地方公務員災害補償基金との交渉(第2回)記録/2020.02.25

昨年に続いて、全国安全センターが2月25日、地方公務員災害補償基金との交渉を行った。要求書は最後に掲載。今回はなるべくそのまま文字に起こした。重複も多いが、内容も理解しやすい、雰囲気もわかりやすいと考えた。なお、表現その他で誤解のないように若干の修正もしており、あくまでも文責は神奈川労災職業病センターにある。【川本浩之】

基金本部が交渉延期の打診をした理由や経過

職員:先週水曜に川本さんにご連絡してコロナウィルスの関係で延期のご相談をさせていただいたときに、そういう話になった経緯を説明してほしいとおっしゃいました。最初にその話を。

団体:はい、お願いします。

職員:新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、各種イベントや会議の中止が各地で行われてると報道されてますが、ちょうどお電話した日に当基金の所管官庁である総務省から当基金に対し、内閣に新型コロナウィルス感染症対策本部が設置され、関係各省あげて更なる感染拡大の防止に向けた対策を強化していくこととしているという旨の情報提供があったと共に、感染の可能性を少しでも減らすために、テレワークや混雑する時間帯を避ける時差出勤などについて推奨しているところでございます。こうした状況を踏まえ、基金としても、今後予定されている会議や打ち合わせについて、延期の可能性や代替手段を検討するにあたり、その可能性についてご相談をさせていただいたという経過です。あくまでもあのときもお話したし、ご相談、この話で一方的にというつもりは全くございませんでしたので、ご理解を。

団体:こんなことで長々と話すつもりはないんですが、例えば労働保険審査会の公開審理が3月に予定されているのですが、再審査請求人ないし代理人に対して、もし希望があれば延期をしてもかまいませんよというような文書が届いておりました。

団体:僕も審査会の方から。基金本部も同様ですか。

職員:審査会については、現時点ではまだしてないです。

団体:例えば、請求人の側が、体調が悪いのに無理して公開審理に行くことを防ぐのであれば話はわかります。文書には新型コロナの説明も一緒に入ってまして、そういうことで注意しろと。そういうことをやってくださるのであれば非常にいい話だと思いますが、あるいは不特定多数の人が多数来るならともかく、たかだか7~8人であらかじめ名簿を出させているのに、せいぜい名古屋から来る人が1人いるぐらいで、東京からは去年と同じようなメンバーです。

基金本部の対応として、優先順位を間違ってるんじゃないですか。内部で全国規模の会議のやり方を変えるとか延期するのは総務省の言う通りかもしれません。あるいは自治体や学校で会議を延期するとか行事をやめるとか、これはもちろん検討はあると思います。総務省や文部科学省が言うまでもなく。あるいは基金本部で実は職員で風邪引いた方が出たからといった話であれば分かりますが、そうでもないのにおかしいでしょ。逆にこっちは医療関係者もいますから来てほしくないとか、私も労災患者さんと当然接する機会も多いですから、そういうの忌避されてるのかと思うわけです。神奈川ではクルーズ船の医療関係者などのいじめまで起きていると新聞で報道されました。それと近い感覚ではないかと私は非常に危惧したわけです。適切な予防対策ではなく、そういう予断や偏見があって、そのことが正直、現場の労働者や担当者ら含めて迷惑してるんです。やはり合理的な対策じゃないといけないでしょ。我々は常に大変緊張感もってやってます。実際、医療関係者で感染している事実があるわけだから。こっちのほうがよっぽど真剣にいろんなことやって対応もして、そういう相談もしてます。昨日も労働組合がホットラインを実施しています。あなた方の対応は真逆です。それは基金本部としておかしいんじゃないかと思うんです。他の会議などで変更や延期があるんですかと言ったら、「ないです」と言うから尚更です。結果として今日に至るまでありましたか。

職員:そのあとはない。

団体:ないんでしょ? だから審査会として、まずは再審査請求人に対して気遣いを是非やるべき。真剣に公開審理やられるんであれば。審査会委員の先生方の問題もあるんだし、ご高齢の方もおられますし、根本的にきちんと考えてもらいたい。職員や被災者など具体的な関係者への配慮ではなくて、総務省の上から言われたことをそのままやっていればそれでいいのだという感覚がおかしいです。言いたいことは以上です。では、本題についてよろしくお願いします。先に要請書を出しているので簡潔にご説明いただければと思います。

基金本部からの回答

基金の体制について

職員:1(1)基金の体制について。基金の業務が、使用者である地方公共団体などに代わって職員への補償を行うものであることから、地方公共団体等との親密な連絡や連携が保持されることが必要であるため現在のような形になっているということです。そのため地方公共団体の職員が基金の業務に従事しているということです。なお、基金支部の組織や職員の配置につきましては業務上、人事の効率的な配置等留意しつつそれぞれの支部において設定してるもので本部としては各種研修等により専門能力の向上を図っているところです。
調査対象や聴取で請求者本人の希望を尊重することについては、基金に関して公務災害の認定については認定請求人が公務災害認定請求書において申し立てた内容について調査を行います。精神疾患の請求内容の審査においては、基金としては客観的な資料として第三者の証言を重要としていることから、認定請求人からの申し立てのあった内容について同僚などの職場関係者等に対する証言を含めていくところですが、精神疾患発症の事実を職場関係者に知られたくない等の申し立てがある場合には、調査の範囲を絞るなど被災者本人の希望を尊重した介入を行っているところです。また、発症の原因が複雑な疾病事案の場合についても公務起因性の判断において慎重な判断が求められるところですけれども、診断や検査を受けさせることにより被災者本人の負担が生じることを考えられることから、診断や聴取を希望しない旨の申し立てがあった場合には調査の範囲を絞るなど、被災者本人の希望を尊重した対応を行っているところです。

直接面談して行うことについて

1(2)基金における公務災害の認定については認定請求人が公務災害認定請求書において申し立てた内容に基づき調査を行っております。この請求内容の審査にあたり、基金としては客観的な資料として第三者の証言を重要としていることから、認定請求人から申し立てのあった内容について同僚等の職場関係者の証言を求めているところです。被災職員からの聴取については、職場関等の係者の証言から、請求書等の書面で申し立てのあった内容については、是非詳細な申し立てや事実と認められる具体的な証拠の提出が必要であると認められる場合には必要に応じて行うこととなります。また、医学的見地についても同様に医学的知見について主治医等から直接調査する必要があると認められる場合には行うということになります。

専門医名簿を開示すること

1(3)基金本部専門部の名簿については個人情報であり、開示することになっておりません。これは公正な審査や専門的かつ高度な医学的知見を有する者を確保する観点から非開示という対応にさせていただいているところです。

1(4)ですが、基金本部としてはご質問のようなケースを承知しておらず、コメントすることができませんが、一般論で申し上げるならば、公務災害認定申請書に必要な書類が提出されていない、あるいは申請の提出上要件に適合しない申請が行われた場合に受理できないことはあるかと思われます。

