事業主の安全管理不備で亡くなった労働者が598人

ゲッティイメージバンク

昨年、職場で仕事中に、事業主の産業安全保健法違反などのせいで各種の事故に遭い、亡くなった労働者は598人だった。600人台だった一年前に比べて7.1%減り、初の500人台になった。それでも依然として多くの労働者が安全でない職場の事故で亡くなったわけだ。

雇用労働部が7日に発表した『2023年災害調査対象死亡事故発生現況』によれば、昨年に職場で仕事中に事故で亡くなった労働者は598人であることが判った。これは2022年の644人に比べて7.1%減った数値だ。災害調査対象の事故死亡者統計は、職場で労働者が死亡した時、労働部が事故を調査した後、事業主の産業安全保健法の安全保健措置義務違反行為などが明確に確認された事故だけを計算した数値だ。出・退勤する途中に交通事故で労働者が亡くなった場合、業務との関連性を調査して労働災害として承認されるケースなどまで含む労災承認統計とは範疇が異なる。

今年1月27日から重大災害法が適用された50人未満の事業場の、昨年の事故死亡者は前年より34人(8.8%)減り、50人以上の事業所では12人(4.7%)減少したことが判った。業種別に見れば、製造業の50人未満の事業場では死亡者が14人増え、50億ウォン以上の事業場では15人が減った。一方、建設業では請負額50億ウォン未満の工事現場での死亡者が45人減り、50億ウォン以上の工事現場では7人増えた。

労働部のチェ・テホ労災予防監督政策官は、死亡労働者数全体が減った背景について「全般的な景気条件、重大災害削減ロードマップの推進効果、労災予防予算の持続的拡大など、多様な要因が影響を与えたと見られる」と説明した。昨年、建設分野で着工件数が24.4%減り、製造業の稼働率が4.5%減るなど、景気低迷が影響を与えたのだろうという説明だ。

しかし労働界からは、労働部が我田引水的に数値を誤って解釈しているという批判が出ている。民主労総はこの日声明を出し「建設の着工数が24%減ったのに、建設業での死亡事故の減少は11%に止まり、死亡事故はむしろ増えた。」「重大災害法の施行で、安全投資、人材拡充など、災害予防の基盤は構築されているが、事故死亡の実質な縮小に繋がっていない」と指摘した。

江原大法学専門大学院のチョン・ヒョンベ教授は、ハンギョレとの対話で「人口規模と産業構造などを詳しく見れば、日本の水準であれば、死亡者は500人まで減るべきだ」とし、「政府の政策が未だ産業現場にまで届いていない結果と見るべきだ」と話した。

2024年3月7日 ハンギョレ新聞 チョン・ジョンフィ記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1131318.html