政府、コロナ対策で必須労働者の保護・支援対策を発表 2020年12月14日 韓国の労災・安全衛生
政府がコロナ19危険の中で脆弱階層を支援して社会機能を維持する、保健・医療、ケア、宅配・配送、環境美化、コールセンターなど、必須業務労働者の人員を拡充し、保護・支援する対策を発表した。
雇用労働部のイ・ジェガプ長官は14日のブリーフィングで、「コロナ19を克服し、私たちの社会の持続可能性のためにも、必須労働者の処遇を改善して社会安全網を強化する対策作りが急がれる」として、『コロナ19対応のための必須労働者保護・支援対策』を発表した。
訪問ケア従事者・放課後講師に生計費支給
必須業務の職種別健康診断制度を新設
特殊雇用職の産災保険から専属性の基準を廃止
脆弱事業場の防疫点検・勤労監督を強化
先ず、政府は訪問ケア従事者と初・中等放課後講師などに対し、一時的に1人当り50万ウォン相当の生計支援金を支給すると明らかにした。
長官は「高齢者、女性が大多数を占める訪問ケア従事者とフリーランサーが多い放課後講師などは、コロナ19危機の状況で公共ケアの中心的な役割を担っている」が、「感染の危険と家庭訪問の困難、学校の授業中止による所得の不安定などで、安全と生計を担保しづらい状況」と背景を説明し、「1年間に一定期間以上従事し、一定の要件を充足した者には50万ウォンの生計支援金を支給する」と明らかにした。
政府は必須労働者の健康保護のために職種別に特化した健康診断制度を新設する計画だ。
長官は「来年から宅配・配達技師、環境美化員などを対象に、心血管系疾患、呼吸器疾患などのオーダーメード型診断を実施し、診断費用を支援する予定」とした。
また「環境美化員などの必須労働者に対しては、マスクなど個人用の保護装具の支給をより一層拡大していく」とした。続いて、鉄道、空港などの必須業務事業場に「職種、所属、雇用形態などによる差別が生じないように、格別の注意を注いで欲しい」と話した。
これまで、特殊雇用労働者の産災保険を難しくしていた専属性の基準も廃止する。
長官は「労・使と関係専門家が参加するPTを運営して、来年上半期中に専属性基準の改編方案を準備し、産災保険法の改正を進める」と明らかにした。更に「合わせて、ソフトウェア分野のフリーランサーなど、産災保険が適用される特殊雇用職を引き続き発掘して、適用を拡大する」と話した。
コロナ19の集団感染に脆弱なコールセンターなど、脆弱事業場に対する点検と監督を強化するとした。
長官は「集団感染が繰り返し発生し、休憩時間を与えないなどが問題になっているコールセンター・療養施設などに対しては、密着管理し、安全保健措置だけでなく、基礎労働秩序に対する監督も実施する」と強調した。
看護人材を持続して拡充
100リットル従量制の使用制限を推進
政府は保健・医療分野の従事者に対する支援対策も発表した。
長官は「保健医療サービスの円滑な提供のために、現場の需要を充たしていない看護人材を引き続き拡充する」と明らかにした。
また「医療陣が、現場で患者の不当な要求や人権侵害に遭わないように保護基準を改善し、感染と有害な消毒剤に触れる危険が大きい防疫消毒従事者に対する保護装備の着用と安全管理基準も準備する」とした。
必須労働者である環境美化従事者を、疾病と事故の危険から保護する方案も発表した。
長官は「廃棄物の平均の重さが25kgを越えるなど、回収者の身体的な負担を加重させる100リットル容器の使用制限を推進する」とした。
合わせて「従事者の安全を確保して作業負担を減らすために、リサイクル品回収専用の低圧タービン車輌の使用基準を作って、選別場の老朽施設を交換する」と話した。
ケア・運送サービス従事者の処遇改善
政府は必須労働者の劣悪な処遇を改善すると明らかにした。
長官は「安定したケアサービスの提供のために人材を拡充し、処遇も改善する」とし、「社会福祉施設に週52時間制の導入による交代勤務の人材などを追加支援し、緊急な必要に柔軟に対応できるように、施設別に代替人材の利用要件を緩和する」と明らかにした。
更に「障碍者活動支援士・保育士などに対する財政支援を拡大し、従事者の保護基準を強化する一方、関連法を制定して公共と民間のケアサービス提供体系を改善していく」とした。
また、運送関連従事者の劣悪な処遇を改善するとして「代理運転士の保険料負担を緩和するための重複保険照会システムを作り、レンタカーを使用中の事故に代理技士に対する求償権の行使を防止するなど、制度を改善する」と話した。
宅配運転手に関しては「11月12日に発表された過労防止対策を支障なく推進し、社会的な協議体で保護方案を追加して議論する」とした。大型マートなどの配送従事者に対しても「実態調査によって産災保険適用を検討するなど、保護の死角地帯を減らしていく」と話した。
必須業務従事者の保護・支援法の制定を推進
最後にイ長官は「必須労働者に対する保護・支援対策を支障なく推進していく一方、今後コロナ19のような大規模な災難に備えて、多様な災難の類型と規模に合わせて必須業務従事者を指定し、保護対策を迅速に樹立・施行できるように、推進体系を制度化する」とし、「このために、必須業務の概念と政府・地方自治体の役割などを規定した『必須業務従事者保護と支援に関する法律』の制定を推進する」と明らかにした。
2020年12月1日 民衆の声 イ・スンフン記者