石綿安全大韓民国のための第3次石綿管理基本計画/2022年12月 関係部署合同
[2023-2027] 第3次アスベスト管理基本計画(環境省、関係省合同)(韓国アスベスト追放ネットワーク)
※ 「石綿安全大韓民国のための第3次石綿管理基本計画」(2022年12月関係部署合同)の大部分を、韓国石綿追放運動ネットワーク(BANKO)鈴木明・執行委員長の翻訳でご紹介する。2012年12月策定の第1次(2013~17年)、2017年12月の第2次(2018~22年)に続く、3回目の5か年計画で、目次は以下のとおり。
第1章 背景及び意義
第2章 与件及び成果
1. 国内政策与件/2. 国際動向/3. 政策成果/4. 限界及び示唆点
第3章 基本目標及び推進方向
第4章 分野別重点推進課題
1. 建築物石綿安全管理を高める/2. 石綿解体事業場の環境管理の実効性強化/3. 自然発生石綿分布地域の体系的管理/4. 石綿含有可能物質及び石綿含有製品の管理強化/5. 石綿安全管理基盤整備及び科学的調査
第5章 推進日程及び所要予算
1. 推進日程/2. 所要予算及び財源調達のあり方
目次
第2章 与件及び成果
3. 政策成果
1 建築物石綿管理の強化
〇 建築物の累計及び利用形態等の管理の至急性により法律上の義務対象の拡大と安全診断事業の推進をとおして建築物石綿安全確保推進
-石綿安全診断(2013~2017年)の結果反映、「石綿安全管理法」上の管理対象(塾1,000→430m2、保育園430m2→全体)拡大(2017~2018年)
* 保育園の41%(2,747か所中1,136か所)、塾の62%(2,045か所中1,280か所)で石綿確認
塾:延べ面積1,000m2以上 371か所→延べ面積430m2以上 2,360か所、調査対象1,989か所追加
保育園:延べ面積430m2以上 3,836か所→すべての保育園対象(延面積基準なし) 25,772か所、調査対象21,936か所追加
-法的規模未満の脆弱階層(高齢者・児童・障がい者)利用施設については石綿安全診断サービス(5,739か所)提供(2018~2022年)
* 石綿資材の損傷がある場合の施設補修(819か所)及び石綿濃度測定(105か所)
〇 石綿建築物への石綿地図の誤り点検及び管理実態指導・点検で石綿建築物管理の実効性強化(2018~2022年)
-民間建築物3,755か所、学校23,697か所の石綿地図を検証し、民間建築物515か所(13.7%)の石綿地図補完
* 公共建築物は機関別に自己確認、軍施設は年2回自己点検
-教育庁(2018年)、矯正施設(2019年)、国公立病院及び旅客自動車ターミナル(2020年)、大学(2020~2021年)、流通商店街(2022年)等、管理基準順守について合計901棟(10.1%)を点検し、91棟に過怠料・是正等の処置
〇 石綿建築物安全管理者教育強化(2019年)及び石綿建築物管理委託許可(2018年)等、石綿建築物管理専門性強化
* 教育時間拡大(6→8時間)、教育履修期限短縮(安全管理者指定届出日より1年以内→3か月以内)、補習教育導入(2年毎)など
* 石綿管理の専門性を高めるため石綿調査機関等をとおした委託管理の根拠をまとめる
-石綿建築物リスク評価方法改善*(2020年)、情報網をとおした管理対象提出義務化(2022年)等、石綿建築物管理制度体系化
* 石綿建築物個別空間への評価漏れ防止のための評価単位調整、リスク評価方法及び処置事項関連告示統合をとおし管理の便宜性を高める
2 石綿解体・除去作業の信頼性を高める
〇 年次別計画により学校(教育部)、軍施設(国防部)の解体・除去推進
-学校石綿建築資材25,179,290m2(~2022年6月)、軍施設9,428棟*(75.4%、2019~2022年)石綿解体・除去
* 軍施設の石綿含有建築物の整備完了時期短縮(2026年→2025年)
-学校石綿モニタリング団運営及び休み期間の現場指導・点検*等、学校石綿解体現場の安全管理推進(2018~2022年)
* 点検4,235校、違法事項の処分(過怠料、告発)27か所
〇 住宅スレート161,791棟(2011年以後、累積295,393棟)の処理支援(2018~2022年)
-脆弱階層対象、屋根改良費支援(2019年~、約1万棟)、小規模倉庫・畜舎(2020年~、1.2万棟)等、スレート処理事業拡大実施
-2013年、全国スレート施設物調査以降、より正確な現況把握のための全国スレート施設物実態調査再実施(2021年)
* 2013年の調査時に抜け落ちたスレート(34万棟追加)の確認により住宅処理計画変更(2030年→2033年まで)
〇 石綿解体・除去作業の完全管理規定改善
-石綿残滓物の確認・除去の義務化(2019年)、解体業者下請禁止及び解体事業場特別調査の根拠整備(2021年)など「産業安全保健法」の規定強化
-石綿解体作業監理者登録・評価及び評価結果公開制度導入(2020年)など「石綿安全管理法」の規定強化(2022年まで252か所評価)
-石綿解体事業場の周辺石綿飛散調査方法の改善
* (2020年、2022年、環境部)
* 飛散測定の主体分離(解体業者自己測定→調査機関測定)、飛散測定地点の現実化、等
3 自然発生石綿のリスク管理強化
〇 広域地質図分析結果、自然発生石綿分布の可能性の高い17地域*について精密地質図作成
* 精密地質図作成対象:25か所)2か所進行中(~2023年)、6か所進行予定(2023~2025年)
-作成完了した広域地質図は国民に公開(2019年、石綿管理総合情報網)及び地理情報基盤サービス体系構築(2020年、環境空間情報サービス)
-自然発生石綿環境影響評価ガイドラインの取りまとめ(2018年)及び環境影響評価書作成規定のうち石綿調査関連規定の改正(2018年)、自然発生石綿標準調査案取りまとめ(2020年)など地質図活用のあり方を高める
〇 石綿分布可能性の高い59地域について予備調査(2017~2019年)結果を基に、リスクの恐れの高い本調査(影響調査)対象地域16か所選定(2022年)
-本調査(影響調査)方法に関する現場適用性評価(2022年)
〇 鉱害防止事業により土壌復元事業が必要な廃石綿鉱山29か所のうち19か所復元完了(産業部、2018~2022年)
-未復元7か所は工事予定(1か所)及び事業同意書請求中(6か所)
