コンクリートの中のアスベスト-安全にリサイクルすることは可能か?/Radio New Zealand(RNZ), 2024.8.15
タウポ[ニュージーランドの都市名]でリサイクル用に保管されていたコンクリートからアスベストが発見されたことで、全国のコンクリートリサイクルの実行可能性について疑問が投げかけられている。
タウポ地区議会は、ブロードランズ・ロード埋立地のコンクリートからアスベストが発見されたため、保管されている廃コンクリートの検査を実施していると発表した。
同地区では通常、コンクリートを砕き、道路や私道の建設に使用する顧客にリサイクル材料として販売している。
しかし、議会のプロジェクトで使用された破砕コンクリートにアスベストが含まれている疑いが出てきたため、埋立地のコンクリート貯蔵庫からサンプルが採取された。そのうち2つのサンプルから、低レベルのアスベストの存在が検出された。
議会の最高経営責任者ジュリー・ガードイン氏は、コンクリートのリサイクルは現在保留中で、現在リサイクルを認められているコンクリートはないと述べた。
廃棄物の約50%は建設・解体業界から発生しており、そのうちの90%は-コンクリートのように-再利用、リサイクル、または供給業者への返却が可能である。
建設会社ネイラー・ラブ社は、業界内での廃棄物転換の強力な提唱者である。ワイカト環境マネージャーのステファニー・メイヤー氏はRNZの取材に対し、平均的な建設現場では廃棄物の17%しか再利用されていないと述べた。ハミルトンでの最近のプロジェクトで、同社は80%を目指している。
この一部はコンクリートリサイクルによるもので、ワイカト/ベイ・オブ・プレンティ社事業部長のディーン・マクガイー氏は、タウポでの発見がコンクリート再利用にどのような影響を与えるかについて懸念を示した。
「残念ながら、埋め立て処分にかかる費用を考えると、廃コンクリートが環境中に投棄される可能性があり、それにより、より大きな公衆衛生上のリスクが生じる可能性がある」と彼は述べた。
しかし、彼は議会のアプローチを支持した。
「議会は賢明で責任あるアプローチを取っていると思う。2000年以前には、多くの建設資材にアスベストが一般的に使用されていたことは不幸なことし、一部の人々はこの事実を知らないかもしれない」。
メイヤー氏は、コンクリート破砕のリサイクルは、すべての材料が最初に検査された場合にのみ継続できるだろうと考えている。「人々がコンクリートをリサイクルのために持ち込む前に、何らかの検査方法が考案されることを期待している」と彼女は述べた。
アスベスト監督官のギャリー・ゴドフリー氏は、かつてはベビーパウダーや衣類などの製品にもアスベストが含まれていたと述べた。同氏は、アスベストが危険なのは、粉じんとして吸い込まれた場合のみであると人々に注意を促した。
「今日吸い込んで明日死ぬということではない。 なぜなら、そうはならないからだ。すべての人に石綿肺が発症するわけではないん。曝露限界値がどの程度であるべきか、私たちはまだ解明できていない」とゴドフリー氏は語った。
アスベストの使用と除去については、いくつかの法律で規制されている。WorkSafe[労働安全衛生機関]は、建設業者には、アスベストが攪乱させるかもしれない作業が始まる前に、アスベストが確認・除去されるようにする義務があると助言している。
「タウポ自体、彼らのプロセスは非常に良いと思う。なぜなら、検査を義務付けているからである。議会は、何らかの作業が許可される前に、ほとんどの建物で検査が行われることを求めている」とゴドフリー氏は語った。
それゆえ、アスベスト製品が同自治体のコンクリートリサイクルプログラムに回されたことは驚きだった。
タウポ地区議会は、アスベスト発見への対応については専門家の助言に従っていると述べ、コンクリート貯蔵品に含まれるアスベストの量を正確に把握するには広範囲にわたるサンプリングプログラムを実施する必要があると助言されたと説明した。
これまでに埋立地の備蓄から採取された12のサンプルのうち、10は安全であることが判明し、2つのサンプルは汚染レベルが低い方の端に位置するものだった。
粉砕コンクリートを購入したことが判明している顧客と直接協力して、検査を行っていると述べた。安全基準値を超えるアスベストが検出された場合には、その場所が安全であることを確認し、必要に応じて改善するよう、顧客と協力している。
ガードイン氏は、ブロードランズ・ロード埋立地から購入したコンクリート材について懸念を抱いている人々に、議会に連絡するよう呼びかけた。また、アスベストが検出されたものの、サンプルはこれまで低レベルの汚染にとどまっていることをあらためて強調した。
「われわれはこの状況の管理に非常に慎重なアプローチを取っており、今後もテスト結果が安全または低レベルの汚染であることを期待しているが、地域社会に潜在的なリスクをもたらす可能性のある破砕コンクリートを特定し、処分するために全力を尽くしたい」。
https://www.rnz.co.nz/news/national/525200/asbestos-in-concrete-can-it-be-safely-recycled
安全センター情報2024年11月号