またマンホールで窒息死・・・ソウルの上水道漏水復旧中に70代が死亡/韓国の労災・安全衛生2025年7月28日

ゲッティイメージバンク

ソウルで上水道復旧作業のためにマンホールに入った労働者が亡くなる事故が発生した。今月初め、仁川でマンホールで作業していた二人がガス中毒で亡くなってから、約三週間目に似たような事故が再び発生した。

雇用労働部は27日、ソウル衿川区の上水道漏水工事現場で、復旧作業中だった70代の男性労働者一人が死亡したと明らかにした。死因は窒息死だ。倒れた作業者を救うために入った別の70代の男性一人も、現在意識がないと伝えられた。

衿川消防署は前日の昼12時39分頃、工事現場で作業者二人が倒れたという申告を受けた。二人は119救急隊が到着した時、心停止状態だった。午後1時2分と6分の救助直後、心肺蘇生術を受けて病院に搬送されたが、一人が死亡し、もう一人も集中治療室に入院した。

消防当局の調査の結果、当時の工事現場は酸素が不足した状態だった。現場に出動した消防士が測定したマンホール内部の酸素濃度は4.5%未満だった。適正酸素濃度は18~23.5%だ。濃度が18%未満に下がれば、酸素欠乏などで窒息を起こす恐れがある。

マンホールのような密閉空間で酸素が不足すると、有害ガス中毒による窒息に繋がりかねない。6日、仁川で道路のマンホールの中で地理情報システム(GIS)データベースの構築作業をしていたところ、作業者二人が死亡する事故が発生したが、仁川環境公団は、マンホールに入る前に酸素濃度の確認が行われなかったと把握した。

今回の工事は、ソウル市のソウルアリス本部の管理・監督の下で、委託業者が行った。ソウルアリス本部は、漏水復旧作業をしている途中に事故が発生したと見て、具体的な事故の経緯などを把握している。

警察は作業をする時、安全措置がきちんとなされたかを調査している。警察の関係者はハンギョレに「業務上過失致死傷の有無などを確認している」と話した。雇用労働部傘下のソウル地方労働庁広域重大災害捜査課も、産業安全保健法と重大災害処罰法に違反していないかの捜査に着手した。

2025年7月28日 ハンギョレ新聞 イム・ジェヒ記者、ナム・ジヒョン記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1210311.html