4 石綿含有可能物質、石綿含有製品の流通遮断体系を高める
〇 石綿含有可能物質が安全に流通するよう通関現況調査、指導・点検、輸入体系改善など全過程の管理推進
-石綿含有可能物質の取扱事業場への指導・点検(年中)を推進し1,164か所点検及び9か所摘発・処置(2018~2022年)
-不法輸入確認のための通関実態分析(2021年)及び焼タルク流通実態調査並びに石綿含有可能物質HSKコード整備*(2022年)推進
* 石綿含有可能物質HSKコードについての細部コード新設
〇 石綿含有製品の不法輸入・流通防止のための雇用労働部-関税庁の協業検査(62品目)、流通製品収集検査など持続してモニタリング実施
-協業検査、不法輸入業者監督など通関段階で5年間6,569件検査、26件輸入遮断(雇用部、2017~2021年)
-石綿含有可能性の医薬部外品原料(タルク)の石綿基準審査(不検出を設定するかどうか)及びタルク含有化粧品の収集・検査(食薬処、2018~2022年)
* 医薬品2,044件、医薬部外品8件、化粧品43件(2018~2022年10月基準)
-仁川市延寿区内の地上公園化マンションの全数(30か所)への造形石検査及び2か所回収措置(2021年)
5 持続可能な石綿管理基盤の構築
〇 石綿の安全管理及び処理関連研究開発(R&D)を推進し、持続可能な石綿管理基盤構築
-セメント焼成炉を利用した石綿廃スレートの無害化技術の開発*(2019~2020年)
* 白石綿を高温で熱分解し苦土カンラン石、がん火輝石などに変換
-石綿含有資材の石綿含有量及び飛散石綿の直読式測定技術の開発(2016~2018年)
-石綿と類似した性質を持つ繊維状鉱物質の分析及びリスク評価技術の開発(2018~2020年)
〇 国内の石綿管理政策、石綿含有製品削減現況、石綿分析法など石綿関連政策及び技術の伝播(2019年、韓国→ベトナム)
〇 石綿管理総合情報網の情報提供及び利用者便宜強化*で過去5年間の利用者数3倍増加(2013~2018年、年平均145,276人→2018~2021年、年平均448,949人)
* 石綿建築物検索サービス(2018年)、管理対象電算入力など行政サービス(2019年)、モバイルサービス(2020年)、自然発生石綿情報の地理情報基盤サービス(2020年)など
4. 限界及び示唆点
□ 2009年石綿資材禁止以降、適正に管理されない石綿建築資材の破損及びリスク可能性の加速化
〇 石綿安全管理法の管理対象は公共建築物、幼・小・中・高、不特定多重利用施設など一部に過ぎず、非対象建築物の石綿安全の恐れ
〇建築物石綿調査拡大、支援事業等、管理拡大のあり方をまとめる必要
□ 監理人権限不十分、指導・点検の専門性不足、石綿モニター団の部分的(一部自治体)運用等、石綿解体工事監視体系が一部未作動
〇解体作業の品質を高めるため監理制を運営しているが、監理人の法的権限が不備(監理人が求めに応じない時の制裁方法が不在等)で、監理の実効性低下
〇特に学校は石綿解体工事が休み中に集中する点を考慮する時、内実ある工事のため管理・監督の強化必要
□ 自然発生石綿の管理地域の速やかな指定及び管理体系の稼働必用
〇 工事時の飛散による住民健康被害防止及び飛散防止計画樹立等のため影響調査結果を反映した実際の地域管理体系に転換必要
□ 石綿含有可能物質、石綿含有製品のモニタリング体系の補完必要
〇 石綿含有可能物質未承認輸入事例を発見しており、直接購入など流通経路の多様化により石綿含有製品の流通の可能性増大
〇 石綿含有造形石は輸入のみならず国内生産された場合も多く、自然発生石綿管理体系と連動・管理する必要
<主要示唆点>
- 石綿建築資材の老朽化により法的管理非対象建築物の管理体系整備の必要性台頭
- 石綿解体除去作業場の安全と信頼性確保のため事業場監視体系強化必要
- 自然発生石綿の恐れのある地域で実際の対策を推進できるよう管理体系の速やかな構築必要
- 石綿含有岩石の流通実態把握及び石綿含有製品への管理体系再定立の必要性台頭
第3章 基本目標及び推進方向
第4章 分野別重点推進計画
1. 建築物石綿の安全管理を高める
1-① 建築物石綿調査対象の拡大及び管理の死角地帯解消
◇ 建築物石綿調査対象の段階的・持続的拡大推進
◇ 建築物石綿調査死角地帯解消をとおしてきめ細かい石綿建設物管理
□ 現況及び必要性
〇 一定規模以上の公共施設などについて建築物石綿調査が義務化され、調査結果石綿建築資材が50m2以上使用された建築物は、石綿建築物として管理*
* 安全管理者指定、リスク評価、室内石綿濃度測定など
〇 塾(1,000m2→430m2以上、2017年)、保育園(430m2
→全部、2018年)など、建築物石綿調査対象は段階的に広がっており、
-建築物石綿調査規定を整備*し、建築物石綿調査対象に新規編入される建築物に対する規定死角地帯解消(2022年)
* 用途変更、面積拡張などをとおして建築物石綿調査対象になった場合、該当の建築物を使用可能にした日から1年以内に建築物石綿調査の義務となる
〇 石綿建築資材が漸次老朽化しているが、石綿建築物として管理されている建築物は少数に過ぎず*、管理対象建築物数の拡大が必用
* 石綿資材使用建築物、約195万棟と推定(2018年)、規制対象石綿建築物は約1%(2022年、19,497棟)
□細部推進課題
〇児童施設への建築物石綿調査の義務化推進(2023年~、環境部)
-石綿安全診断事業による石綿調査結果、児童施設873か所のうち58.0%で石綿建築資材使用が確認(2018~2022年)され、管理の必要性が高い
-地域児童センターなど児童施設は、安全管理強化のため延面積に関係なく(現500m2以上)建築物石綿調査対象に含めることを推進[次頁上表参照]
〇石綿建築物の死角地帯解消のための実態調査推進(2023年~、環境部)
-(建築物石綿調査対象)建築物石綿調査未実施建築物について全数調査を実施し、関連処分*及び石綿調査・リスク評価等、管理推進
* 2千万ウォン以下の過怠料
-(建築物石綿調査非対象)石綿安全診断事業と連携し、石綿使用実態確認及び建築物石綿調査義務化の必要性検討
〇 共同住宅石綿安全管理を高めるあり方まとめる(2023年~、環境部、国土部、自治体)
