「死なずに働ける世の中を・・・・」 韓国・重大災害企業処罰法発議運動はじまる 2020年9月1日/韓国の労災・安全衛生

1日、ソウルの参与連帯で行われた『重大災害企業処罰法10万国民請願宣言』の記者会見で、故キム・ヨンギュンさんの母親・キム・ミスクさんが、息子に書いた手紙を読んで目を閉じている。/クォン・トヒョン記者

市民社会団体が重大災害企業処罰法の立法のために、国会国民同意請願運動を始めた。請願書の公開後、30日以内の25日までに10万人以上が同意すれば、所管委員会に回付される。

重大災害企業処罰法制定運動本部は1日、参与連帯で記者会見を行い「8月26日現在、今年になって1217人が産災によって死亡したと推定される。政界は惨事の現場では処罰の強化を約束するが、21代国会は依然として不動の姿勢」とし、「労働者・市民が直接法案を発議する国民同意請願運動を今日から始める」と明らかにした。運動本部はキム・ヨンギュン財団、民主労総など、248の市民社会団体で構成されている。

故キム・ヨンギュンさんの母親でキム・ヨンギュン財団の理事長のキム・ミスクさんが、先月26日に国民同意請願を挙げた。運動本部の共同代表でもあるキム理事長は「コロナ19の死亡者の8倍を越える2400人の労働者が、毎年産業災害で死亡している。事業場の90%が法に違反し、産業安全保健法違反の再犯率が97%だというのに、依然として重大災害を起こした企業には、せいぜい罰金450万ウォンという温情的な処罰だけだ」とし、「重大災害企業処罰法の制定で、企業とその責任者をキチンと処罰し、『死なずに働く権利』が保障される社会になるように願う」と誓願した。

キム理事長はこの日の会見で、息子のキム・ヨンギュンさんに書いた手紙形式の文章を読んだ。「繰り返される産災事故は明白な企業殺人で、企業自ら再発防止対策を立てるようにさせ、仕事で死んだり怪我をしない最も基本的な権利を、私たちの手によって直接保証されたいと思う」と言って涙を流した。「国民すべてが安全に働けるように、立法発議請願運動に参加されるようにお願いする」と訴えた。

運動本部は7月6日の説明会で、自分たちが作った法案の内容を紹介した。法案3条には、事業主と法人または機関の経営責任者に安全・保健措置義務を付与し、危険防止の責任を負わせるようにした。これに違反して産災死亡事故が発生した企業に対しては、事業主または経営責任者を3年以上の有期懲役、または5億ウォン以下の罰金の処罰を科すとした。

2020年9月1日 京鄕新聞 タク・ジヨン記者

日本語訳:中村猛

http://news.khan.co.kr/kh_news/khan_art_view.html?artid=202009011435001&code=940702

(参考)日本の死亡災害は厚労省の数字では、2019年で845人となっている