見えない職業がんを見つけるなら「法改正を急がねば」 2021年10月01日 韓国の労災・安全衛生

職業性がん119

「職業性・環境性がん患者探し119」(職業性がん119)が、がん患者探し運動を行って、5ヶ月で職業性がんを疑われる情報提供が141件あった。年間に国内で発生するがんの内、職業性がんの認定件数が200人程であることを勘案すると、少なくない数だ。明らかになっていない職業性・環境性がんを見付けるには、関連法の改正が必要だと主張した。

正義党のカン・ウンミ議員、共に民主党のチョン・チュンスク議員と職業性がん119は、30日に国会の前で記者会見を行い、最近、情報提供されたがん患者141人を分析した資料を公開した。肺がんが41.1%(58件)で最も多く、血液がん14.9%(21人)と乳がん9.9%(14人)が続いた。肺がんの58件の内の42件は、学校の給食室と浦項・光陽製鉄所で働いた労働者が約80%(46人)だった。

職業性がん119は「給食室の労働者の乳がんとの業務関連性は、文献・資料では明らかにしにくいが、情報提供は続いている」とし、「製鉄所の労働者の肺がんは職業性がんだということが常識になりつつあるが、ルーゲリック病やパーキンソン病といった珍しい疾患を認定できるかが未だ残っている」と話した。

発がん物質が少なくないと予想される作業場の近隣地域のがん発生率は、他の地域よりも高かった。職業性がん119が全国の主な産業団地の年齢標準化がん発生率(2016年基準)を調べたところ、ポスコの製鉄所がある浦項市南区と光陽市でそれぞれ348.7人、347.6人で、全国平均(315.9人)よりも高かった。石油化学団地がある蔚山市南区(333.4人)と全羅南道麗水市(342.2人)も、平均を上回った。年齢標準化がん発生率は各年齢群の標準人口比率を加重値にして算出した数値だ。

職業性がん119は隠れたがんを見付けるために産業災害補償保険法を改正すべきだと主張した。療養給付申請の主体を産災保険医療機関から、医師・事業主に拡張すべきだということだ。潜伏期間が長いがんの特性を考慮して、健康障害発生のおそれがある人に健康管理カードを発行して、持続的に管理できるような内容に産業安全保健法施行令を改正することも提案した。産業安全保健法施行規則217条によれば、本人あるいは勤労者が事業主に依頼した場合にカードの発行を申請できるが、強行規定ではない。医師が診療記録簿に職業歴を書くように、医療法を改正する方案も提示した。

職業性がん119は「我が国の一般がんの内、職業性がんが占める比率は0.06%で、全世界平均の4%に達していない。」「職業性がんの産災申請を簡単に処理し、早期発見のために退職者の管理がキチンとされるように、関連の法制度を改善すべきだ」と主張した。

2021年10月1日 毎日労働ニュース カン・イェスル記者

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