-公共賃貸住宅についての建築物石綿調査及び安全管理の根拠整備推進(環境部)-公共賃貸住宅等、共同住宅石綿管理ガイドブック制作及び配布(環境部、国土部、自治体)
1-② 建築調査非対象建築物の管理及び支援強化
◇ 石綿安全診断事業等をとおした法的管理非対象建築物の安全を高める
◇ 法的管理非対象建築物についての教育・広報強化
□ 現況及び必要性
〇 建築物調査非対象施設については石綿安全診断事業をとおした支援及び現況把握推進中(2013年~)
-過去5年間石綿安全診断5,739か所を推進し、2,491か所(43.4%)の石綿建築資材使用を確認
-石綿建築資材が使用された建築物の場合、安全管理コンサルティング、石綿資材の損傷補修(817か所)、石綿濃度測定(114か所)支援
〇 社会福祉共同募金会(宝くじ基金)の協業で石綿解体・交換を含めた地域児童センター環境改善支援事業推進(2022年、約100か所)
<機関別役割>
環境部
- 地域児童センター等の石綿調査情報提供
- 優先支援対象選定方式コンサルティング
- 事業担当者及び関係者教育、説明会支援
- その他、石綿解体・除去事業推進時の技術コンサルティング
- 環境分野新規事業のコンサルティング協力
社会福祉共同募金会
- 企画財政部宝くじ基金管理協議
- 事業遂行機関選定及び管理
- 事業遂行教育支援及びモニタリング
- 支援事業評価
- 環境分野新規企画事業の諮問要請
〇 石綿安全診断事業の予算規模が零細(2023年、22億ウォン)で、支援対象が狭い
-「石綿安全管理法」非対象施設の管理主体の石綿認識が低く、安全管理のずさんさ憂慮
□ 細部推進課題
〇 石綿安全診断支援事業再編及び拡大推進(2023年~、環境部)
-石綿地図の誤り点検事業終了(2024年)により石綿安全診断事業規模の大幅拡大推進(年350か所→600か所)
-石綿安全診断支援対象を多角化*し、余暇及び体力増進施設、衛生管理施設などへの安全診断推進(2023年~、環境部)
* (既存)2017年以後、脆弱階層施設(児童、高齢者等)への支援
〇 地域児童センター石綿環境改善支援事業持続推進(2023年~)
-地域児童センターへの石綿解体及び交換工事(2023年、100か所)の持続推進(社会福祉共同募金会の協業)及び2024年以後の事業延長検討
〇「石綿安全管理法」非対象建築物についての教育・広報強化(2023年~、環境部)
-15年以上の老朽建築物について、石綿安全ガイドライン*制作・配布及び石綿安全管理映像並びにSNS、放送媒体等を活用した対国民広報推進
* 建築物の類型別石綿含有の疑われる建築資材使用例示及び安全管理方法など
1-③ 石綿建築物管理体系の高度化
◇石綿建築物安全管理者の責任強化及び力量を高める
◇石綿建築物の管理実態について徹底した指導・点検推進
□ 現況及び必要性
〇 石綿建築物管理強化のため専門機関による石綿委託管理許容(2018年)及び安全管理者教育強化*
(2019年)等、制度改善
* 教育履修期限(1年以内→3か月以内)、教育時間(6時間→8時間)、補習教育導入など
-石綿建築物管理基準順守について引き続き指導・点検を実施し、5年間、総計901棟点検のうち91棟(10.1%)過怠料処分
〇 石綿地図の誤り確認(2018年)についての後続処置として、既に作成された石綿地図すべてに対して誤りの点検進行中(2019年~)
-民間の石綿建築物は2024年まで5,717か所全数点検の予定で、学校石綿建築物は2022年までに23,697か所検証完了
〇 管理強化の努力にもかかわらず石綿建築物管理の不十分な事例が絶えず確認されており、国民の不安が続いている
-第一線の指導・点検担当者(自治体)の周期的補職移動による専門性の憂慮が引き続き提起されている
-石綿建築物の維持・補修作業や自然災害(火災・地震等)など様々な状況に対する石綿建築物管理マニュアルの未備
□ 細部推進課題
〇 石綿建築物指導・点検強化及び体系高度化(2023年~、環境部、自治体)
-管理台帳の提出義務化(2022年)により、管理台帳データ学習をとおし不適正管理が疑われる建築物抽出システムの整備(2023年~)
-定期的な石綿建築物指導・点検、未履行者行政処分及び建築物安全措置をとおした管理強化(2023年~)
-自治体担当者による指導・点検教育を導入(年2回)し、補職移動による管理空白の最小化(2023年~)
〇 石綿建築物安全管理の力量強化(2024年~、環境部、雇用部)
-リスク評価、損傷補修等について安全管理者の実習型教育導入(2024年~)
-安全管理者の物理的活動範囲(地域、面積等)を考慮し、安全管理者一人当たりの管理範囲制限推進(2025年)
-石綿建築物維持・補修工事の類型別安全作業マニュアル(雇用部)及び自然災害(火災・地震等)時の石綿建築物管理及び対応マニュアル(環境部)制作・普及
〇 石綿建築物石綿調査の誤り点検及び措置の持続推進(~2024年、環境部)
-民間の石綿建築物石綿地図全数(5,717)に対する誤り点検の持続推進
-自治体等、公共機関の石綿建築物(1万)石綿地図の誤り点検督励及び点検実績確認
2. 建築解体作業場環境管理の実効性強化
2-① 石綿解体作業現場の管理体系強化
◇ 石綿解体作業監理人の権限を強化し石綿解体現場の安全性を高める
◇ 監理品質、専門性向上で石綿解体現場の安全性を高める
□ 現況及び必要性
〇 石綿解体事業場の安全管理のため解体面積800㎡以上又は石綿含有吹付、耐火被覆材を解体する作業場に監理人*指定
* 石綿解体作業及び作業中の飛散測定、廃石綿保管等が石綿解体作業計画及び関係法令により適切に行われているか管理・監督
-監理人指定をとおし石綿解体現場への監視体系が構築されたが、監理人の実質的な解体作業管理権限は不足
-石綿解体作業監理人配置基準が解体規模に関係なく1人以上に管理されており、大規模解体事業場の安全管理に対する憂慮発生
〇 監理人補習教育(2018年)、監理人登録・評価制(2020年)等の制度導入をとおした監理品質向上推進
-積極的な監理人登録督励をとおし752管理人が登録され、石綿解体現場管理中(2022年11月現在)
-ただし、一部管理人が専門性不足、監理業務ずさん等の問題をみせており、監理人評価等級不十分の監理人割合が27%と高い状況
〇 学校石綿建築物(~2027年、教育部)及び軍石綿含有建築物(~2025年、国防部)の全数解体予定だが、解体過程の安全性について憂慮発生
