アスベストに関するリスク評価第2部:アスベストの遺産使用及び関連する廃棄を含む補足評価/US EPA, 2024.11.27

2016年6月にEPAが、フランクRローテンバーグ化学安全法により改訂されたTSCAに基づきリスク評価を実施する最初の10種類の化学物質のひとつとしてアスベストを指定したことを受けて、EPAは当初、現在合衆国で輸入、加工、または流通している唯一のアスベスト繊維であるクリソタイル・アスベストに焦点を当ててアスベストに関するリスク評価を実施した。
しかし、2019年11月の合衆国第9巡回区控訴裁判所のセイファー・ケミカルズ・ヘルシー・ファミリーズ対EPA事件に対する判決の結果、EPAは アスベストに関するリスク評価を2つのパートに分けて発表することを決定した。アスベストに関するリスク評価の第1部は2020年12月に完了した。
2024年11月にEPAは、アスベストに関するリスク評価の第2部を発表した。第2部ではEPAは、遺産用途及び関連する廃棄、クリソタイルに加えてその他の種類のアスベスト繊維、及びアスベスト含有タルクの使用状況を評価した。遺産使用とは、古い家屋の床や天井のタイル、パイプの被覆、その他の断熱材などにみられるアスベスト含有建材など、製造、加工、または流通は終了しているものの、アスベストが依然として存在している可能性がある使用である。

第2部リスク評価のアスベストに関する背景/その使用

アスベストに関するリスク評価の第2部において、EPAは、クリソタイル(蛇紋石)、クロシドライト(リーベック石)、アモサイト(キュンミントナイト・グルエナイト)、アンソフィライト、トレモライト、アクチノライト、及びリビー角閃石アスベスト(及びそのトレモライト、ウィンチャイト、リヒテライトの成分)を考慮した。この拡大は、遺産使用及び関連する廃棄についてのアスベストに関するリスク評価の第2部の焦点と一致するものであった。さらにEPAは、アスベストへの曝露の潜在的な原因としてタルクが疑われているため、アスベスト含有タルクの使用についての関連する状況を評価した。
EPAは、遺産使用に関連するアスベストの攪乱及び処理、並びに化学物質としてのアスベストが、ヒトのの健康に対して不合理なリスクをもたらすと判定した。

最近の活動及びパブリックコメントの機会

EPAは2024年4月から60日間、www.regulations.govの案件番号EPA-HQ-OPPT-2021-0254で、リ
スク評価案及び関連する裏付け文書の草案に対するパブリックコメントを受け付けた。
2024年5月13日にEPAは、リスク評価の概要を提供する公開ウェビナーを開催した。ウェビナーの資料は:https://www.epa.gov/assessing-and-managing-chemicals-under-tsca/materials-may-2024-webinar-draft-risk-evaluation 参照。
2023年8月にEPAは、リスク評価の第2部で適用されるヒト健康評価に関するEPAの定量的アプローチを説明した白書をレターピアレビューのために発表した。
2022年6月にEPAは、アスベストに関するリスク評価の第2部の最終的な対象範囲を発表した。
最終的な対象範囲には、アスベストに関するリスク評価の第2部を実施するにあたり、EPAが考慮する予定の使用状態、危険性、曝露、及び曝露の可能性があるか、または影響を受けやすい集団が含まれている。
EPAは、白書のピアレビューと対象範囲、白書、及びリスク評価草案に関するパブリックコメントからのフィードバックを最終的なリスク評価に反映させた。

リスク評価案及び裏付け文書

[25本の文書-省略]

https://www.epa.gov/assessing-and-managing-chemicals-under-tsca/risk-evaluation-asbestos-part-2-supplemental-evaluation

安全センター情報2025年1・2月号