傍聴について

1(5)の傍聴については、審査会における審理手続きについては行政不服審査法によることとされており、同法では不服申し立てによる権利救済を簡易迅速に図るため書面審理主義を採用していることから、法律上審理の公開を予定されていないことです。また、不服申し立て人の救済の面では代理人制度のほか、職員を代表する者などにも意見を述べる機会を与える参与制度が導入されているところです。また、口頭意見陳述は、請求人はもとより関係人の個人情報等取り扱うことも想定されているところです。以上のことから、請求人が了解していたとしても口頭意見陳述の傍聴は認められる状態でなく、非公開方式を改めるというのは今のところ考えておりません。

精神疾患について

厚生労働省の認定基準の見直しについては、報道等でご承知の通り、令和元年5月にパワーハラスメントの防止対策の法制から盛り込まれた女性活躍推進法等の改正案が成立し、パワーハラスメントの具体な範囲が明確化された他、事業主に対してパワーハラスメント防止のための雇用管理上必要な措置を講じることが義務付けられ令和2年6月から施行されることとなっております。このようなパワーハラスメントに関する法制化を踏まえ、労災保険制度においては厚生労働省が有識者会議を設置し、パワーハラスメントと労災認定に関する議論を行っているところです。基金としては、こうした労災保険制度の情報について情報収集を行っているところです。

石綿疾患について

石綿との関連が明らかな疾病であるかどうかについては、労災保険の認定基準に準じて被災職員が石綿にばく露したことを証明する客観的な資料及び医学的知見を踏まえて適切に判断して参りたいと考えております。

腰痛について

腰痛事案については、腰痛の公務災害の認定基準にのっとり適切に認定されており、現時点において特に見直すことは考えておりません。なお、裁判の判断については、一般的に個別事案の事実認定に関わるものであり、認定基準の改正を必要とするものとは考えておりませんが、認定基準に関わる司法判断があった場合は認定基準の改正をしていくかどうかを含め検討したいと考えています。

頸肩腕症候群について

ご指摘のようなケースについては承知しておらず、コメントすることはできません。一般論で申し上げるならば、職種の違い、あるいは審査結果において相違が生じることはあり得ることかと考えられます。

個別の事例について

基金本部としてはご指摘のようなケースを承知しておらずコメントすることはできません。一般論で申し上げるならば、医師の診断において主治医との意見の違いが生じることは充分あり得るかと思います。なお、処分に不服がある場合には、基金支部審査会に審査請求をできる旨を公務外処分の通知を行う際に通知しているとおりでございます。本部からの説明は以上です。

基金本部との質疑応答など

団体:1⑴と⑵も似たような話で、要請の趣旨とお答えが逆になってたんで改めて要請したいんですが、さっきのだと、本人の申し立て書があるから、同僚とかの話は必要に応じてもちろん聞くけども、そんなに詳しく面談相手、例えば⑵の精神疾患で面談までしてやらなくていいんじゃないか、そのほうが請求人の利益になるようなお答えにきこえましたが、こちらで言ってるのは逆です。

労災保険との比較になって申し訳ないのですが、もちろん本人の申請書には経過が書いてありますが数行に過ぎないのであって、例えば労災保険で精神疾患であれば、申し立て書に症状の発症から経過をいろいろ7~8ページくらい書いて提出を求められます。職歴とかは公務員の場合はあまり必要ないとは思いますが、前職も含め個人的なことだけでも結構書かせるようになっています。そのうえでさらに聴取があるんです、必ず。担当職員が本人と面談して聴取書にまとめます。申し立て書をなぞる形にはなりますが、精神疾患ですと半日やそこら時間もかかります。聴取書にまとめることは負担ではありますが、細かな事実関係や症状や職場状況とかも聞く必要があります。基金にしても、職員構成から始まり職場のいろいろなことを全部把握してるはずがないです。学校の校長先生でもそんなことできないし、限界もあります。みんなそういうふうに事実関係の調査をしているんです。ですから絞り込んで調査しているという言い方、調査内容を絞るみたいな言葉が出たのは非常に意外です。逆です。絞らないでせめて本人の言っていることをもう少しきちんと聞くとか、同僚からもきいて欲しい。職場の同僚は何十人もいるわけですから全員に聞けるわけないですが、請求人が大体自分の仕事のことを分かっているのはこの人とこの人だと伝えれば、監督署はほぼその人たちに聞き取りするんです。それで調査に時間がかかるかというと全然そんなことなくて、公務災害のほうが遅いぐらいです、決定までの期間は。公務災害だと1年ぐらいかかることがよくありますが、民間だと6~7ヶ月が平均です。精神疾患でもです。職員は何件も抱えているので大変ですが、そういう事例と比べても、非常に調査の仕方がおざなりです。

主治医の意見と専門医の意見にずれがあったり違うこともあるでしょう。そこを確認するべきです。監督署だと意見書を再度依頼したり、「こういう点については先生のお考えいかがですか」と再度意見を求める。公務災害認定ではそういうことは一切ない。私の経験上1回もない。全部、専門医の言う通りで公務外。そういう意味から、きちんと調査を丁寧にやって欲しいというのが要望です。絞り込んでとかじゃない。なるべくたくさんの人のいろんな事実関係の聴取を行い、事実に近づいて欲しい。医学的なことだろうが職場の実態であろうが。そういう姿勢が基金公務災害には欠けているというのが要請の趣旨です。今の話を聞いたうえで、ご感想なりコメントがありましたら聞きたいです。

