『職場内いじめ防止法』に手をこまねく国会 ザルのまま放置するのか? 2020年11月17日 韓国の労災・安全衛生
「職場の甲質119」は17日、「職場内いじめ禁止法が施行されて1年4ヶ月が過ぎたのに甲質がなかなか減らない理由は、適用範囲が狭く、処罰条項がないため」だとした。
7月1日から10月31日までの4ヶ月間、職場の甲質119に申告され、身元が確認されたメイルによる情報提供882件の内、職場内いじめは442件で、50.1%に達した。職場内いじめは、不当な指示が198件(44.8%)、侮辱・名誉毀損が138件(31.2%)、暴行・暴言が129件(29.2%)の順だった。
職場内いじめを申告した件数は86件で19.5%だった。会社員の10人中8人は、職場内いじめを申告できなかったということだ。
職場内いじめを申告したが、被害者の保護、加害者の懲戒など、義務事項(措置義務)を履行しないという情報提供が66件で、76.7%に達した。また、申告したという理由で解雇、懲戒、除け者などの『申告後不利益』は24件、36.4%だった。職場の甲質119は「職場内いじめ禁止法が『職場内いじめ放置法』になっているのが実情」だとした。
職場の甲質119は、このような問題点を解決するために、現行の職場内いじめ防止法の改正の必要性を強調した。現在、与野党の国会議員が14件の改正案を国会に上程している。
国会・環境労働委員長のソン・オクチュ議員(共に民主党)は、「現行法は、使用者または使用者の親戚である勤労者が職場内いじめの加害者である場合、使用者の措置義務を期待しにくく、使用者が措置義務を履行しない場合の制裁規定がなく、職場内いじめ禁止制度の実効性を担保できていないという国家人権委員会などからの指摘がある」とし、加害者が使用者または使用者の親戚の場合、過怠金1000万ウォン、義務事項不履行過怠金500万ウォンの処罰条項を発議した。
国会・環境労働委員会の野党幹事のイム・イジャ議員(国民の力)は、「最近、入居者のいじめによる警備員の自殺事件に見られるように、業務上いじめが職場内だけでなく、顧客、請負人などの第三者によっても発生していて、このような死角地帯に対しても、使用者が被害勤労者に対する保護措置をする必要性が提起されている」とし、第三者(請負人、顧客、事業主の親族)への法適用、義務事項不履行の過怠金1000万ウォン賦課、などの改正案を発議した。
職場の甲質119は「政府は現在、職場内いじめ禁止法の改正を推進していない。民主党も法改正の意志を見せていない」、「11月23日頃から国会・環境労働委員会・法案審査小委が開かれる予定だが、現在、職場内いじめ禁止法関連の改正案は、議事日程に上がっていない」とした。
職場の甲質119が提示する改正方向は、適用範囲の拡大、処罰条項の新設、労働庁への申告の拡大の三つだ。
適用範囲の拡大に関して、「現行法は、加害者と被害者のいずれもが勤労契約を締結した、5人以上の事業場の労働者の場合にだけ適用される。社長の親戚、間接雇用、特殊雇用、フリーランサーなどの非正規職労働者、マンション警備員、5人未満の事業場の労働者にも適用されるべき」だとした。
処罰条項の新設については、「少なくとも加害者が使用者や使用者の親戚、加害者が常習犯である場合、マンション入居者、元請けの甲質には処罰条項を新設すべき」で、「事業主に申告をしたが、キチンとした調査と被害者の保護、加害者の懲戒などの措置を執らないケースにも処罰する条項を作るべきで、更に、調査期間を明示して迅速な調査と措置が行われるようにして、『報復甲質』の具体的な行為を明示すれば、法の実効性が高まるだろう」と説明した。
労働庁への申告の拡大に関しては「一次的に、会社内での自律解決を目標にするが、会社に申告しても何ら効果がない場合には労働庁に直接申告するようにし、法の実効性を高めるべき」とし、「労働庁への直接申告の対象は、行為者が使用者のケース、特殊関係人による職場内いじめ行為、マンション入居者などによる職場内いじめ行為、使用者に申告したが調査が行われなかったり調査や措置が不十分なケース、その他、使用者に申告する場合に客観的で公正な調査と措置を期待しにくいケース」だとした。
2020年11月17日 京鄕新聞 キム・ジファン記者
http://news.khan.co.kr/kh_news/khan_art_view.html?artid=202011171623001&code=940702