-学校石綿解体時、学校石綿モニター団を構成し監視・監督中だが、内実ある工事のためモニター団の専門性強化が必要で、解体時の廃石綿*保管規定等の混乱発生
* 原則的に保管倉庫に保管しなければならず、知事などが浸出水が発生しないと認めた場合などに例外を認めるが、認定基準が不明確
-軍石綿含有建築物は「石綿安全管理法」適用非対象で、国防部が独自に整備計画を樹立し解体進行中であり、徹底した管理が必用
□ 細部推進課題
〇 石綿解体作業監理人の権限強化(2023~2024年、環境部、雇用部)
-石綿解体業者が、作業以前に監理人に作業計画書の検討を受ける規定*を補完し、解体計画の適正さを高める
* 「産業安全保健法施行規則」改正をとおし監理人の石綿解体作業計画書事前検討を明示
-監理人の解体作業是正・中止要請についての規定を補完し、監理人の現実的な作業管理・監督権限*強化
* 作業場周辺の石綿排出許容基準超過時(現行)の他にも、石綿解体業者が明白に法令を遵守しない場合などについての作業是正及び中止要請権限
〇 石綿解体作業監理人の監理品質、専門性強化(2023年~、環境部)
-大規模石綿解体事業場(例:5,000m2以上)に対する配置監理人数の拡大推進
-評価結果「不十分」の業者に対し大規模事業場監理の制限推進
-「石綿解体作業監理人評価等に関する告示」改正をとおした監理人業務力量評価項目新設等、監理人評価基準及び内容の実効性強化
* 実際、監理を行う監理人の業務力量についての評価項目新設等
-監理人の専門性を高めるため監理人補習教育(現行7時間の教育履修)に履修試験、シュミレーション教育課程等の導入検討
〇 学校石綿建築物及び軍石綿含有建築物撤去過程の安全性を高める(~2027年、環境部、教育部、国防部)
-学校石綿モニター団に専門化参加督励・確認、既存マニュアル*補完及び教育強化(教育部)
* 学校施設石綿解体・除去案内書
-石綿建築資材500m2以上を解体する学校について「石綿安全管理法」、「産業安全保健法」等関連法令順守の全数点検推進(自治体)
-石綿解体作業時に発生する廃石綿(指定廃棄物)の適正保管及び臨時保管関連規定の現実化(2024年、環境部)
-軍石綿含有建築物の整備時に国防部-環境部の協力をとおし飛散測定、監理人指定等「石綿安全管理法」を準用し、解体現場の安全維持
2-② 石綿解体作業専門機関管理の強化
◇ 石綿解体作業関連専門機関の教育及び制裁強化をとおし専門性、信頼性を高める
□ 現況及び必要性
〇 石綿解体の一連の作業(石綿調査、解体、作業場周辺・作業場の石綿濃度管理、等)は専門機関(石綿調査機関、石綿解体・除去業者、測定代行業者、等)により進める
〇 環境部、雇用労働部は、専門機関の専門性維持及び向上のため専門機関に対し周期的な評価、精度管理等を進める(2018~2022年)
-石綿環境センターに対する質的及び信頼性評価*実施
* 指定要件、事業実績(調査・分析、研究・技術開発)、精度管理(分析結果の信頼性)
-石綿調査機関について業務遂行実態評価及び制度管理を実施し、石綿解体・除去業者及び作用環境測定機関についても評価実施
〇 評価及び精度管理にもかかわらず低い制裁水準、解体作業の下請過程で過度な金額縮小によるずさんな事例発生
-低い評価等級を受けた機関への制裁水準が低く、廃業後に再登録(商号変更)をとおし処分回避の事例発生
-下請制裁規定の不在で、石綿解体作業の下請現況把握ができていない
□ 細部推進課題
〇 石綿解体作業関連専門機関制裁強化(2023年~、雇用部、環境部)
-違法事項への不利益回避を目的に廃業後、再登録(商号変更)する監理人に対する制裁手段整備(環境部)
-石綿解体作業届出書受理時、徹底した確認をとおして下請過程の工事金額の過度な縮小によるずさんな工事を事前防止(雇用部)
-下請現場の事前現場点検及び作業中の監督実施(雇用部)
〇 評価結果、下位等級の専門機関の正常化促進(2023年~、雇用部)
-安全性評価時に優秀等級を受けた石綿解体除去業者に石綿過怠作業を発注するよう建設業界及び教育庁を強く指導(雇用部)
-安全性評価の不十分な業者の施行作業現場に対する地方労働官署監督官の集中管理・監督(雇用部)
-引き続き低い評価等級を受ける石綿解体除去業者の登録取り消し規定整備(雇用部)
〇 専門機関従事者に対する教育及び精度管理の強化(2023年~、雇用部、環境部)
-石綿解体・除去作業の安全性評価時、従事者教育履修、能力開発現況等を反映し従事者の専門性向上を誘導(雇用部)
-室内空間汚染物質測定代行業者の作業中の石綿飛散測定についての正確度、精密度を高めるため精度管理規定整備(環境部)
2-③ スレート及び石綿廃棄物管理
◇ 住宅スレート撤去規模を拡大し、住宅スレートのゼロ化推進
◇ 小規模畜舎・倉庫等への中長期撤去支援計画樹立
□ 現況及び必要性
〇 全国的に2021年の残余スレートは総計95万棟分布
-住宅67%、畜舎5%、倉庫22%、工場1%、その他5%
〇 政府は「スレート管理総合対策(2011~2021、関係部署合同)」及び「石綿管理基本計画」により2022年まで住宅スレートの約29万棟を処理
-スレート処理事業の拡大のため2019年から脆弱階層を主な対象に改良費支援(約1万棟)、2020年度から小規模倉庫・畜舎(約1.2万棟)処理支援
* 2023年からハンセン氏病患者のスレート廃畜舎撤去・処理費支援(屋根以外の本体撤去等、自治体がハンセン氏病患者村の廃宿舎整備計画樹立後に推進)
〇 2017~2020年度の年間石綿廃棄物発生量は約165千トン~198千トンで、学校石綿解体除去及びスレート処理等により持続的に発生
-石綿廃棄物の埋立施設は2か所が追加拡充(合計17か所)されたが、残余石綿埋立量は1,345千トン(指定廃棄物埋立施設)に過ぎず、埋立容量確保及び石綿廃棄物減縮の方法整備が至急
〇 廃石綿排出・処理時、飛び散る恐れがあるものと無いものの区分が難しく、固形化方式の具体性が不足し、現場で論議の可能性がある -(例)①廃石綿のかけらが固形化対象なのかどうか、②粉じんやくずを必ず袋に入れたままで破砕しなければならないのかどうか、③廃石綿のかけらなどを破砕した後に固形化することが適法なのかどうかなど
-廃石綿の排出・処理基準及び固形化方式の具体化をとおし廃石綿処理現場での論議解消の必要