職員:そういう要請があったことは理解します。私としては現行できる範囲で手続きに則りまして調査をしているということです。それが不十分だというご意見はわかりました。

団体:1⑵についてですが、必要な場合だけ被災者からの聴取を直接面談で行うという趣旨の回答でしたが、理解しがたいです。職場における様々なストレスによって精神障害が発症したんじゃないかということで労基署が調査を精神障害の労災申請についてやるときは、必ず直接面談をします。しないなんてことはあり得ない。これはもう厚労省の精神障害の労災認定の実務要領にもう明記されている。面談するときはこういうところに注意しなさいというようなところまで含めて細かく書いて厚労省は各労基署に対応を求めているわけです。労基署も基本的には申し立て書を請求人に改めて書かせてる。でもそこで書いた情報量でも少ないので面談をやるわけです。労基署に来てもらって。あるいは本人が動けなければ出張して労基署の職員が面談をするわけです。その面談も30分や1時間じゃないです。本人の体調に留意しつつも場合によっては、私が担当したケースで言えば5時間とか8時間ぐらいです。細かく聴き取りをして、どういう経緯で職場でどういうストレスがあってどういう長時間労働にさらされて、どういうパワーハラスメントにさらされて精神障害になったっていうふうに本人が考えるのかを細かく聴き取るわけです。そのうえで第三者の証言なり会社の聴き取りなどもやるわけです。あなた方は、第三者証言は随時すると言うが、まず前提として被災者、申請をしている本人の証言を事細かに聴かなければ、その第三者に聴き取るときの質問項目が決まらないでしょ? 本人が、こういうところで私はこういう被害を受けた。例えばこういうこの日にこういう事柄でこういうパワーハラスメントをこの上司から受けたんだってことを細かく聴き取らなければその事実があったかどうかを第三者、例えばその職場の同僚に聴き取ることもできないわけですよ。確認もできないんですよ。文書での情報量では少ないんです、あまりにも。だから労基署はちゃんと聴き取りはしてるんですよ。もちろん労基署も聴き取った内容そのままうのみにしない。聴き取った内容から、本人が言ってることの裏付けを丁寧に調べていく。だから必要な場合だけ直接面談をするけれど他は文書によるという回答では全くずさんな調査を我々やってますよというふうに宣言してるに等しいんですよ。職場におけるストレスが原因で精神障害になりましたという同じような申し立てに対して、なぜ労基署は聴き取りを丁寧にやって、これで調べて認定するかしないかを判断しているのに、基金では直接聴き取りは必要な場合だけで、通常は文書でやる。なぜこんな違いが生じるのか。全く合理的な根拠がないと思うんです。労災と公務災害でどうしてこんな違うやり方が許されるんですか? 公務災害では、厚労省の、労基署がやってるやり方から学ぼうという気がないんですか? そこを聞きたい。厚労省はそこまできちんと丁寧に調査をやって認定業務をやってる。それだって問題があるから、しばしば労災認定裁判で結論はひっくり返る。精神障害についてもそうです。労基署はそこまで慎重にやっているけれどもそれでも裁判に行ってひっくり返ることがある。それくらい難しいことなんです。労災認定を本気でやるってことは。公務災害はそこまでやらない。もっとずさんなことをやってるとしか聞こえません。なぜ厚労省のやり方から学ぼうとしないんですか。コメントください。

職員:労災保険と組織体系の違いもありますが、基金の場合、公務災害申請書において任命権者が公正に事実関係を証明する仕組みになっています。確かに、どう仕事をしているかなど充分に把握していないところもありますが、まずは任命権者らに協力を求めて正確に把握するという制度です。判断基準としては、本人の意見、同僚への照会や証言を総合的に判断していくところです。本人の申し立てで充分でないところがあれば確認して適正に判断したいと考えているところです。

団体:労基署は、本人の言ってることは事実なのか直属の上司に聴き取りしたり、本人がどういう条件で働いてるのか客観的な資料の調査をします。民間企業に対して、事業所に対して。きっちりやるんです。そのことと、本人に聴取しない、面談しないことは話は別でしょ。あなたの説明は説明になってません。例えば直属の上司に対して確認したとあなたおっしゃった。当然、労基署も同じことをやってます。それと本人に聴取するしないは全く別の話です。私が非常に疑問なのは、本人から詳しく聴き取らなくて、どうやって事案について綿密な調査ができるのかという話です。書面での情報量は本当に少ないんですよ。

団体:任命権者って学校で言ったら校長先生のことですよね。教育委員会?まあ同じですね。労災保険では、工場長とか社長にも申し立て書を本人と同じかもっと詳しく書かせます。場合によっては電話とか聴取もします。面談聴取するんです。労基署は会社に行って、出勤簿や組織体系や本人がどこに所属してるのかとか、そういう書類を全部出させて調査するんです。当たり前のようにやっています。事業主が労災書類にハンコを押すか押さないかに関わらずやるんです。事業主が「労災だと思ってませんから協力しません」と、労災申請書類にハンコ押さないケースもたくさんあります。労基署はそれはそれとして、会社に行って調査しますと言って、社長や工場長や直属の上司に聴き取りするんです。当たり前のようにやっています。だけど、前提として労基署はまず本人に聴取します。ポイントが何かをつかんだうえで、同僚や上司や会社に対して調査する手順を踏みます。真っ先に会社なんか行きません。まず何が本人の申し立てのポイントなのかをしっかりつかまなければ調査できないから。そのために本人に必ず面談をする。労基署は結構厳格にやっています。本人にまず面談してから調査に入るんです。よっぽど本人の体調が悪くてすぐに面談できない場合は先に会社に調査することはあり得ますが、それは例外です。原則は本人にまず面談します、労基署は。何時間も面談することだってあります。聴き取った内容をその場で文書に起こして、本人に確認してハンコ押させて、その内容に基づいてどこがポイントかを見て会社に調査に入ります。基本はそうです。労基署に聞いてごらんなさい。原則面談やりませんと言ったら仰天しますよ。そんなずさんな調査してるんですかと絶対反論されますよ。

本当にちゃんと調査やってるのか疑問ですよ。繰り返しますが、労基署はそこまで丁寧に調査をしても判断ミスで裁判で不支給決定がひっくり返ったりします。精神障害の案件であれば、労基署はそれぐらい難しいケースだと自覚して慎重にやります。場合によっては労基署だけじゃなく、労働局がサポートに入って検討したりします。なのにあなた方は面談すらまともにやってないとは、すごいずさんだということを自ら言ってることです。しかも、その対応が異なる理由をあなた方は全く説明できてない。任命権者に聴くことは労基署だって当たり前にやってます。なんで面談ができないんですか。体制が取れないんだったらそうおっしゃってください。それならそれで我々は体制を整えろと要請します。問題は、きちんとした調査が確保できない自治体があるのに、できてると言い張られても困るってことです。最終的には、公務災害を申し立てた被災者に不利益になるのです。ずさんな調査で不支給決定受けたら。そういうリスクがあるから丁寧に調査してくださいと要請してるんです。我々の趣旨が分かりますか?。あなた方の調査ずさんじゃないかと我々は思ってるわけ。なぜ労基署と違うのかちゃんと説明してください。任命権者、使用者の調査は労基署も同じようにやってます。本人面談したうえで。もう1回回答お願いします。

職員:正式な調査については制度上、被災職員から申し立てをしていただき、それについて重要な事項や不十分と考えられることについてこちらから調査、確認するということは従前通りあります。

