日東オプティカル労働者の白血病、労災認定/韓国の労災・安全衛生2025年8月11日

LCD偏光フィルムの製造業者である韓国日東オプティカル平澤工場で、20年以上働いて有害化学物質に露され、白血病の診断を受けた労働者が労災を承認された。
11日、「半導体労働者の健康と人権守り」(パノリム)によれば、韓国日東オプティカルで働いたAさんは、4日に勤労福祉公団から『労災承認』の通知を受けた。4月25日に公団に療養給付の申請してから三ヵ月目のことだ。
2002年2月にオペレーターとして入社したAさんは、昨年12月、慢性骨髄性白血病の診断を受けた。Aさんは週間連続の三組二交代代勤務で、切断・塗装・溶解の工程で業務をしてきた。ホルムアルデヒドなどの有害物質に持続的に曝された。
会社は「保険加入者意見書」で「作業場での使用量が制限的で、直接的なばく露頻度と持続時間が非常に低い。」「有害物質に一時ばく露されても、保護具の着用と作業環境内の十分な換気システム構築で、傷病を発生する程の影響を与える可能性は極めて低い」と主張したが、受け容れられなかった。
ソウル南部地域の「業務上疾病判定委員会」は「作業環境測定の結果で、2015年から2019年の間に、ホルムアルデヒドが反復的に検出された事実から見て、申請人が長期間該当業務を遂行する過程で、ホルムアルデヒドに持続的にばく露したものと見られ、勤務期間を考慮すれば、累積ばく露量が、申請傷病の発病に影響を及ぼす程多いと判断される」とし、「傷病と業務との相当因果関係が認められる」と明らかにした。
パノリムと金属労組はこの日声明を出し、「この間、会社は労災の事実を否認・反論し、治療費や有給病気休暇など、何の措置も執らなかった。」「労災が認められた以上、今からでも当事者に真心のこもった謝罪と、責任ある姿勢で正当な補償をしなければならない」と主張した。また、「韓国日東オプティカルで明らかになった血液がんの被害者だけで、少なくとも三人」で、「局所排気装置・換気システムが不十分だったため、発がん物質にばく露され、がんの発病まで至った」と強調した。
これらの団体は、「白血病などの職業性癌は、潜伏期を経て、後で明らかになることもあり、既に発病していたのに、退社して確認できないケースもあり得る」とし、政府に疫学調査の実施を求めた。続けて「同種業界の労働者に、類似の職業病の被害がないかを把握し、作業環境も調査すべきだ」と注文した。
日東オプティカルは2023年に亀尾工場の火災で清算を決めた韓国オプティカルハイテクの『双子の子会社』だ。韓国オプティカルハイテク解雇者・パク・ジョンヘさんは、雇用継承を要求して、昨年1月8日から亀尾工場で高空籠城を続けている。同日で582日目だ。
2025年8月11日 毎日労働ニュース オ・ゴウン記者
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