【病院建築物における石綿使用実態調査】病院の2割にいまも残るアスベスト-最新の使用実態フォローアップ調査結果
2025年5月号で「建築物の石綿使用実態調査」について特集したが、2025年3月31日付けで、「病院におけるアスベスト(石綿)使用実態調査に係るフォローアップ調査の結果の公表及び今後の対応等について」という題名で、医政発0331第8号及び同通達を周知する基安化発0331第5号が発出されていることがわかった。後者を情報公開手続で入手し、あらためてチェックしたところ、「病院におけるアスベスト(石綿)使用実態調査に係るフォローアップ調査の調査結果について」というページが作られて(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_53738.html)、調査結果として前者も公表されていることもわかった。
調査結果は表のとおりであるが、「損傷、劣化等による石綿等の粉じんの飛散によりばく露のおそれがあるもの」(⑥)の内訳は、「吹付けアスベスト等」については、「ばく露のおそれのある場所が日常利用する場所である病院」は0、それ以外の場所である病院が4で、うち3が「措置予定」、1が「措置未定」。「未回答病院」5はすべて「分析調査依頼中又は分析調査依頼予定」である。
「アスベスト含有保温材等」については、「ばく露のおそれのある場所が日常利用する場所である病院」が9、うち4が「措置予定」、5が「措置未定」。それ以外の場所である病院が38で、うち18が「措置予定」、20が「措置未定」。「未回答病院」66のうち64は「分析調査依頼中又は分析調査依頼予定」。
医政発0331第8号は、次のように言っているが、全体の各約2割を占める「調査対象アスベストがある場所を有するもの」には、「措置済み」であったとしても、アスベストが残されているのであり、安全に除去していく必要があることを忘れてはならない。

1 要措置病院への対応について
石綿障害予防規則(平成17年厚生労働省令第21号。以下「石綿則」という。)第10条において、労働者がアスベストにばく露するおそれがあるときは、事業者の義務として、吹き付けられたアスベスト又は保温材、耐火被覆材等の除去、封じ込め、囲い込み等の措置(以下「除去等」という。)を講じなければならないとされていることから、要措置病院に対し、確実かつ早急に除去等の措置が行われることが必要です。
要措置病院の中には、アスベストがあることは確認しているものの、飛散状況等の分析調査までは行っておらず、アスベストのばく露のおそれがあるか不明の病院や、アスベストを有する部屋を立入禁止にするなど「囲い込み」に該当する可能性のある措置を行っている病院も含まれているものと考えられます。そのため、まずは、速やかに医療法(昭和23年法律第205号)第25条第1項に基づく立入検査を行うなどにより、真にアスベストのばく露のおそれがあるかどうかを確認するようお願いします。
確認の結果、アスベストのばく露のおそれがある場合には、厚生労働省に報告するとともに、患者の安全対策等に万全を期すためにも、直ちに医療法第24条第1項に基づく、施設の使用制限、修繕等の命令を行うなどの対応をお願いします。
併せて、アスベストのばく露のおそれのある場所については、除去等の措置が行われるまでの間、立入禁止措置、当該場所に管理上立ち入る際の労働者の呼吸用保護具及び作業衣又は保護衣の使用の徹底等が行われるよう、改めて指導の徹底を図るようお願いします。
以上の対応については、保健所設置市又は特別区の医療監視部門と十分連携するとともに、特に病院に対する立入検査の際においても重点的に指導等をお願いします。
2. 分析調査依頼中又は分析調査依頼予定の病院への対応について
分析調査依頼中又は分析調査依頼予定の病院に対しては、確実かつ早急に分析調査が行われるよう、分析調査の実施時期・内容、病院におけるアスベストの使用が疑われる場所、粉じんの飛散の可能性、分析調査の実施時期を明確にできない合理的な理由を、令和7年中に都道府県に報告するよう、指導をお願いします。
当該報告がない場合や、合理的な理由がないにも関わらず病院が分析調査の時期を明確にしない場合は、速やかに医療法第25条に基づく必要な報告を命じるようお願いします。
併せて、アスベストの有無は不明であっても、病院において目視等により粉じんの飛散が疑われる場所がある場合や、病院の報告結果から、都道府県において、アスベストによる粉じんの飛散の危険性が高いと判断される場所がある場合は、アスベストの粉じんが飛散しているものとみなし、当該場所への立入禁止措置、当該場所に管理上立ち入る際の労働者の呼吸用保護具及び作業衣又は保護衣の使用の徹底等が行われるよう、改めて指導の徹底を図るようお願いします。
以上の対応については、保健所設置市又は特別区の医療監視部門と十分連携するとともに、特に病院に対する立入検査の際においても重点的に指導等をお願いします。
分析調査の結果、アスベストのばく露のおそれがあると判明した場合は、上記1のとおり対応をお願いします。
3. 未回答の病院への対応について
未回答の病院に対しては、すみやかに回答するよう改めて指導するとともに、回答に協力しない場合は、速やかに医療法第25条に基づく必要な報告を命じるようお願いします。
安全センター情報2026年1・2月号