団体:不十分な時にやると言うが、我々の要請は、不十分かどうかに関わらず原則として面談をちゃんとやってくださいということです。それをやる人員体制がないのなら早急に整えるよう内部で調整するなりしてください。でなければ我々は、ずさんな調査が行われてるという懸念が拭えません。全員公務災害になるわけじゃないでしょ。公務外になってる精神疾患の事案も当然ありますよね。全部認めてるんだったら別に何も言いません。校長先生がハンコ押したからといって全部認めているわけがないんです。そうだったら神戸みたいな事件は起きないんだよ。結果がああいうことなんです。パワハラで休まざるを得なくなるまで悪くなって。校長はもちろん同僚もみんな知ってたんじゃないか。公務災害申請が上がったのは大きく報道されて以降でしょ。それを言ってるんだよ。公務災害申請が上がっていない。その1つの理由として、上げたって駄目なんだ、行政はちゃんと調査してくれない、しかも上げて駄目そうだったら取り下げろとか言ってくると。承知していない?ふざけるなよ。そういう相談が来てるんだよ。取り下げろと言われたんですがどうしたらいいですかって。こんな神奈川県の民間の団体に、奈良とか青森とか全然違う地方から来るんだよ。
去年の交渉時は、知られたくない精神疾患の場合は任命権者の書面抜きでも正式申請できるようにしたと言ってたじゃない。そういう事情ではない、普通の怪我とかでも似たような話があるんだ。協力的な任命権者もおられますよ。ちゃんとやってくださる方のほうが多い。でもそうじゃないところでむしろ精神疾患が起きている。任命権者の対応が適切で公務災害申請するまでもなく療養されて治療して元気になるのだったら、それでいい。労災隠しの疑いがあるとはいえ。ケガや病気で休まざるを得ない。精神疾患で死ぬかもしれないような事態が起きてることに緊張感が全くないんだ、あなた方は。承知していない、分からない時にこそ積極的な対応をしろと言ってんだよ。こちらは現場の実態を情報提供しているんだ。今度から具体的事例を全部あげますよ、本人の承諾を取って。そのかわり、本人を絶対守ってください。雇用なり身分なり職場で嫌がらせを受けないように。絶対承知するのなら議題に出します。神奈川だけじゃないです。「承知してない」などという決まり文句は来年以降、絶対止めてもらいたい。お願いします。

団体:⑸の傍聴の件ですが、行政不服審査法は公開したらいかんと書いてあるわけじゃないですよね。公開しろとも書いてないが。

職員:公開してはいけないとは書いてない。

団体:書いてないんですよね。公開義務付けされてるわけじゃないってことで。

職員:労災のほうは法律上公開されてますね。

団体:審査官、審査法ですよね。行政不服審査法で公開しろとかしないとかどっちも別になんにも書いてないですよ。

職員:公開に関しては規定はない。

団体:ないのに、なぜ労災は公開することになってると思います?

団体:行政不服審査法は公務災害だけを相手にしてる法律ではない。

団体:だから行政審査では全部オールマイティでしょ。そのなかで、なぜ労働保険、労災はじめ、公開になってるんですか?

職員:そこの趣旨はよくわかりません。

団体:調べてみなさい。理由なく公開しますか? 会社の意向とか本人の事情とか医学的な専門性とか、複雑であればあるほど公開したほうが客観的、合理的また正しい真実に近づけるという判断で法律を作ったんです。そういう趣旨で公開してるというのが自然じゃないの、事実。行政の枠内だけでの限界を少しでも減らすために公開していこうというのが厚生労働省の考えじゃないんですか? だからわざわざ一般の行政不服審査法がどうとか税金がどうとかじゃなくて労災補償なり労働保険については公開してとわざわざ言ってあるって考えるのが自然でしょう。違いますか。調べてみてください是非。厚労省に聞いて。なんで公開することになったのか。建物がどうとか土地がどうとかいう話と行政不服審査ありますけど、それだって公開してやるようなとこもあるかもしれません。僕も不勉強で知らないけど誤解してるとこあるのかもしれないけど、法律によっては。少なくとも労災保険、労災補償についてはそういうそういう趣旨からやってんじゃないんですかね。そう考えないとおかしいでしょ。専門医だってそうでしょ。公開した方が正しい決定できるという意味で。公開は、今もそういう1つの担保としてある話ではないんですかね。同じだと思うんですよね。

団体:⑶の専門医の公開の件ですが、去年もこの場で議論しました。我々としては公正な審査がきちんとできてるのかという疑問があります。誰がどういう基準で委員になって、どのように判断してるのかというのは知りたいし、公開すべきだと思っています。閉じられた中で決められてる委員の公平性というのはどう担保してるのか。昨年もまともに答えられなかった。改めて伺います。専門医の公平性をどうやって担保してるんですか?

職員:認定の公平性については専門性の確保が重要であり、専門医の推薦によって専門性の高い方を確保してるところです。専門医の選任にあたっては充分な学識経験者、どういうことをされているのかということも把握しながら専門性を確保してるというところです。

団体:専門医を、誰が推薦するんですか?

職員:専門医については専門家から推薦していただきます。

団体:推薦する専門家はどうやって選んだの? 推薦する専門医の先生はどうやって選んだの?

団体:石綿の申請で医学的にも作業的にも同じような事案でも認められたケースもあれば認められないケースもあるが、その違いがさっぱり分からない。専門医や当局の恣意的な判断で決められているのは危機感を持ちます。現状の審査のやり方では公平さを感じない。少なくともきちんと名前を出して、こういう理由で認めなかった、認めたという専門家としての意見を明らかにして欲しい。

団体:選任手段や方法について規定もないんでしょ。例えば、産業衛生学会に意見を聞くとか、専門医機構の推薦を受けるとか、公的なところの推薦を受けるとか。それが絶対正しいとは言わないが、それでもそれなりの規定がありますよ。結局、自分たちがかつて選んだ人の弟子や知り合いになんとなく回してるということです。あなたが言う専門医の推薦というのはそういうことでしょう。

職員:規定は特に設けてないんです。

団体:それではその人の恣意的な基準になりますよ。専門医に選ばれた人の仲良しや知り合いばかり選ぶわけだから悪くなる一方でしょ。規定を作るべきです。

団体:規定がないこと自体驚きです。地方労働局にも専門医制度はあります。厚労省に、どう選んでいるのか聞いてみたらいかがですか?

団体:厚生労働省は専門医を公開しますよ。事実や公平さを確かなものにする意味でも公開されているわけです。その公平さや事実の追求を、本当にないがしろに考えてるとしか思えない。

団体:これから規定を決めて透明性のあるあり方で選出するという考えはないの?

