韓国政府・雇用労働部「大法院に『労働災害死亡』での事業主の量刑強化を要請」:利川物流センター火災事故を契機に 2020年5月8日

利川物流センター火災事故をきっかけに

http://www.hani.co.kr/arti/society/labor/944199.html
30日午後、利川市に準備された利川物流倉庫工事現場火災の合同焼香所で、被害者の遺族が嗚咽している。聯合ニュース3

政府が38人の労働者が死亡したイチヨン利川市の利川物流センターの惨事を契機に、安全保健措置に違反した事業主に対する処罰を強化することにした。

雇用労働部は8日、李載甲長官の主宰で開催した利川物流センター火災中央事故収拾本部関係機関会議の結果、事業主の安全措置義務を規定した産業安全保健法の量刑基準を強化すべきだという意見を、大法院に伝えたと明らかにした。今回の決定は、安全措置義務を履行しなかった事業主への処罰が『軽い処罰』に終わり、建設業などの労働現場で産業災害による死亡事故が続いている、という指摘を反映したものだ。

1月16日から施行された改正・産安法(キム・ヨンギュン法)は、安全保健措置を怠り、労働者を死亡させた事業主に『7年以下の懲役または、1億ウォン以下の罰金』を賦課するとした。しかし、実際に裁判官が刑量を定める時に判断基準にする量刑基準では、産安法違反事件は『過失致死傷犯罪群』に属し、特別な加重・軽減の理由がなければ、一般刑事犯罪である『業務上過失・重過失致死』(8月~2年)よりも低い刑量(6月~1年6月)に決めるように勧告している。更に、死亡事故以外の産安法違反犯罪には、別途の量刑基準そのものがない。

労働部の関係者は「産安法の法定刑を高めても、量刑基準が変わらなければ、事業主の処罰が厳しくなることはないという点を考慮して、大法院に産安法違反犯罪を別途の犯罪群として分離し、量刑基準を強化すべきだという意見を大法院に伝えた」とし、「早ければ5月中の大法院・量刑委員会で関連の議論が進められる」と話した。

亜洲大・産学協力団が昨年10月に安全保健公団に提出した『産業安全保健法の違反事件の制裁に対する認識調査』によると、2013年から2017年までの5年間に、労災死亡・傷害の疑惑で公訴が提起されて判決が出た1714件で、懲役または禁固刑を受けたケースは、被告人2932人の2.93%(86人)に過ぎなかった。90.72%は罰金刑と執行猶予処分を受けるに止まった。57.26%の被告人(1679人)が宣告された罰金刑の5年間の平均額は、421万ウォンだった。

2020年5月8日 ハンギョレ新聞 ソン・タムン記者