ゴミを積めば積むほど得になる?・・・清掃員の安全を脅かすソウルの自治区の『t当り契約制』/韓国の労災・安全衛生2026年07月28日

先日20日、ソウル江南区の生活廃棄物収集現場。ユンボーが各種大型廃棄物を拾い上げ、25トントラックの荷台に載せた。隙間なく廃棄物で一杯になった荷台の側面は外側にわずかに開いていた。A清掃業者に所属する労働者が、約4mの高さの荷台の上に上がり、ベッドのマットレスに足をかけて、緑色の網をかけた。両側に膨らんだ荷台を固定する鉄棒は、少し曲がっていた。2023年、この労働者は圧力に耐え切れなかった鉄棒で顔を打たれ、現在も後遺症の治療を受けている。
ソウル市江南区のある環境美化業者で、荷台にゴミを無理に積み上げ、労働者の安全が脅かされているとの指摘が出ている。労働者は「ゴミを多く積むほど業者が利益を得る契約方式が、作業者に危険を押し付けている」と話した。
京郷新聞の取材によると、江南区庁と契約したA清掃業者では、大型廃棄物の収集・運搬を担当している労働者4人のうち3人が最近数年間で重傷を負った。彼らは荷台が限界まで詰まった状態でロックを解除しようとした際、鉄棒が跳ね上がったり、荷台の上から落ちて負傷した。この日、記者と会ったチェ・ヨンホさんは「鉄棒が突然開き、それに当たって鼻骨にヒビが入った」と言い、へこんだ鼻梁を指さした。別の清掃員のBさんは「荷台から落ちて踵を骨折した」と言い、「事故が続いても労働者が注意するしかない」と話した。
労働者たちは、繰り返される事故が無理な積載量のせいだと指摘した。京郷新聞が入手したゴミ計量伝票によると、この業者は40㎥規模の24tトラック1台当たり、約10〜11tの大型廃棄物を運搬していた。ソウルの他の自治区の清掃業者は、30㎥規模の25tトラックで、通常4〜5t程度を運んでいた。

この背景には、江南区庁がA社と結んだ契約方式が影響しているとされる。江南区庁はA社との大型廃棄物処理契約に『t当たり単価制』を適用した。廃棄物の重量に比例して業務費を支払う方式で、ゴミを過積載したり虚偽の積載が行われるという指摘が出ている。江南区庁によると、現在ソウルの25区のうち21区がこの契約方式を使用している。
チェ・ヨンホさんは「一度に多くの廃棄物を積むほど業者の利益が増える構造なので、積載量を減らすのは難しい。」「無理にゴミを積んでいるため、積載箱はすべて曲がっている」と話した。Bさんは「大量のゴミを積もうとするから事故が繰り返される」とし、「区役所に契約方式の変更を求めたが、受け容れてくれなかった」と話した。
専門家は、過積載を誘発し、産業災害のリスクを高める以上、安全よりも量を優先する契約構造と、関連した制度の点検が必要だと指摘した。民主労総のクォン・ドンヒ労務士は記者との電話で、「物量中心の契約構造では、労働者の安全を優先することは難しい。」「区役所が直接労働者の安全を管理できる雇用・契約方式が必要だ」と話した。
江南区庁は「『t当たり単価制』は必要に応じて選択できる部分であり、労働者の安全問題とは関係ない」とした。江南区庁は「江南区の(廃棄物)輸送車輌の実際の運搬量は最大積載量に対して正常範囲内にある。」「作業場の安全は車輌管理や積載方法、作業手順、安全教育、現場管理などが複合的に作用する事項である。契約方式だけで労災の原因を断定することはできない」と話した。
2026年7月28日 京郷新聞 ウ・ヘリム記者


