【特集 アジア・ネットワーク】裁判所はダウ刑事責任訴訟の審理を進める~The Times of India, 2023.10.7
ボパール:一級司法判事(JMFC)Vidhan Maheshwariの法廷は金曜日[2023年10月6日]、2004年にBhopal Group of Information & Action (BGIA[ボパール情報&行動グループ])が2001年に、ユニオン・カーバイド[UCC]社を買収したダウ・ケミカル社を、世界最悪の産業災害と言われる1984年ボパール・ガス災害に対する民事及び刑事責任の当事者とすることを求めて起こした申請の審理を進めることを決定した。
ダウ・ケミカル社側の弁護士が提出した、アメリカを拠点とする企業に対する訴訟の審理を進めるボパール裁判所の管轄権を疑問視するメモに言及した裁判官は、簡潔な命令のなかで、このメモは本件に関する彼らの主張の一部となりうるものであり、本件に関する彼らの主張の広がり/範囲を決めるのは彼らであると述べた。
これにより裁判所は、両当事者-ダウ・ケミカル社とBGIA-に対して、2004年6月15日に裁判所に提出された申請書と、その後の2005年1月6日の裁判所命令に対する書面の提出するよう指示し、同社にBGIAの申請に対する同社の立場を説明するよう召喚状を発し、2023年11月25日に書面陳述/弁論を行うための審理を行うことを決定した。
アメリカの化学大手ダウ・ケミカル社の弁護士は、BGIAの申請に対して裁判所から出された7回目の召喚状に対し、18年ぶりにVidhan Mishraの法廷に出廷した[2023年10月3日]。
この申請は、UCC社と同社の元会長ウォーレン・アンダーソンが審理のために法廷に出廷せず、1992年にボパールの裁判所から「逃亡者」と宣告されて、裁判所の命令によってインド国内の財産が差し押さえられたことを知りながら、ダウはUCCを買収したと主張した。同社はIPC212条により逃亡者を匿った責任がある、とNGOの請願書は主張している。
2005年に裁判所はダウ・ケミカル社に最初の召喚状を出したが、1か月後にマディヤ・プラデーシュ州高等裁判所がそれを停止した。この停止は2012年に取り消され、高裁はボパール裁判所がダウ・ケミカル社を召喚することを認めた。
ボパール・ガス事故の刑事訴訟はその時点で解決済みであったが、ダウ・ケミカル社を当事者とすることを求めるこの申請があった。その後、裁判所はさらに6通の召喚状を発行し、最後の1通はアメリカ司法省を通じて同社に届けられた。
同社の法定代理人Ami Wilsomに代わって、上級弁護士Ravindra Shrivastavaが火曜日[2023年10月3日]に一級司法判事(JMFC)Vidhan Maheshwariの法廷に出廷して、本件を調査し、「ボパールの裁判所が同社に召喚状を発行し、本件をさらに進める管轄権を有するかどうか解明する」ためにさらなる時間を求めた。彼は、同社を代表して裁判所に出廷したのは「部分的出席」であると述べた。
彼は同社を代表して1枚のメモを提出し、ボパールの裁判所は米国に本社を置く同社を管轄していないと述べた。
しかし、オンラインで出廷したBGIAの弁護士AV Singhは、刑事法学上、「部分出廷」などあり得ないと主張した。
もし同社がボパール裁判所の召喚状に対して異議を申し立てず、委任された代理人が直接出頭しないのであれば、裁判所は保釈令状を発出し、及び/または、ダウ・ケミカル社不在のまま審理を進めることができる、とSinghは主張した。
安全センター情報2023年12月号