、無線、メッセンジャー等によって事後に報告することができるように定めた。公団は、労働者自ら『拒否権行使』ができるということを認知することが核心なので、広報と教育にも積極的に取り組むとした。

ソウル施設公団が運営するすべての事業場は、施設の点検や保守・整備作業時に、労働者が危険だとか安全でないと判断すれば、作業の施行前後や途中でも、仕事を中断して管理者に通知するやり方で、『作業拒否権』を行使できる。

労働者が作業拒否権を行使すると、直ちに該当の作業は中断され、安全施設設置、人員の追加配置など、必要な安全保健上の措置を履行した後に、作業を再開する。作業拒否に伴う不利益はない。ただし、労働者の作業拒否権が不当な拒否と判断される場合には、該当部署が直ちに作業再開を指示することができる。判断が困難な場合には、労使が参加する二次委員会に移管して判断を行う。

施設公団が運営する事業場は、ソウル子供大公園、地下道の商店街など24ヶ所だ。公団は所属の職員から直ちに施行を始め、制度の補完・改善を経て、下請け会社の労働者にまで拡大する計画だ。

ソウル施設公団の理事長は「今までは存在している危険要因を除去することに焦点を合わせていたとすれば、『危険作業拒否権』の保障によって、事前にそこまで予測できなかった変動的な危険までもリアルタイムで除去できるものと期待する。」「基本的に拒否権を認めるものの、風水害や除雪など、市民の安全と相反する場合は、市民の安全を最優先に施行する」と話した。

2021年12月1日 京郷新聞 リュ・イナ記者

https://www.khan.co.kr/national/labor/article/202112012118005