重大災害法改正されれば「『九宜駅キム君』惨事の元請けに罰金15億宣告」 2021年7月1日 韓国の労災・安全衛生

2016年の『九宜駅キム君』産災死亡事故が市民法廷に立った。重大災害処罰法が適用されて市民が直接刑量を決めれば、直ちに元請け企業は罰金15億ウォンを宣告される。

1日、共に民主党のイ・タンヒ、イ・スジン(比例)、チェ・キサン議員の主催で、模擬法廷『重大災害処罰法改正案適用初の模擬裁判―産災市民法廷1号・九宜駅キム君事件』が行われた。

1日、共に民主党のイ・タンヒ、イ・スジン(比例)、チェ・キサン議員の主催で、模擬法廷『重大災害処罰法改正案適用初の模擬裁判―産災市民法廷1号・九宜駅キム君事件』が行われた。/イ・タンヒ議員室

回の模擬裁判は、イ・タンヒ議員が代表発議した重大災害処罰法改正案が実現された場合、どのような変化をもたらすかを実験して見る席だった。

改正案の核心条項は、罰金の下限線と刑量陪審制だ。現行の重大災害処罰法は、産災死亡事故の発生時、該当法人などに50億ウォン以下の罰金を宣告するようになっている。

イ議員は死亡労働者一人当りに平均450万ウォンの罰金が賦課される現実を繰り返さないために、『1億ウォン以上』の罰金刑を宣告するようにした。また、判事が罰金刑を宣告する前に、専門家と市民などの国民量刑委員会の意見を聴くとした。

この日の裁判は量刑審理の期日だった。被告人の九宜駅惨事の元請け業者と下請け業者の法人、各代表理事が、一審で重大災害処罰法違反などで有罪を宣告されたという前提で、従来の裁判と同じ過程を経た後、量刑委員が評決を行い、これを基に裁判府が刑量を決める形だ。

裁判長はパク・シファン前最高裁判事が担当した。検査と弁護士、証人などは演劇俳優たちが活躍した。量刑委員は8人で、公共輸送労組のチョ・ソンエ労働安全保健局長、ユ・ジェウォン労働弁護士などの専門家6人、市民2人で構成された。

裁判開始の直後に一番の量刑委員が委員を代表して、「事実を正しく判断し、法と証拠によって真摯な意見を出すことを誓う」と宣誓した。

裁判府は量刑委員に「審理終結後、宣告が終るまで、裁判長の許可なく席を離れることはできない。評議に入るまでに他の量刑委員を含む誰にも意見を言うことはできない。法廷に提出された証拠だけで判断し、この事件に関する他の情報を収集・調査することはできない。評議・評決などの過程で知ることになった裁判府と他の量刑委員の意見を外部に漏洩してはいけない」と注意事項を伝えた。

1日、共に民主党のイ・タンヒ、イ・スジン(比例)、チェ・キサン議員の主催で、模擬法廷『重大災害処罰法改正案適用初の模擬裁判―産災市民法廷1号・九宜駅キム君事件』が行われた。/イ・タンヒ議員室

裁判でキム君の同僚、監査院の職員、電子事業所長などに対する証人尋問によって、産災死亡事故の構造的な原因が指摘された。

キム君の安全不感症が事故の原因だという被告人側の主張と違い、2013年に江南駅で同じ事故が発生したのに、元請けと下請けのすべてが安全措置・再発防止措置義務を果たさずに『予想された人災』と、検察は指摘した。

検察は元請けと下請けの代表理事にそれぞれ懲役2年と罰金2億を、二法人にそれぞれ罰金30億ウォンを求刑した。

量刑委員は分離された部屋で20分程評議した後、意見書を裁判府に提出した。

裁判府は元請け代表に懲役1年に執行猶予2年、罰金1億ウォンを、下請け代表に懲役1年に罰金5千万ウォンを宣告した。元請け企業には罰金15億ウォンを、下請け企業には罰金8億ウォンを賦課した。

裁判府は、元請けに安全な作業環境を作る権限と責任があるとし、「この事件発生の根本的な責任を糾明すれば、結局、委託契約の締結に伴う(構造的な)限界が多かったという点が大きく参酌された」と、量刑理由を明らかにした。

模擬裁判が終わった後、裁判長を引き受けたパク・シファン前最高裁判事は取材陣と会って、「裁判所の意見をほとんど反映せず、陪審員の量刑平均値の近くで決めた」と、宣告の背景を説明した。

1日、共に民主党のイ・タンヒ、イ・スジン(比例)、チェ・キサン議員の主催で、模擬法廷『重大災害処罰法改正案適用初の模擬裁判―産災市民法廷1号・九宜駅キム君事件』が行われた。/イ・タンヒ議員室

今回の量刑は、従来の裁判では想像できない範囲だ。実際の裁判では、元請け代表は業務上過失致死罪などで罰金1千万ウォン、下請け代表は懲役刑の執行猶予が確定した。個人の行為責任を問う刑法と違い、管理責任を強化した重大災害処罰法が今回の模擬裁判に適用され、元請けを更に強く処罰できることになった。

パク前最高裁判事は「市民の量刑感覚を見た」とし、ただし「裁判府は下請け代表に対しての実刑までは考えられなかった。構造的な問題の出発点を問うべきではないだろうかと考えた。少なくとも下請けと元請けの代表の刑は同じではないかと考えた」と話した。

この日の模擬裁判を傍聴した金鎔均財団のキム・ミスク理事長と、昨年の利川倉庫火災事件の遺族のキム・ジヒョンさんは、現在進行中の裁判で、元請けの最高責任者が具体的な実務は知らなかったとして責任を回避している状況について、苦しい思いを伝えた。

イ・タンヒ議員は「元請けに罰金10億ウォンは、既存の産業安全保健法など、裁判からでは出せない形態」で、「(国民量刑委員は)構造を変えることができる元請けに企業責任を更に賦課した。刑量陪審員制度は市民の感情だけを反映するというおそれがあるが、専門家・市民・裁判府が集団知性を発揮し、個人と企業の責任を峻別できるということまで確認できた」と評価した。

イ議員は、4月に平澤港で死亡した故イ・ソノ君の死亡事故が大きな契機になったとし、重大災害処罰法の改正を求めた。

2021年7月1日 民衆の声 カン・ソクヨン記者

https://www.vop.co.kr/A00001580583.html