バイデン-ハリス政権は屋内・屋外労働者を酷暑から守る規則案を発表/2024年7月2日 アメリカ連邦労働省
アメリカ労働省は、酷暑さによる重大な健康リスクから数百万人の労働者を守ることを目的とした規則案を発表した。この規則案が最終的に承認されれば、屋内及び屋外で働く約3,600万人の労働者を保護し、職場での熱中症、疾病及び死亡を大幅に減らすことにつながる。
アメリカでは、天候に関連した死因のトップが熱によるものである。過度の職場の暑さは熱中症を引き起こし、最悪の場合は死に至ることもある。暑さによるハザーズは多くの産業で働く労働者に影響を与えるが、有色人種の労働者ほど、危険な暑さに曝露する仕事に従事する可能性が高い。[中略]
提案される規則案は、使用者に対し、過度の暑さによって影響を受ける職場で熱によるハザーズを管理するための傷害・疾病予防計画の作成を義務づける。この計画では、使用者に対し、とりわけ、熱によるリスクを評価し-熱が労働者に対するリスクを増大させる場合には-飲料水、休憩時間及び室内温度の管理に関する要求事項を遵守することを義務づける。また、高温の条件下で働くことに慣れていない新規採用者や復職労働者を保護するための計画も義務づける。
「全国で働く人々が、仕事をしているだけで熱中症にかかり、命を落としている。彼らを守るために何か手を打たなければならない」と、労働安全衛生担当次官補のダグ・パーカー氏は述べる。「本日の提案は、使用者にとって現実的かつ実行可能であるとともに、労働者を守る「ウィンウィン」の最終規則を策定するための、一般からの意見聴取プロセスにおける重要な次なるステップである。」
使用者は、訓練を提供し、労働者が熱中症に関連した徴候や症状を示した場合の対応手順を定め、また、熱中症の緊急事態の徴候や症状を示している労働者を助けるための即座の行動をとることを求められる。
連邦官報に掲載された後、一般市民は本規則に関する書面による意見を提出するよう奨励される。また、書面による意見提出期間終了後に、公聴会も予定されている。意見提出に関する詳細は、規則が公表された際に公開される予定である。
その間、OSHA[労働安全衛生庁]は、使用者と労働者を教育し、労働安全衛生法の一般義務条項(29 U.S.C. §654(a)(1))及びその他の適用可能な規則違反に対する企業の責任を追及するために、既存の重要な啓発・執行リソースを投入し続ける。全米各地で記録的な高温が観測され、とくに夏場には、労働者が職場で直面するリスクが高まっている。毎年、数十人の労働者が命を落とし、さらに何千人もの労働者が危険な暑さへの曝露に関連した疾病に罹患している。悲しいことに、これらの病気の多くは予防可能なものである。
同庁は、2022年に開始した「屋外及び屋内の熱に関連したハザーズに関する国家重点プログラム」に基づき、熱に関連した監督を継続している。このプログラムは、熱に関連したハザーズにもっとも曝露する職場を積極的に監督し、労働者が不必要に傷害、疾病または死亡をしないようにすることを目的としている。開始以来、OSHAは5,000件以上の熱に関連した連邦監督を実施した。
さらに、同庁は、季節労働者として一時的かつ非移民のH-2Aビザをもつ労働者を雇用する農業産業における計画的な監督を優先している。これらの労働者は、言葉の壁、生活環境や労働条件に対する管理能力の低さ、順応能力の欠如といった特有の脆弱性があり、危険な暑さへの曝露リスクが高い状態にある。
※https://www.dol.gov/newsroom/releases/osha/osha20240702
安全センター情報2024年9月号