□ 細部推進課題
〇 スレート処理事業の拡大推進(2023年~、環境部)
-(スレート住宅)2023~2033年まで40万棟(残余57万棟*の70%)を処理し、スレート住宅ゼロ化推進(物量増加で当初の計画変更、2030年→2033年まで処理完了)
* 17万棟(30%)は再開発、リフォーム等をとおして自然減少の予測
-(スレート倉庫・畜舎)2023~2036年まで小規模(~200
m2)スレート倉庫・畜舎14万棟(残余20万棟*の70%)処理し、以後、面積・対象等の支援範囲拡大検討
* 6万棟(30%)は再開発、リフォーム等をとおして自然減少の予測
〇生活環境整備事業等と連携したスレート処理拡大推進(2023年~、農林部、国土部、環境部)
-生活環境整備事業(空き家整備、農村住宅改良、農漁村脆弱地域生活与件改造事業)等をとおしスレート屋根撤去拡大
* 事業時機の連携等、関連機関(部署)協力強化、優秀事例の掘り起こし・伝播等で事業の効率性を高める
-農漁村のスレート廃屋、空き家について積極的に撤去推進
* 自治体が「空き家及び小規模住宅整備に関する特例法(国土部)」により樹立した空き家整備計画と実態調査資料等を積極的に活用
〇石綿廃棄物埋立施設拡充及び廃石綿処理指針まとめ(2023年~、環境部)
-埋立施設の容量不足が予想されることにより石綿廃棄物埋立施設追加拡充及び生活廃棄物埋立施設のあり方協議*等、埋立場確保対策の樹立
* 石綿無害化技術の適用をとおし一般廃棄物として処理の可能性検討(安全性、費用効果性、住民認識度など)
-専門化・業界との協議などを経て、廃石綿処理の段階別細部処理方式・基準を盛り込んだ「廃石綿細部処理指針(仮称)」をまとめる
3. 自然発生石綿分布地域の体系的管理
3-① 自然発生石綿管理地域の指定推進
◇ 自然発生石綿管理地域(1か所以上)指定で住民被害予防
◇ 自然発生石綿影響調査をとおし石綿可能性地域の管理推進
□ 現況及び必要性
〇全国5つの圏域について自然発生石綿広域地質図(全国309図葉)を作成、対国民公開(2019年)及び環境空間情報サービス連携(2020年) * 忠清(2010~2011年)、江原(2011~2012年)、慶尚(2012~2013年)、京畿(2013~2014年)、湖南・済州(2015~2016年) 〇広域地質図を基に自然発生石綿が存在するか存在する可能性が高い地域について、自然発生石綿精密地質図作成 -2013年から22地域を対象に17地域完了(~2022年) * 加平雪岳面、安東豊川面など8地域作成(予定)中 -既存の作成対象地域の他、自然発生石綿のよるリスクの可能性地域について精密地質図追加作成必要
* 洪城郡結城面、西部面、麟蹄郡西華面など
〇 広域/精密地質図を土台にした自然発生石綿予備影響調査をとおし本調査のための調査方法及び規定等、影響調査方法補完(2021~2022年)
-今後、自然発生石綿影響調査結果のリスク判断基準及び管理地域指定時の効率的管理のためのガイドラインをまとめる必要
〇 「石綿安全管理法」第14条による開発地域の石綿飛散防止等の管理地域を、現在まで未指定
-国民の被害可能性地域についての管理計画樹立・推進及び支援、開発事業の飛散防止計画施行、環境影響調査等のため管理地域指定の推進必要
□ 細部推進課題
〇 自然発生石綿精密地質図作成及び統一性補完(2023~2026年、環境部)
-精密地質図の優先作成対象地域(22のうち5地域)及び追加調査の必要性がある諸地域についての精密地質図作成(2023~2026年)
* 加平郡雪岳面、安東市豊川面(2022~2023年)、瑞山市大山邑、青陽郡華城面、忠州市鍾民洞(2023~2024年)、洪城郡結城面、西部面(2024~2025年)、麟蹄郡西華面(2025~2026年)
-既に作成された精密地質図の電算化及び活用度を高めるため精密地質図の表現方式の一致など統一性確保並びに図録にまとめた後の公開推進(2026年)
<自然発生石綿精密地質図>
〇 自然発生石綿影響調査推進(2023年~、環境部)
-自然発生石綿影響調査(本調査)対象地域(16地域)の影響調査*推進
* (予備調査)本調査の必要性有無の調査(地域現況、地質特性について文献調査等)
(本調査)住民健康被害及びリスクの有無調査(空気・土壌・水の石綿濃度現況調査等)[下表参照]
-自然発生石綿影響調査(本調査)の進行のため調査方法及び関連規定(告示)補完
* 自然発生石綿による周辺影響有無の正確な確認のための測定方法確定及び曝露基準等の影響調査規定補完
-自然発生石綿管理地域指定のための細部判断基準及び管理地域指定時の効率的な管理のためのガイドラインのあり方をまとめる検討
〇 自然発生石綿管理地域指定推進(2025年~、環境部)
-影響調査結果、健康被害及びリスク可能性地域を対象に関係部署、住民、専門化の意見をまとめ、管理地域指定(最小1か所)推進
* 必要時、高濃度分布地域等速やかな管理対策樹立が必要な地域は優先調査実施
-自治体の管理計画樹立、開発事業者の石綿飛散防止計画書作成・施行、地域住民とリスク・コミュニケーションのための行政的・財政的支援のあり方(指針のまとめ、予算計画等)検討
3-② 自然発生石綿分布地域開発行為の管理強化
◇ 自然発生石綿高濃度分布地域の管理対策整備推進
◇ 分布予想地域の鉱山、採石場等の開発現況調査で体系的管理基盤構築
□ 現況及び必要性
〇 既存の石綿分布調査結果、高濃度石綿分布地域は影響調査及び管理地域指定前でも即刻措置の必要性提起
〇 自然発生石綿分布地域の開発時、環境影響評価をとおし石綿の分布有無調査後、調査結果により開発事業進行の可否を検討するようにするが
-地方環境官署・自治体において広域地質図の理解度が足りず、石綿調査が強制力なく開発敷地の石綿調査死角地帯の発生憂慮
〇 国内「廃石綿鉱山」、「石綿含有可能物質鉱山」は、産業部(韓国鉱害鉱業公団)が鉱害防止事業により復元及び適正復元の有無をモニタリング実施
-復元及びモニタリング完了地域については環境部(流域(地方)環境庁長及び国立環境科学院)が事後環境汚染影響調査を進行
-全国38廃石綿鉱山すべてに対し精密調査完了、土壌復元*対象29鉱山のうち19か所復元完了、1鉱山(東亜4区域)工事予定
* (環境部)29の鉱山調査完了、9の鉱山は範囲重複等で調査不必要
