続くマンホールでの溺死事故。労働部、地方自治体に『集中豪雨時の作業中止』を要請 2021年7月2日 韓国の労災・安全衛生
2019年7月31日、明け方からソウルは20㎜の豪雨が降っていた。しかし、現代建設と施工者は、ソウルの木洞にある雨水底流排水施設の拡充工事を止めなかった。午前7時40分頃、電気作業者2人が地下40mの水路に入った。既に10分前に大雨注意報が出された状態だったが、この状況が伝えられたのは8時頃だった。8時3分頃、突然雨水がトンネルに怒涛のように流れ込み始め、非常状況を知らせに行った現代建設の職員まで、3人が溺死してしまった。ソウル市陽川区庁が管理するこの施設の中には、警報設備や非常用の器具もなかった。
2017年7月4日の午後3時40分頃、昌原市の覆蓋構造物の保守工事の現場で、労働者4人が覆蓋河川の内部で補修作業をしていた。午後4時を前後して37㎜の局地性の豪雨が降り始め、水量が急激に増えて労働者4人が急流に巻き込まれ、3人が溺死し、1人は電線に掴まって負傷しただけで救助された。当時、作業を発注した馬山市会原区庁は作業中止命令を出さず、非常待避も実施せず、監視人も配置していなかったことが明らかになった。
雇用労働部が2日、各地方自治体に『水没事故予防対策』の予防資料を緊急配布し、集中豪雨が予想される場合はマンホール内部での工事を中止するように要請した。これは先月28日に発生した労働者の溺死事故に対する措置だ。全北の全州市のある上水道の配管機能改善工事の現場で、配管内の溶接作業中だった労働者2人が、40㎜以上の豪雨で増水した雨水に孤立して、1人は待避したが1人は溺死した。
労働部はまた、今月から来月まで、労働部と韓国産業安全公団が実施する産業災害点検の時に、浸水による溺死、集中豪雨による土砂崩壊、強風による施設の落下・転倒・飛来などの危険に関して集中して確認する計画だ。労働部は各作業現場に、事前に気象情報を確認し、△必要に応じて作業の中止、△水害対比の非常連絡網と非常用設備の構築、△雨水流入遮断施設(水門など)の設置と人員制限などを伝えた。
地方自治体の現行の『地方自治体の入札および契約執行基準(行政安全部例規)』では、工事監督官は工事の全部または一部の安全のために、必要な場合は工事を中断することができる。労働部は「上下水道または雨水管路などで発生する水没事故は地方自治体の施設で発生するので、事故予防には地方自治体の格別の関心と役割が重要だ」と説明した。
2021年7月2日 ハンギョレ新聞 パク・ジュンヨン記者