『焼き』(いじめ)に苦しんで自死したソ・ジユン看護師に産災認定 2020年11月9日 韓国の労災・安全衛生

『灰になる時まで困らせる』という病院内の悪習『焼き』に苦しめられ、自ら命を絶ったソ・ジユン看護師の死が業務上災害と認められた。

勤労福祉公団はソ看護師の遺族が提出した遺族給付および葬祭料の請求に対して、業務上疾病判定委の審議を経て、業務上疾病と認定すると9日明らかにした。

ソウル医療院で働いたソ看護師は、昨年1月『病院職員からは弔問も受けるな』という遺書を残して、自宅で自ら命を絶った。その後ソウル市の傘下に作られた『ソウル医療院看護師死亡事件関連真相対策委員会』(真相対策委)は、6ヶ月間の調査の結果、ソ看護師が業務と関係ない派遣勤務をさせられたり、必要な机とコンピュータも支給されないなど、職場内いじめにあったと見られるという結論を出した。

業務上疾病判定委は先月29日に審議会議を開いて、遺族と代理人の陳述を聴取し、関連資料を検討した結果「(ソ看護師が)業務と職場内の状況で、精神的な苦痛を味わったことが認められ、業務上の過労とストレスが累積することによって正常な認識能力が低下した状態で、極端な選択をしたと見るのが妥当だ」と判断した。

病院の『職場内いじめ』に産業災害の判定が出たのは、2018年2月にソウル牙山病院で自ら命を絶ったパク・ソンウク看護師に続いて二度目だ。パク看護師に続くソ看護師の死で、先輩看護師が後輩を教えながら暴言と暴行を日常的に行う病院内の悪習である『焼き』文化と劣悪な勤務条件に対する改善要求が本格化した。市民社会の要求で組織された真相対策委は、ソウル市とソウル医療院に看護人員の労働環境改善、いじめなど苦情処理の改善方案、ソウル医療院の人的刷新など、34の勧告案を履行するように提示もした。

この日、市民団体で構成された『故ソ・ジユン看護師死亡事件市民対策委員会』は声明を出して「今回の産災決定で明らかなように、ソ看護師の死は個人的な死ではなく、職場内いじめであり、ヒラ看護師の劣悪な勤務条件、構造的ないじめによる死だった」とした。

続いて「故人が死亡する数ヶ月前から、非合理的な人事命令が集中的し、それによる慢性的な過労といじめによるストレス、憂うつ感を訴えたが、これを解消できる病院内の装置はなかった」と指摘した。

市民対策委員会は「ソウル医療院はソ看護師の死にも拘わらず、該当の看護管理者を警告懲戒だけし、真相対策委の勧告も履行していない」として「これ以上職場内いじめで看護師が苦痛を味わわないように、勧告案を履行せよ」と要求した。

2020年11月9日 京鄕新聞 イ・ヒョソン記者

http://news.khan.co.kr/kh_news/khan_art_view.html?artid=202011091800001&code=940702