** (産業部)残る9か所は、設計完了後の事業同意書請求中(6か所)、鉄道改良事業敷地編入で事業撤回(3か所)
-滑石等の石綿含有可能物質鉱山は、一部調査が行われ、汚染確認鉱山の復元工事*施行中
* (産業部)復元検討対象14地域のうち復元完了(4か所)、進行中(2か所)、浄化不必要(8か所、浄化対象不在又は未開発地域)
-復元は産業部(韓国鉱害鉱業公団)、事後環境汚染影響調査は環境部が進め、鉱山地域の汚染確認時に部分再施工を施行中
* (韓国鉱害鉱業公団)環境部の事後環境汚染影響調査完了時に復元筆地への汚染モニタリング(土壌及び大気モニタリング)を実施中であり、事後環境汚染影響調査時に汚染が確認された場合、部分再施工を施行中
□ 細部推進課題
〇 自然発生石綿高濃度分布地域の管理対策整備推進(2023年~、環境部、自治体)
-地質図等、既存の概略調査結果、高濃度(例:1%以上)の石綿分布地域について管理のあり方(案)*整備(2023~2024年)
* 石綿分布確認及び濃度別、分野別使用・開発制限等
-関係部署、自治体及び住民等の利害関係者の意見まとめ・協議及び関連機関の役割分担、患者現況考慮等をとおし管理対策確定、並びに施行(2024年から)
〇 自然発生石綿分布予想地域の鉱山及び採石場の開発現況基礎調査、並びに管理のあり方検討(2024年、環境部)
-広域地質図上、石綿算出可能性が高い地域と精密地質図作成完了地域を対象に、鉱山及び採石場の開発現況基礎調査
-該当地域内の造形石及び石材の石綿管理のあり方検討
〇 廃石綿(含有可能物質)鉱山鉱害防止事業推進(2023年~、産業部)
-廃石綿鉱山1鉱山(東亜4区域)の復元事業を速やかに完了(~2023年)
-廃石綿含有可能物質鉱山の復元事業継続推進(2023年~)
〇 廃石綿鉱山鉱害防止事業地域の事後管理(2023年~、産業部、環境部)
-自然発生石綿分布地域の廃石綿鉱山の事後環境汚染影響調査で石綿曝露が確認された場合について、明確な手続き及び調査事項検討
-廃石綿鉱山事後影響調査の調査方法等、統一化のあり方検討及び指針により毎年滞りなくモニタリング並びに措置できるよう徹底した事後管理推進
3-③ 自然発生石綿分布地域のリスクコミュニケーション及びガバナンス構築
◇ 自然発生石綿地質図活用のあり方をまとめ実質的な安全管理推進
◇ 住民・専門家などが参加する地域石綿管理体系整備及び支援推進
□ 現況及び必要性
〇 石綿地質図を環境影響評価等に活用するよう自治体などに配布し、石綿管理総合情報網(2019年~)、環境空間情報サービス(2020年~)をとおして公開
-広域地質図の活用度を高めるため広域地質図改善事業(2016年)、全国自治体及び関連担当者説明会を施行後、配布し活用(2017年)
-住民説明会等で地域住民などの理解度を高め一般公開実施(2019年)
* 一部自治体は住民不安、特産物販路遮断などを憂慮し当初公開に反対したが、巡回説明会等をとおして公開同意
〇 自然発生石綿広域地質図等の公開による地質図活用のあり方及び持続的なリスク管理のあり方をまとめる必要
-自然発生石綿広域地質図を公開しても地図の存在を認知できない又は具体的な活用の仕方、リスク管理のあり方が不存在
-広域地質図等の活用度向上及び地域別活用のあり方検討の必要
□ 細部推進課題
〇 自然発生石綿の広域、精密地質図活用のあり方まとめ(2023年~、環境部)
-自治体・流域(地方)環境庁に地質図を配布し、石綿分布地域に対する開発事業の管理等に活用(継続)
* 広域地質図の活用度を高めるため自治体等の業務担当者教育推進
-地図の表現方式等の統一性確保と共に、既に作成された広域地質図についての統一性確保を併行推進
-精密地質図の公開前に地域別質疑応答の資料集配布、地域別説明会・専門家諮問及び懇談会等をとおしリスクコミュニケーション実施
-開発事業推進時に自然発生石綿分布の有無把握、事業敷地の正確な現況調査及び飛散管理に活用できるよう地質図活用案内書整備(2024年)
* 地質図上、開発地域に自然発生石綿が存在する場合、工事時に石綿による周辺影響低減及び管理可能なように活用度検討
〇 自然発生石綿分布地域の監理のあり方教育・広報(2025年~、環境部、自治体)
-飛散程度のリアルタイム把握のための飛散測定結果の情報網入力及び住民お知らせサービス体系構築の検討
-自然発生石綿分布地域別石綿の分布、飛散特性、行動要領及び管理のあり方について総合的な教育広報資料の制作等
〇 自然発生石綿管理のガバナンス体系構築(2025年~、環境部、自治体)
-地域別に地域住民・専門家(地質及び保健等)・専門機関・自治体が参加
-地域別特性を考慮した地域別管理計画をまとめ、各地域の管理の実効性を高めるためのあり方整備及び政府の支援のあり方検討
4. 石綿含有可能物質及び石綿含有製品の管理強化
4-① 石綿含有可能物質の死角地帯解消及び流通体系の管理強化
◇ 石綿含有可能物質の流通履歴管理、製品回収・検査等の管理強化
◇ 石綿含有可能物質管理の死角地帯(緑泥石、水滑石等)実態把握・管理強化
□ 現況及び必要性
〇 石綿を含有する天然鉱物質を石綿含有可能物質と指定・告示(滑石、蛭石、蛇紋石、海泡石)し管理体系整備(2012年4月、環境部)
* 「産業安全保健法」による石綿又は石綿含有製品についての管理だけでは、石綿の非意図的(不純物として)含有鉱物質についての管理の限界
-石綿含有可能物質を原料形態で輸入・生産時には、流域(地方)環境庁の事前承認(石綿含有1%超過は使用不可)後に流通
-ただし、研究等の目的で少量輸入・生産される石綿含有可能物質についての例外規定の不存在により、研究機関等に負担として作用し、要請が引き続き提起される
〇 石綿含有可能物質と類似のHSK*コードを使用した不法輸入と焼タルクなど一部死角地帯への管理のあり方をまとめる必要
* 輸出入品目分類符号、Harmonized Commodity Description and Coding System of Korea
-併せて、体系的な石綿含有可能物質輸入管理のための関連機関別情報連携管理のあり方をまとめる必要
□ 細部推進課題
〇 石綿含有可能物質含有製品の流通管理強化(2023年~、環境部)
-石綿含有可能物質を加工・変型する事業場の年間流通量調査*等、履歴管理推進(2023年~)