職員:そういう検討は、していません。

団体:なぜ、労災保険と同じような事象を扱う公的な基金が、労災と違って、ずさんなことをやってるのか。規定がない、名簿を公開しない、聴取もしない、口頭意見陳述も公開しない。なぜこんなに違うんですか。あなた方の制度よりもはるかにきちんとやってる労災であっても多くの問題が発生しているので労災認定をめぐる裁判にもなるし、我々も厚労省に要請もして毎年激しいやり取りしてます。労災でもそこまでやっている。あなた方はもっとずさんだ! なぜ規定を作る必要もないと思えるのか! 被災者の人生がかかってるだよ。公正公平にきちんと説明できる制度を作って運営するのがあなた方の責任でしょ。規定もなければ名前も公開できない制度を誰が信頼できるのか。検討する必要性すら感じないこと自体論外です。検討してください。名簿の公開を検討してください。規定を作ることを検討してください。

精神疾患の公務災害認定基準について

団体:お願いします。また担当が変わるかもしれないから引継ぎをきちんとしてください。もし必要であれば年1回ではなく、2回でも3回でも来ますよ。時間もないので2に移ります。精神疾患の件ですが、お話されたことはこっちも承知しますが、さらに検討しようとしてることはご存じないとは不勉強ですよ。心理的負荷表の改正に向けて今回のパワハラとは別に検討作業をしていきますよ、厚生労働省は。

団体:2020年は心理的負荷表全体を改正の方向で見直していく。検討の結果にもよるんでしょうが。先日のパワハラ部分の改正についての専門検討会でも厚労省の事務方がそのように説明してました。それはご存じないんですか? 抜本的な全体の改正について。

団体:どこまで承知されてるんですか? お答えいただけませんか?

職員:報道等に出てくることについては承知しておりますけど。

団体:具体的に答えなよ。知らないんですね、全体の見直しもやると話をしていることを。

職員:昨年度、厚労省とは話をして、認定基準を改正していくことは承知してます。

団体:パワハラ以外のことも含めて検討を始めたことはご存じないんですね。質問を変えましょう。この件について基金本部は、今回の我々の要請を受けて、厚労省にどういう検討をこれからされるのか問い合わせましたか? したかしないか、お答えいただきたい。

職員:それにつきましては正確な情報がないのでお答えできません。

団体:正確な情報かどうかではない。したのか、しなかったのか、だけです。あなたはしてないのね、少なくとも。

職員:してません。

団体:全体の見直しも報道されたが、パワハラ関連以外も見直しすると小さく載ってたよ。要請を受けたら厚労省に聞けよ! 要請を真面目に受けなさいよ。たかだか年1回これだけの項目しかないんだから。

団体:2⑴を見て厚労省に確認しなきゃ駄目ですよ。労災、公務災害の認定基準にも影響を与える話なんだから。今、厚労省で専門家の検討会が始まってます。パワハラの項目を、精神障害の労災認定基準の心理的負荷表のなかにどう組み込むか議論してるわけです。公開だから我々も傍聴すると、そこで厚労省の事務方がきちっと説明してます。パワハラの問題について2020年6月までには負荷表に入れ込むからそのための議論をお願いしたい。2020年度には負荷表全体についても見直しを考えてるんでそれはそれで議論しますと。あなた方が問い合わせれば答えるはずです。それもしてないのか! 厚労省の事務方はこうも言ってました。新たな法制が変わってパワーハラスメントの取り組みを調査するんだと。だからパワハラ被害に遭った人が労災申請しやすいように負荷表にパワハラの項目を新設したいと思うと。専門家の先生方に、どういう表記で負荷表に入れたらいいか具体策をお願いしますと、検討会で喧々諤々の議論をしてるんです。あなた方はそういう情報を全然追いかけてないのか! 公務災害でも、現場で深刻なパワハラ事案が起こって認定されるケースが大きく報道されている。あなた方も対応を求められている。それなのに厚労省に問い合わせもしない、我々の質問に対してもちゃんと調べない。真面目に公務災害の認定運営実務をやる気があるのかという話です。厚労省とは毎年交渉しているが、もっとましな回答しますよ。それでも問題あるから我々はいろいろ意見を言うが、もっとましな議論になる。あなた方の回答は全然かみ合わない。だって基本的なことすらあなた方は認識してない。我々のほうが詳しいじゃないか!

団体:せめて厚労省が今どういう議論をしてるのかフォローして、それを公務災害の認定実務にどう反映させるのかしないのか検討して回答してください。神戸のケースでもあったでしょ。警察とか消防署でもパワーハラスメントで公務災害の事例がたくさん出ている。公務員の現場でそういう問題が起こってるんだから。厚労省がパワーハラスメントに関する労災認定実務を変えようとしてるんだから、公務災害基金も深刻なパワハラ事案に対応できるように、厚労省の議論を追っかけて自分たちの制度の運営を変えなきゃ駄目です。全然追っかけてないなんて論外。公務員だろうと民間であろうと現場のパワーハラスメントによる精神障害の事案は深刻です。厚労省の事案をフォローして自分たちの実務をどう変えるのか基準をどう変えるのかちゃんと回答してください。あとから文書で回答してもいいですよ。今日のこんな回答はあり得ません。まともに情報収集もしてないなんて。我々も引き下がるわけにはいかないです。ちゃんと検討してください。

団体:再度まとめて要求します。年1回じゃなく、半年1回ぐらいやりますよ。今日はもう議論にもならない。

団体:あまりにも酷いですよ。情報収集ぐらいちゃんとしてください! 我々の方が詳しいんじゃあり得ないですよ。

団体:消防とか警察とか学校とか、民間より酷いでしょ、上司のパワハラって。そういう職種です。確かに一定、上意下達せざるを得ない部分あります。でも、辞めれば良いでは済まないです。上司が嫌だから辞めよう、あっちの会社行こうとはならない。だから余計深刻なんだ。

なぜ現場で認めている事実が否定されるのか

団体:神奈川県高等学校教職員組合です。先ほどから出ている件なんですが、要は任命権者の義務として、まずこの話を多分上げてもらってるはずなんですよね? 今の状況からすると。なので、要は状況としてもう明らかなものになってるはずなんですよ。形として。で、それを調査して本当にそうなのかっていう確認を多分取るっていうのが普通の流れなんじゃないかなと思っている。普通。ただこれはあくまでも上の任命権者、要は上司の方ですよね。その部分がこう出してるわけなので、そういう件なのにも関わらず、それを全て否定するっていう感覚の部分がなぜそういう形になってしまったのかっていうのが私は甚だ疑問であります。自分はもちろん公務員でありますし、そういう者でそこの部分に関して公務災害を出したい。自分に何か起きたときにむしろ出さなくてはいけない。安全性を担保するためにも、公平公正性もそうですけども、そういうところでケガしたり被災したときに自分たちがその部分を全く見てもらえない。今の回答からすると、そういうものが全然感じられなかったっていうのが率直な意見です。なので何か対策のほうをもっとここで提起してもらえるんであれば何かお願いしたいと思うんですけども、今ここでパッと思えることだったら教えてください。

