裁判所「配達運転手が雨道で信号無視した交通事故は労災」/韓国の労災・安全衛生2025年11月12日

雨の日に信号を無視して交通事故を起こした配達運転手が、裁判所で業務上災害を認められた。交通法規に違反したとしても、迅速配達を要求する業務の特性を考慮して、労働災害と見なければならないということだ。

ソウル行政裁判所は11日、配達運転手のAさんが勤労福祉公団を相手に起こした、療養不承認処分取り消し訴訟を認容した。Aさんは昨年、京畿道平沢市のある交差点で、前方の赤信号を無視して、直進する右側から左折して来た車と衝突した。Aさんは肋骨などを折った。

当日、平沢は雨が降り、視界の確保が難しかった。Aさんは配達5件を終え、次の配達をしていた。Aさん昨年五月、勤労福祉公団に療養給付を申請したが、公団は「交通事故処理特例法に違反した犯罪行為であり、労災補償保険法によって、業務上災害とは見ない」とした。

裁判所は「配達運転手は、顧客からの不満が出ないように迅速に配達する必要性が高いところ、交通事故は業務遂行に通常伴う危険」で、たとえ信号無視が原因でも、労災と見なければならないとした。裁判所は「Aさんは瞬間的に集中力と判断力が低下した状態で、交通信号を正しく認識できずに信号違反をし、故意に信号を無視した、または著しく注意を怠った証拠はない」と判断した。

2022年、最高裁判所も、協力会社の教育に参加して帰ってくる途中、中央線の侵犯事故で死亡した労働者の労災を認めた経緯がある。当時、最高裁は「業務遂行のために運転中に発生した交通事故ならば、信号無視だけで業務上災害ではないと生半可に断定してはならない」とし、「事故の経緯と様相、運転者の運転能力などを総合考慮しなければならない」とした。

2025年11月12日 京郷新聞 キム・ナムヒ記者

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