* 製品形態、製品名、流通所、流通量及び石綿含有量、所管部署等
-市場に流通中の石綿含有可能物質使用製品について回収・検査推進
〇 少量(例:1トン未満*)石綿含有可能物質の輸入承認手続き整備(2023年、環境部)
-研究及び測定目的の少量(例:1トン未満)石綿含有可能物質について輸入承認手続き整備の必要性検討
* 具体的な範囲は追って決定(関係機関、専門化協議等)
〇 緑泥石、水滑石など管理死角地帯の石綿含有可能物質について実態把握及び管理強化(2023年~、環境部)
-石綿含有可能物質と類似のHSKコードを活用した輸入*に備えた死角地帯の掘り起こし及び点検強化
* 石綿分析義務がある蛭石のHSKコードの代わりに、通関可能性がありながら石綿分析義務がない緑泥石HSKコードを記入し輸入する場合等
-石綿含有可能物質輸入時、記載可能なHSKコードの死角地帯を引き続き掘り起こし、取締り強化
〇 石綿含有可能物質管理情報の統合推進(2023年~、環境部、関係部署)
-石綿含有可能物質の効率的な管理のため関税庁など情報共有強化のあり方まとめる
4-② 石綿含有造形石についての管理体系強化
◇ 石綿含有岩石の流通実態及び管理体系整備により管理の死角地帯除去
□ 現況及び必要性
〇 石綿含有造形石は、採掘、積載、運送、研磨・加工などの課程で粉じんを発生させ、土壌及び大気汚染、石綿疾患等の誘発が可能
〇 石綿含有造形石の流通とこれによる石綿曝露の論難が持続して提起される
-(2010年)石綿含有岩石がソウル牛耳川などの河川で堤防、石垣に活用され大気中の飛散モニタリング等の措置
-(2020年)石綿含有岩石が安養川、貞陵川、道林川などで堤防・石垣に使用され、石綿調査及び回収等の措置
* 未回収の石綿含有岩石は、ソウル市が周期的なモニタリング(2012年~現在)
-(2021年)仁川地域のマンション造形石から石綿が検出され、延寿区内のマンション造形石の全数調査及び回収措置
〇造形石など石綿含有岩石等への規定が曖昧で、調査・分析及び流通管理体系が定立されておらず、規定整備及び管理マニュアルの整備が必用
□ 細部推進課題
〇石綿含有造形石の使用管理実態調査(2024~2025年、環境部、関係部署)
-自然発生石綿地質図(広域、精密)と採石場等の情報を連動し、石綿含有可能造形石分布予想採石場の現況把握(2024年)
-採石場造形石、骨材等の石綿含有可能岩石の流通実態調査及び石綿含有造形石の管理のあり方*検討(2025年)
* 設置時期・流通形態別管理のあり方、濃度・風化段階別飛散防止ガイドラインの整備等
〇石綿含有造形石の事前予防的管理のあり方まとめ及び施行(2023年~、環境部)
-石綿含有造形石(岩石)の自己検査及び結果提出義務などを含む流通事前遮断体系及びマニュアル整備
〇学校石綿含有造形石の管理のあり方まとめ及び推進(2023年~、環境部、教育部)
-学校所在の石綿含有造形石の使用及び流通実態調査(2023年)
-教育部、地方教育庁と協議し、学校石綿含有造形石の管理のあり方検討推進
4-③ 石綿含有製品の管理体系再定立
◇ 部署間の管理範囲明確化及び規定整備により死角地帯防止
◇ ブレーキパッド等の石綿含有可能性のある製品についてはモニタリングを持続
□ 現況及び必要性
〇石綿及び石綿含有製品(石綿重量比1%超過)の使用等は、全面禁止(「石綿安全管理法」、「化学物質登録評価法」、「産業安全保健法」及び関連告示等)
* 1997年青石綿・茶石綿、2003年アクチノライト・アンソフィライト・トレモライト、2006年白石綿
* 2007年石綿セメント製品と自動車用石綿摩擦製品、2009年国防用など一部除外の全製品、2015年以後、石綿重量1%超過製品の全面禁止
〇 しかし、石綿使用が許された国から輸入品に石綿含有の可能性があり、石綿含有製品流通の死角地帯確認の必要
-また、各法令別石綿禁止規定の混在により、現場の混乱の 恐れがあり、部署協力をとおした規定整備及び石綿製品流通遮断網の構築必要
□ 細部推進課題
〇 石綿使用・禁止関連管理体系の整備(2023年~、環境部、雇用部、食薬処)
-現行の各法令別石綿*及び石綿含有製品の管理体系分析及び改善のあり方をまとめる研究推進(2023年、環境部)
* 「石綿安全管理法」、「産業安全保健法」、「化学物質登録及び評価に関留守法律(化評法)」など
-関係部署と協議し、石綿含有製品関連の管理範囲具体化及び石綿関連用語の統一*など規定の整備(2024年~、環境部、雇用部、食薬処等)
* 滑石/タルク、トレモライトなど
〇 石綿含有の恐れのある製品について持続的なモニタリング(2023年~、環境部、雇用部等)
-過去、石綿が使用された製品群(ブレーキパッド、石綿含有ガスケット等)については周期的な回収検査推進(環境部、雇用部、食薬処)
-石綿使用が許された国から輸入される石綿含有製品について、通関検査等のモニタリングを引き続き強化(環境部、雇用部、食薬処、関税庁協業)
5. 石綿安全管理の基盤整備及び科学的調査
5-① 石綿安全定期実態調査推進
◇ 石綿含有製品、石綿建築物等、分野別提起実態調査を実施し、体系的な石綿管理基盤構築
□ 現況及び必要性
〇「石綿安全管理法」による法令履行の現況把握をとおした国民健康の保護強化及び関連計画の樹立・推進のため徹底した実態調査必要
-石綿や石綿含有製品の利用・管理、自然発生石綿の分布地域管理、建築物及び石綿解体除去事業場の石綿及び周辺環境管理、等
-3年毎の定期調査と随時調査実施後、調査結果の公開
〇この間、石綿管理分野別に必要により随時に実態調査を行ってきたが、定期調査計画による体系的な調査不十分
-今後、含有疑いの製品、曝露の恐れの事業場、石綿死角地帯など、石綿曝露予防のため体系的で総合的な定期実態調査の遂行必要
□ 細部推進課題
〇 石綿関連定期実態調査推進計画の樹立検討(2023年、環境部)
-法令履行の現況把握及び体系的な政策整備・支援のため石綿含有製品管理分野、範囲、優先順位等、中長期調査計画の樹立検討
* オートバイのブレーキパッド、造形石など石綿含有製品の回収・調査、石綿調査未対象建築物の石綿使用有無及び管理実態調査、等
-学界・専門家・利害関係者参加の懇談会(フォーラム)等の構成・運営により多様な意見を収斂及び綿密な調査計画樹立