職員:おっしゃってる意味がちょっと分かりづらかったんですが。

団体:6⑴でいえば主治医も本人も校長先生も同僚もストーブ持って入試のときに転倒して腰の骨を折れたと、みんな知ってるし認めてるんだって。支部専門医だけが「この人は骨粗鬆症じゃないの、50代女性だし」ってそれだけですよ! なんでそんなことが起きるかってことを言ってるんですよ。認めりゃいいじゃない。そういうことが起きないためのなんか方策があるんですかと聞いてるんだよ。こちらはだから専門医をちゃんと公開しろとかね? こういう本人聞き取りをちゃんとしろとかいくつも言ってるわけ。あなた方が何も言わないから聞いてんだよ。どういう方法があるんですか。みんなが認めてる事実を専門医だけが「違いますね。この人は元々骨粗鬆症じゃないの?」っていうふうに書いてあるだけですよ? これを防ぐのはどうすりゃいいんですか? で、専門医が誰かも分かんないから文句も言いようもないやないか。審査請求してますよ。当たり前じゃないか、支部審査会で今審査中ですよ。あ、腰痛って書いてありますが間違いで、この人は腰の骨を骨折したんです。明らかじゃないか。転倒して骨折した。

団体:愛知の事案になりますね。学校の数学の先生が重い物を持ち上げて同じように腰を痛めた。それで、専門医が骨粗鬆症って言ってる。

団体:同じや。

団体:結局、再審査請求する直前ぐらいにも行ってますよ。その人はたしかに50代で骨密度測ったけど異常なしです。一般民間の医者では。だけど一度骨粗鬆症と決めつけて公務外というふうになって。

団体:相談して流してんじゃないか、本部から。高齢の女性の場合は骨粗鬆症の疑いがあるので審査されたいとかしょうもない文書を出してんじゃないか。普通考えられないでしょ。彼女は健康診断をやったし、健康保険の骨粗鬆症の検査も自主的にやっている。何もないんだよ。どうしたら防げるんですか。そんな専門医は首にするしかないだろ、普通。支部専門医をちゃんと公開して、その都度、公開でサシで勝負するしかない。医学的に間違いなく本当にそうであれば隠れることない。名古屋の例も任命権者がハンコ押してますよね。当然事故だから。

団体:うん、それは押してますね。

団体:みんな分かっていること。自分の家で転倒したのに学校でやったことにしたという話ではない。なんか答えてください。

職員:本部では個別事案については承知しておりませんので、、、。

団体:あなた方は、現場で起こってる事案を全然把握してないでしょ。何度も厚労省を引き合いに出して悪いけど、現場で起こってる問題が厚労省本省に来たら、本省の人が現場で、実務要領に沿ってちゃんと調査してるかチェックする。問題があれば現場指導している。

団体:本省は、交渉前に労働局に事案の事実確認の連絡をします。今度からもっと具体的に書くのであらかじめ交渉前に確認して調べてください。

団体:石綿のケースで、労基署の現場担当官が実務要領と違うやり方で調査して不支給にしようとしたことがあったんです。手続きがおかしいと担当者とやりあったが、担当者は「問題ない」と言い張ったから我々は本省に連絡をした。本省は労働局を通じて調べて現場を指導して、対応が180度変わって結局、認定されました。厚労省が作ったルールでいえば認定すべきものを現場がおかしなことやったから上から指導が入った形です。あなた方はそういうことも何もやってない。基金支部でおかしなことが起こってるかどうかすらチェックしてない。適正に運営してるかどうか確認してないのと同じ。「承知してない」とおっしゃるがそれじゃ駄目なんですよ! 確認したが、我々としてはこういう理由で適切でしたと回答するぐらいのことしてくれなければ議論のしようがない。現場で起こってることをあなた方がチェックする仕組みを持ってるんですか? お答えください。

職員:仕組みというよりは各支部監査によりますのでそこで手続き等々についてのチェックはしてるっていうのは制度的には……。

団体:監査というのは年に何回ぐらいやってるんですか?

職員:1支部については大体2年から3年に1回。

団体:少なすぎるでしょ! 毎年問題起こってるんだから!

団体:あり得ない。

団体:厚労省はもっと綿密にやってます。それでも問題多いんだから!

団体:年に何回やってるか知ってます? 知らんでしょ?

職員:うん、知らない。

団体:2~3年に1回なんて笑われますよ。本省も局も忙しいから規模によっても違いますが、署への局監査も、局への本省監査もあります。それとは別に全国規模の会議もありますよ。

民間と比べ、腰痛が多く、頸肩腕障害が極端に少ない

団体:5については調べてないからいいですよ。議論できないんだよね。数字を見て分かるでしょ。労災では負傷による疾病の9割方は災害性腰痛です。いわゆる非災害性腰痛は少ない。それは公務災害だと第10号の「その他公務起因性の明らかな疾病」の中の「腰痛」です。結構認めている。労災だと非災害性腰痛は近年は30件に満たないのに、公務災害は合計で145件も認めている。29年度のホームページ見たら。
ところが頸肩腕症候群を1件しか認めてないのはあり得ない。厚生労働省は近年700~800件認めている。十数倍の差だ。ちなみに事業主からの報告が上がってるだけで100件以上で、補償は600から900。非災害性腰痛の10倍以上。労災と逆で、頚腕は1件しかなくて腰痛が何十件もある。これおかしいです。頸肩腕障害は認識してないんだよ。労働者もそうかもしれないが、専門医が全部切ってるとしか思えない。頚腕なんか病気じゃねえと思っているんだよ多分。おかしいでしょ。調べてみた? あり得ない。しかも腰痛が多い。なんで?現実に腰痛しか起きなくて頚腕がないのならいい。でも現業で肩や腕を痛める人は給食や清掃などでもいっぱいあるでしょ。頸肩腕障害起きそうな職業はデスクワークでもいろいろあります。コンピューター作業ばかりしている部署もいっぱいあります。なんで頸肩腕障害ないのか、お答えいただけませんか?

職員:一般論としてそういう職種や審査結果の違いなどが・・・

団体:職種が違う? 給食の調理員さん、上肢障害ないの? 腰痛はある。重たい鍋を使うからね。当然、腕も使う。承知してないってどういうことですか。審査の違い? 厚労省の審査がうそなんですか。団体:厚労省が出してるデータと公務災害で出してるデータを、本部で比較検討されてますか。あまりにもデータの偏りが違う。ちゃんと認定実務が行われているのかな疑問です。

団体:やられてますか? どうなんです?

