北関東多言語相談ホットライン/茨城●移住者と連帯する全国ネットワークら

8月24日、北関東(茨城・栃木・埼玉・群馬)在住の外国籍・外国ルーツの住民を対象とした多言語相談ホットラインに東京安全センター事務局3名(飯田、天野、内田)が参加した。
この相談ホットラインはNPOセンターコモンズ(茨城県常総市)、カトリックさいたま教区オープンハウスの協力の下、移住者と連帯する全国ネットワーク(以下移住連)主催で開催された。
今回のホットラインは2023年7月から2026年3月までの3年間の事業として現在進行中の、「アウトリーチ手法による『新移民時代型』支援ネットワーク構築事業」の取り組みの一環としての開催である。
移住連は、2020年コロナ禍を移民・難民とともに生き抜く「新型コロナ移民・難民緊急支援墓金」(2020年5月10月)の取り組みを皮切りに、2021、22年と休眠預金等交付金を活用した「在留外国人への緊急支援と持続的な体制構築」(SAFOR)事業に参加。新型コロナ禍のおける移民・難民相談支援として移住連につながる支援者・支援団体が行う相談に関する同行・通訳者への伴走支援費用のサポートやコロナ禍で住まいや食糧などに困窮する移民・難民への緊急支援等を実施してきた。伴走支援申請を通じて様々な相談ケースの情報が共有され、労働、医療・福祉、家族、在留資格、ことばの援助など、複数の課題が重なり合った困難住を抱える移民・難民からの相談実相が浮き彫りとなってきている。
また、支援に携わっている、あるいは支援に興味を持ってくれた心ある人たちや団体の登録によって課題ごとの伴走支援者・団体の情報集積も進んだ。そして、外国人支援経験のある伴走者、団体の少ない地域も徹底的にいくつか見えてきた。そうした地域のひとつが北関東である。
北関東は製造業、農業が集積する地域であり、多くの外国ルーツの人たちが地域の職場で働き募らしている。しかし、言語、文化、在留資格も多様な外国ルーツをもつ住民は、医療、住まい、教育など、生活のための公的制度へのアクセスに困難が多く、不安定な雇用のために労働トラブルにも巻き込まれがちである。こうしたなかで、地域の生活の中で複合的な課題を抱える彼らへの支援強化が求められている。
今回、移住連の呼びかけに応え、移住連につながる相談伴走者や通訳者が茨城県常総市の認定NPO法人茨城NPOセンター・コモンスのえんがわカフェに集まった。対応言語は10言語(ベトナム語、ポルトガル語、スペイン諮、英語、タガログ語、ウルドウー語、パストゥー語、中国語、カンボジア語、ベンガル語)を準備し、対面栢談だけでなくMessenger(Facebook)、LINE、WhatsAppなどのSNSで相談者、通訳とつながってのオンライン相談も行われた。
24日の一日で、職場でのハラスメントや嫌がらせ、不当な労働条件、労災など相談、妊娠や出産、結婚に伴う家族の在留資格など、30件あまりの相談が寄せられた。今回の開催を一例に、各地の相談会が、地域でともに働き暮らす外国ルーツ住民の声を聴く貴重な場となり、また移民・難民に寄り添い伴走することに興味を持ってくれる新たな仲間との出会いの場となっていくことを期待しながら、今後も北関東地域の相談会に参加していこうと思う。

文・問合せ:東京労働安全衛生センター

安全センター情報2025年1・2月号