〇 分野別石綿定期実態調査推進(2023年~、環境部)
-オートバイのブレーキパッド等、石綿曝露が憂慮される石綿含有憂慮製品についての実態調査の優先推進(2023年)
-今後、定期調査推進計画により分野別、優先順位別実態調査及び調査結果の公開推進
5-② 石綿関連の専門機関・人材養成及び技術開発
◇ 石綿関連の専門人材及び石綿環境センターの力量強化
◇ 類型別特性情報構築等、既存研究の活性化で科学的石綿管理基盤構築
□ 現況及び必要性
〇 「石綿安全管理法」により石綿環境センター(第33条)、石綿解体作業監理人教育機関(第30条)、石綿建築物安全管理者教育機関(第24条)等を運営
-「産業安全保健法」では、石綿調査機関及び石綿解体除去業従事人材の教育に関する規定(雇用労働部告示第2015-40号)
〇 この間の取り組みで、石綿関連専門機関及び人材についての需要は充足したが、石綿業務遂行ついての専門性及び信頼性は期待に及ばず
-専門の石綿機関である環境部指定の石綿環境センターの能力活用が不十分なので、石綿環境センターの活用及び専門性高度化のあり方をまとめる必要
-管理人の教材改編及び教育機関教材の統合で監理人教育を強化し、監理人登録・評価制を実施して管理人の専門性は確保
〇 海外の石綿分析傾向検討及び石綿基礎研究の活性化必要
* 多様な曝露環境での石綿分析・測定方法の精密化及び分析人材の能力向上等
□ 細部推進課題
〇環境部指定石綿環境センターの力量強化のあり方をまとめる(2023~2024年、環境部)
-廃石綿の安全で経済的な処理等のための調査・研究、技術開発及び石綿の管理・処理等と関連した事業推進検討
-効果的な自然発生石綿影響調査の進行のための石綿環境センター*業務分担のあり方をまとめる(2023年~、環境部)
* 「石綿安全管理法」施行令第19条による自然発生石綿影響調査機関
-石綿環境センターの評価結果、分析能力の不備など石綿環境センター運営力量が足りない時、業務停止処分等の管理規定補完
〇 石綿関連専門人材の養成(2023年~、環境部、関係部署)
-監理等、石綿業務の専門性向上のため、監理人、石綿調査及び分析専門家、学校石綿モニター団専門化など人材プールの整備及び活用のあり方検討
-専門的セミナー、カンファランス、ワークショップなどの開催をとおした専門的な情報共有及び先制的改善対策をまとめるための専門委員会の構成
-採取試料の性状(固形試料/土壌・製品、大気試料、活動根拠試料)及び分析機器別の分析方法教育プログラム整備等、分析力量の強化(環境部)
〇 基礎石綿研究の活性化(2023年~、環境部)
-国内主要自然発生石綿分布地域の石綿種類、発生特性等の基礎特性情報の構築(環境部)
-固形石綿含量基準強化基礎研究、製品内石綿分析モニタリング技術開発の推進(環境部)
-石綿飛散防止又は固着化等の石綿建築資材管理の技術開発検討(環境部)
5-③ 石綿管理総合情報網の機能改善及び意思疎通の強化
◇ 使用者中心の情報網活用の便宜性向上、SNS等活用し広報の積極的推進
◇ 関係部署の情報管理システムとの連携をとおした機能改善
□ 現況及び必要性
〇2011年から石綿管理情報の統合管理を目的に「石綿管理総合情報網(https://asbestos.me.go.kr)」を構築及び運営
-建築物石綿調査結果、安全管理者情報、石綿建築物管理台帳*、監理人登録・指定現況など、自治体等の石綿関連業務に活用
* 管理台帳記録方式が既存は手書き作成、石綿管理総合情報網入力中
選択する方式から石綿管理総合情報網入力へ一元化(2022年)
-また、国民の知る権利保障のため、石綿解体・除去事業場現況及び石綿飛散程度測定結果など、石綿関連情報を総合的に提供
* 石綿広域地質図を情報網に公開しているが、一般国民の活用度は低い
〇 石綿解体事業場及び建築物管理等、情報に対する国民の公開要求とコミュニケーション強化の必要性は持続的に増加
-再開発・再建築現場など大規模石綿解体事業場の石綿調査結果の未公開による事業者、住民間の対立、石綿建築物管理の不信等
-国民の石綿についての理解不足により石綿管理の適正性に対する誤解及び漠然とした不安蔓延
* 石綿調査規模未満の小規模施設への診断及びコンサルティング拡大要求
〇 石綿解体作業届出情報は雇用労働部の「労使ヌリ」へ、学校石綿建築物情報は教育部「ナイス」へ登録されており、情報の連携不十分
-「労使ヌリ」へ届出された石綿解体作業の届出内容のリアルタイム連携(自治体)及び「ナイス」にアップロードされる学校石綿建築物情報の連携必要
□ 細部推進課題
〇 石綿管理総合情報網の機能拡大及び活用の便宜性を高める(2023年~、環境部)
-PC及びモバイルUI改善をとおした自治体担当者、国民の石綿管理総合情報網活用環境の改善
-石綿建築物関連ビックデータ*分析をとおした石綿管理政策推進方向をまとめる
* 石綿建築物リスク評価結果、石綿濃度測定結果、トレンド分析など
-石綿建築物管理台帳の石綿管理総合情報網アップロード方法のマニュアルを制作し、石綿建築物所有者、安全管理者の管理台帳作成を支援
-自治体担当者対象の石綿管理総合情報網の活用教育を持続的に推進
〇 石綿管理総合情報網内の石綿含有可能物質情報の統一化及び活用のあり方まとめ(2024年、環境部、関税庁)
-石綿含有可能物質の通関関連総合情報網内の石綿環境センター入力資料、関税庁の入力資料間の不一致項目について統一化及び活用のあり方まとめ
〇 関連機関の情報通信網の連携をとおした事業場情報及び管理台帳管理の効率性を高める(2023年~、環境部、雇用部、教育部)
-「石綿管理総合情報網(環境部)」-「労使ヌリ(雇用部)」のリアルタイム連携をとおした自治体業務効率の増進及び作業情報のリアルタイム公開
-「ナイス(教育部、教育行政情報システム)」と連携し、学校石綿建築物情報、管理台帳の連携
〇 石綿関連説明会開催、大衆媒体・SNSなどを活用した石綿情報公開及び広報推進(2023年~、環境部、関係部署)
-石綿建築物についての細部情報を石綿総合情報網をとおし公開、石綿教育教材、広報物及び動画制作・配布
-自然発生石綿管理地域、高濃度分布地域、石綿被害健康影響調査結果多数の患者分布地域などリスク管理が重要な地域を対象に、リスク低減のあり方を進め、並行して安全管理説明会などコミュニケーションを強化
安全センター情報2024年7月号