職員:比較検討してないんです。

団体:比較検討してください。明らかにデータがおかしいです。特に、公務災害の頸肩腕障害がこんなに少ないのはあり得ない。厚労省のデータと比べて差がありすぎます。同障害を起こすリスクのある職種は公務員にもあるわけですから。厚労省も基金も本当に認定されているのかは疑わしい。比較して検討してください。厚労省では、職種ごとに問題リスクがあるということで補償のみならず労災防止のための計画を作っている。いろいろ問題は多いが、一応傾向と対策を分析してやってる。基金もちゃんと比較分析してください。そのうえで、こういう根拠でやってるから問題ないと回答してください。

団体:事実関係の確認ですが、この資料、基金の認定件数で、腰痛の145は本当に疲労性だけですか。災害性腰痛が紛れ込んでませんか。労災では頚腕の中には病名としてはいろいろあるので、詳しく調べると実は負傷による疾病とすべきものもあるようだと言っています。災害性と非災害性は認定基準が違うので、そういう紛れ込みはないとおもうけれど、そこは信頼できるわけですよね。この数字自体は。

職員:そこは分からない。

団体:本部では、腰痛について災害性と非災害性で統計取ってますか?まとめて145件と出してるんですか? 厚労省は分けて出します。当然、認定基準も違うから。答えてください。

団体:もう一度交渉やりましょう。昨年はホームページに載ってますと偉そうに言われ、それに基づいて質問しても何も答えられない。指摘に対応して調べてもない。実はホームページに出ている数字で、他にもいろいろ言いたいことあったけど、これはすごく分かりやすいなと思って。事前に質問も送ってんのに、何もまともに調べてきてない。

団体:数字をほじくり返したいからじゃなくて、災害性腰痛や非災害性腰痛がきちんと認定されてるのかどうか確認したいんです。どっちなの145件は。大事な点ですよ。現場で腰痛で苦しんでる労働者はいっぱいいますから。公務員だって。再回答をお願いしたい。

団体:これを見てもある程度は分かる。看護師、教員、消防吏員が多かったり。災害性腰痛が起きやすい職場で当然、公務を起因とする疾病に入ってると思うよ。特別支援学校以外の教員が疲労性腰痛になるかなあと思うし。看護師さんならわかるけれど。そのへんを確認したい。

職員:・・・(回答なし)

基金本部の職員もプロパーではないこと

団体:わかんないの。しょうがない。どういうきき方をすれば回答がもらえるのか。工夫して要求しますよ、早急に1~2ヶ月後に。もう1回交渉やりましょう。今日は時間の無駄。事前に送ったんですが、適当にあしらっときゃいいと思ったのかよ。今日は消化不良も甚だしいし、お約束の時間も過ぎたし。

団体:中身をきちんと理解して答えられる人に出てもらわないとね。

団体:そうそうそう。

団体:総務省の言うことだけ聞いて適当に解釈しているような人じゃ駄目だよ。真面目に基金支部の現状や統計結果について調べて答えなきゃまずいなと思う人じゃないと無理です。上でも下でもいいから、ちゃんとした人を出してもらえないと駄目。

団体:公務災害は認定実務を含めてレベルアップが必要と思います。監督署の担当職員は労災畑ずーっといくわけです。するとスキルも上がってきます。でも公務災害の認定の仕方は、どうしてもその認定をする最初の処分の段階で実務的な調査体制も作っておかないとうまく認定できない。どんどん問題が山積されます。我々の要請に真摯に向き合っていただけると、いい結果が生まれてくると思います。

団体:まず本部が変わんなきゃ無理ですよ。支部では、結局一般の職員さんがかわりばんこでやってるんだから、それは無理なんだよ。

団体:あなた方は基金本部の職員でしょ。どっかから出向してきている。総務省とか自治体から来てる人がいるみたいだけれど。そもそも基金本部の職員は全員、基金本部で雇われてる人じゃないんですか?

職員:必ずしもそうでないです。

団体:では、総務省から出向で3年位ここにいて、また戻るってこと?

職員:ああ、はい。

団体:フルタイムとか専従職員として、ずーっといる人は何割ぐらい?

職員:正確にはちょっとわかりませんが比較的少ないです。

職員:他のところから出向してきている人の方が多い。

団体:他というのは?

職員:自治体もいますし、総務省もいます。

団体:国とかの人が基金本部には多いわけだ。調べて今度聞きましょう。

団体:専門性が薄いね。

団体:難しい分野ですよ、公務災害の認定は。石綿、精神、腰痛、頚肩腕はものすごい知識が必要。やっぱこれが薄いから皆さん大変なんじゃないですか。公務員も労災になっても救われないわけだし。そういう方向を変えていかなきゃいけない。

団体:本格的な手引きをきっちり作るしかない。公務災害に詳しい職員を集めるのが無理ならばなおさらでしょう。そういう要求してもいいですが、厚労省の手引きより詳しくちゃんとしたものでないと無理でしょ。本部がそんな状態じゃ支部だって無理でしょ。

団体:実際に現場では、労災だったらある程度の対応があって認定されるのに、公務災害では全然話にもならない理由で却下されるということが起こってるんです。さっきの事例もそうです。現場の任命権者も同僚も認めていて、本人の主張も裏付けが取れているのに、骨粗鬆症だとか訳の分からん理由で不支給決定されてしまう。労災ではこんなことはあり得ないです。同じような職場で起こっている労災事故なのに、民間と公務員でなんでこんなに違うのと。現場の労働者、公務員がそのしわ寄せをくってるわけです。あなた方は労基署や厚労省と同じような体制じゃないから限界があるとお思いかもしれないが、現場で被災した公務員からしてみたら、そんなことは理由になりません。なんで民間の人たちは労災認定されるのに自分はこんな訳の分からん理由で不支給決定されるんだという話です。行政のくせに公平性もヘチマもない現実があるんです。それを分かっていただきたい。しかもあなた方は、どうしてそんなズレが生じるのか、その根拠を聞いても答えられなかったり、全然回答にならない回答しかできない。同じ行政がやってることなのになんでこんなに違うの。全部現場の人たちにしわ寄せがくるじゃないか。こんな理不尽なことがあって良いんですかってことです。あなた方は行政の公平性と言うが、地方公務災害については全然ちゃんとされてない現実がある。あなた方は、公務災害で現場のことは全然やれてると思ってるかもしれないが、実際は違う。労基署の現場と比較してごらんなさい。同じにならないんだ、あなた方やってることは。だから言ってるの。同じ事象なんだよ、現場で起こってることは。腰痛にしても精神障害にしても同じ障害起こってるのに、民間の現場と公務の現場でなんでこんな差が生じるんですか。同じような認定基準を使ってると言いながら全然違う話になっている。

団体:この分野に関しては、明らかに公務員が割りをくってる気がします。専門性やスキルを上げるしかない。

団体:行政の公平性が大事なら、担保できるよう努力してください。

団体:全国の公務員が安心して公務にまい進できるよう認定の運用をきちんとしていただきたいです。

団体:今日はいろいろ厳しいことを言わせて頂きましたが、改めて質問を出し直して回答を求めます。質問項目をもう1回読み直して、きちんと回答できるよう内部で協議してください。数字も内訳も答えられないようでは困ります。なるべく早く要請しますのでお願いします。

再交渉を渋る基金本部

職員:今日はいろいろお話いただき、ご意見や問題意識は承りました。次の要請についてはこのような形でやるかどうか検討させてください。

団体:なんで検討しなきゃいけないの? 会わないの?

