「この危機は防げた」:ネリー・カーショウの死から100年, Tameside Reporter, UK. 2024.3.14

アスベストは、1999年にようやくイギリスで禁止されたが、アスベスト粉じんに曝露した人々は数十年後に病気になるのが一般的だ。アスベスト疾患はいまもなおイギリスで毎年5千人以上の人々を殺している。

アスベストの危険性は、最終的に禁止されるまで何十年も前から知られていた。ネリー・カーショウは1891年生まれで、ロッチデールのターナー&ニューオール社のアスベスト工場で働いていたときに病気になった。1924年3月14日、32~33歳で亡くなった。

ネリーのケースは、医学文献に報告された最初の石綿肺による死亡例であり、彼女のケースは当時、新聞や英国医学雑誌で広く報じられた。ネリーの死にもかかわらず、アスベスト産業は繁栄した。

1924年、ターナー&ニューオールは5,000人の労働者を雇用していた。1970年までには世界中で36,775人を雇用し、ロッチデール、ヒンドリー・グリーン、トラフォード・パーク、チャペル=アン=ル=フリスに主要拠点を誇っていた。1957年以降、ターナー&ニューオールは、石綿肺研究評議会(ARC)を通じて、ケープや他のアスベスト製造業者と協力した。

1966年以降、ARCはイギリス政府に対し、より緩やかな規制を支持し、「粉じん禁止政策」の提案に反対するよう働きかけ、成功を収めた。当時、より厳しい規制が導入されていれば、アスベストの使用禁止はもっと早く実現できたはずだ。

1999年の禁止以前に建てられた建物には、アスベストが含まれている。これらの材料が劣化したり、攪乱されたりすると、その建物に住み、働いている人々が、アスベスト関連の末期がんである中皮腫を発症するリスクにさらされることが懸念されている。

中皮腫による死亡は今後何十年も続くだろう。アスベスト被害者たちは、現在アルトラッドが所有する旧アスベストメーカー、ケープ社に中皮腫研究に1,000万ポンドを寄付させるキャンペーンを続けている。ターナー&ニューオール社はすでに存在しないため、寄付を求めることができない。[中略]
追悼行事は、明日午後マンチェスターのスティーブンソンズ・スクエア、及び午後ロッチデール・メモリアル・ガーデンで行われる。

https://www.questmedianetwork.co.uk/news/tameside-reporter/this-crisis-could-have-been-prevented-100-years-since-nellie-kershaws-death/

安全センター情報2024年5月号