職員:いや、去年と今年行っていますので。

団体:改善がないからやってんじゃないですか。十分だったらこうして要請なんかしないよ、わざわざ。

団体:厚労省は年に何回もやるし、不十分な場合は再交渉しますよ。

職員:お話を聞かないということではないんです。

団体:じゃあ会えばいいじゃないか。回答は要請書見てから検討すればいいんだよ! あらかじめ会わないかもしれないなんてこと言うなよ! ふざけるなよ!

職員:あらかじめ会わないということでは。

団体:言ってるじゃないか今! ちゃんと要請書をまとめていただければ聞きますからってったら分かりますよ。

職員:はい、要請書は本当にいただかないと。

団体:それでなんで会わないかもしれないと言うんですか、わざわざ。

職員:どれくらいの頻度でやるかっていうのは。

団体:必要に応じて対応すればいいじゃないの。文書で回答して、十分な文書回答だったらそれでもいいですよ。逆に、文書では回答しないから、しょうがないから来てるんじゃないですか。

団体:我々だってあなた方が実のある回答してくれたら再交渉なんて言いません。忙しいんだから!

団体:そうだよ。

団体:日々、労災や公務災害の相談者の対応に追われて、ひまじゃないんです、こっちも。時間割いてやってるんですよ。

職員:それは、こちらもそうです。

団体:だからあなた方の回答が全然なってないんです。数字の内訳も答えられないからもう1回話を聞かせてくれという話なの! それで会わないとか、ふざけた話にならないでしょ!

職員:要請書まとめていただいて、その内容を見て、必要であれば交渉をしましょう。

団体:会うことは約束してください。

職員:内容によって回答の仕方もあると、さきほどおっしゃった通りで。

団体:あらかじめ質問しているのに、あなた方がホームページに載っている数字について答えられないから再度会って説明してくれという話です。じゃあそれだけでやりましょう、もう1回。公務上負傷による疾病のなかに災害性腰痛が入ってるか入ってないのか、ここである腰痛が非災害性腰痛のことなのか、その1点だけで会おう。1ヶ月後に。

職員:それでしたら電話でお答えできるかと。

団体:では、この件については電話でお答えください。他の件については文書で出すから。いいですか?

職員:いや。

団体:いやじゃないよ。電話で答えると言ったじゃないかよ!

職員:いやいや、だからどうするかは・・・。

団体:どうするかじゃないよ! 毎日会えなんて言ってないだろうが! 忙しいんだよこっちだって!

団体:あなた方は行政として税金を使って行政を日々やってるわけでしょ。説明責任あるんだよ。まともな回答できなかったら当然こういう場を設けて回答するのが当たり前なんだよ。我々は他省庁ともいろんな交渉をやってるが、こんな失礼な対応受けたのは初めてだよ。あなたどっから来てんの? 総務省か。信じられないぐらい失礼だよ。

職員:私は総務省です。

団体:総務省でこんな対応すんのかよ!

職員:こういう対応ってのはどういう……。

団体:申し入れをしたら、1年に1回だけ会うか会わないかとかね。内容見てから考えるとかね、そういう対応をするんですか。必要に応じて我々は総務省とも交渉してますよ。いくらでも。

職員:うーん。

団体:コロナのことなら、上から通達がきたから延期しようとした対応も含めて問題にするよ、あなたの見解を。

職員:いや。

団体:会うか会わないかは内容見ればいいですが、基本的には今日言った内容に沿ったものです。訳のわからない答えられないような要請なんかするわけないでしょう。今日と関連したことを継続して改めて会おうって言ってるだけじゃないですか。年1回と誰が決めてんだよ。

職員:そしたら今日いろいろ我々のほうで答えが不十分だっていうふうに言われてるところを含めて改めて要請書を出してください。

団体:はい。

職員:それで、あと何でしたっけ?

団体:担当を他の人に変えてもらいたい。あなた駄目だよ、回答内容も。去年の人はもっと普通だったよ。

職員:普通でした?

団体:うん。全然違う、悪いけど。

団体:我々も長年いろいろな省庁交渉やってますが、本当に対応がちょっとおかし過ぎますよ。

職員:すいません。私が窓口で。

団体:回答内容もそうだし、おかし過ぎる。

団体:来年はどうなの、4月以降。

職員:まあ4月以降だったら。

団体:じゃあ4月以降に出します。もしもあなたのままなら考える。時間の無駄だよ。あなたとしゃべっていたら。

職員:じゃあ改めて要請書をください。

団体:3月か4月に出しますよ。

地方公務員災害補償基金への要請書

1、全般
⑴ 基金各支部の補償に関する事務を、民間企業における総務人事部署である職員厚生課などが担っていることが多い。公平や信頼性の観点から、独立した部署が公務上外の調査を行うようにすること。精神疾患や疲労性筋骨格系疾患等の原因や経過が複雑な疾病の場合は調査対象や範囲について、被災者本人の希望を尊重すること。

⑵ 精神疾患等の原因が複雑な疾病については、被災者からの聴取や医学的意見の収集を文書だけではなく、直接面談して行うこと。

⑶ 基金専門医の名簿を開示すること。

⑷ 公務災害申請を上司が妨害したり、公務災害申請を受理した後に、公務外になる可能性が高いとして申請の取り下げを勧奨する事例がしばしば見受けられる。法律違反の労災隠しにもつながる対応であり、そのような対応を厳に慎むよう通知すること。

⑸ 口頭意見陳述ついては、民間の労働保険審査会と同様に請求人が了解すれば傍聴できるようにすること。

2、精神疾患について
厚生労働省は精神障害等の労災認定基準を見直す検討を始めたが、基金が同様に見直すのかどうかを明らかにするとともに、見直すとすれば、その具体的な課題について説明すること。

3、石綿疾患について
厚生労働省『石綿ばくろ歴把握のための手引』に示された「石綿に関する作業・類型20 吹きつけ石綿のある部屋・建物・倉庫等での作業(教員 その他)」などを踏まえて、教員の中皮腫などを積極的に認定すること。

4、腰痛について
腰痛の認定基準については、認定状況や最高裁判決を踏まえて腰痛を起こしやすい業務を把握し、例示するなどして、抜本的に見直すこと。

5、頸肩腕症候群について
分類上の相違も推測されるが、労災保険における、「上肢障害」の毎年の業務上発生件数は600~900件で「非災害性腰痛」の数10件の約10倍以上である。一方で、公務災害では、「頸肩腕症候群」が毎年わずか数件で、「公務起因性が明らかな疾病の腰痛」が100件を超えている。あまりにも不可解なので分析して説明すること。

6、個別の事例から
地方公務員神奈川県支部の支部専門医は、単純な災害事例において、加齢といった素因や治療も行っていない基礎疾患をでっちあげて、主治医の意見を無視して、公務外、補償対象外としている(腰痛を骨折した50代の女性職員を主治医が否定する骨粗しょう症として公務外)ので、是正指導を行うこと。

7、その他

安全センター情報2020年7月号