最近の厚生労働省発表【2023年12月】

■「令和5年版過労死等防止対策白書」を公表します~睡眠と疲労、うつ傾向及び主観的幸福感などの関係について調査分析~2023年10月13日

政府は、本日、過労死等防止対策推進法に基づき、「令和4年度我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況」(令和5年版過労死等防止対策白書)を閣議決定しました。

「過労死等防止対策白書」は、過労死等防止対策推進法の第6条に基づき、国会に毎年報告を行う年次報告書です。8回目となる今回の白書の主な内容は以下のとおりです。

厚生労働省では、「過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会」の実現に向け、引き続き過労死等防止対策に取り組んでいきます。

※「過労死等」とは
(1) 業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡
(2) 業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡
(3) 死亡には至らないが、これらの脳血管疾患・心臓疾患、精神障害

「令和5年版過労死等防止対策白書」の主な内容

  1. 「過労死等の防止のための対策に関する大綱(令和3年7月30日閣議決定)」に基づく調査分析として、睡眠の不足感が大きいと疲労の持ちこし頻度が高くなり、うつ傾向・不安を悪化させ、主観的幸福感も低くなる傾向があること、芸術・芸能分野における働き方の実態、メディア業界や教職員の労災事案の分析結果等について報告。
  2. 長時間労働の削減やメンタルヘルス対策、国民に対する啓発、民間団体の活動に対する支援など、令和4年度の取組を中心とした労働行政機関等の施策の状況について詳細に報告。
  3. 企業や自治体における長時間労働を削減する働き方改革事例やメンタルヘルス対策、産業医の視点による過重労働防止の課題など、過労死等防止対策のための取組事例をコラムとして紹介。
    なお、「過労死等防止対策白書」は、厚生労働省ホームページの下記URLからダウンロードできます。
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35671.html

■11月は「過労死等防止啓発月間」です~過労死等防止対策推進シンポジウムや過重労働解消キャンペーンなどを実施~2023年10月10日

厚生労働省では、11月を「過労死等防止啓発月間」と定め、過労死等をなくすためにシンポジウムやキャンペーンなどの取組を行います。この月間は、「過労死等防止対策推進法」に基づくもので、過労死等を防止することの重要性について国民の自覚を促し、関心と理解を深めるため、毎年11月に実施しています。

月間中は、国民への周知・啓発を目的に、各都道府県において「過労死等防止対策推進シンポジウム」を行うほか、「過重労働解消キャンペーン」として、長時間労働の是正や賃金不払残業などの解消に向けた重点的な監督指導やセミナーの開催、一般の方からの労働に関する相談を無料で受け付ける「過重労働解消相談ダイヤル」などを行います。

【取組概要】

1 国民への周知・啓発

・ 「過労死等防止対策推進シンポジウム」の実施
47都道府県48会場(東京は2会場)でシンポジウムを開催します(無料でどなたでも参加できます。)。
また、講演や過労死遺族の体験談の動画配信も行います。
 [参加申込方法] 事前に下記ホームページからお申込みください。
https://www.p-unique.co.jp/karoushiboushisympo/

・ ポスターの掲示などによる国民に向けた周知・啓発の実施
国民一人ひとりが自身にも関わることとして、過労死等とその防止に対する関心と理解を深められるよう、ポスターの掲示やパンフレット・リーフレットの配布、インターネット広告など多様な媒体を活用した周知・啓発を行います。

2 過重労働解消キャンペーン(詳細は別紙や下記の特設ページを参照ください。)

過労死等につながる過重労働などへの対応として、長時間労働の是正や賃金不払残業などの解消に向けた重点的な監督指導や、全国一斉の無料電話相談「過重労働解消相談ダイヤル」などを行います。

 [過重労働解消キャンペーン特設ページ]
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/roudoukijun/campaign_00004.html

「過重労働解消キャンペーン」概要

1 労使の主体的な取組を促します

過重労働解消キャンペーンの実施に先立ち、使用者団体や労働組合に対し、厚生労働大臣名による協力要請を行います。

2 労働局長によるベストプラクティス企業との意見交換を実施します

都道府県労働局長が管内企業の経営トップとの意見交換により、長時間労働削減に向けた積極的な取組事例を収集・紹介します。

3 重点監督を実施します

長時間労働が行われていると考えられる事業場等に対して重点的な監督指導を行います。

4 過重労働相談受付集中期間を設定します

11月1日(水)から11月7日(火)を過重労働相談受付集中期間とし、都道府県労働局及び労働基準監督署において、過重労働に係る相談と労働基準関係法令違反が疑われる事業場の情報を積極的に受け付けます。
また、労働条件相談ほっとラインでも、平日17:00~22:00、土日祝日9:00~21:00に相談をお受けします。
※11月4日(土)、5日(日)は、労働条件相談ほっとラインのみの受付となります。

5 特別労働相談を実施します

11月3日(金・祝日)に下記相談窓口にて電話による特別労働相談を実施します。
(1) 過重労働解消相談ダイヤル
[電話番号]:0120(794)713(フリーダイヤルなくしましょう長い残業)
令和5年11月3日(金・祝日)9:00~17:00
※労働基準監督官が相談に対応します。
(2) 労働条件相談ほっとライン【委託事業】
[電話番号]:0120(811)610(フリーダイヤルはい!労働)
令和5年11月3日(金・祝日)9:00~21:00

6 過重労働解消のためのセミナーを開催します

企業における自主的な過重労働防止対策を推進することを目的として、10月~1月に、オンライン又は会場開催により、「過重労働解消のためのセミナー」(委託事業)を実施します。
(無料でどなたでも参加できます。)
 [専用ホームページ]
https://kajyu-kaisyou-zenkiren.com/
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35661.html

■リスクアセスメント対象物健康診断に関するガイドラインの策定について~2023年10月17日

事業者による自律的な化学物質管理の一環として、労働安全衛生規則の改正により、令和6年4月1日から、

(1) リスクアセスメント対象物を製造し、又は取り扱う業務に常時従事する労働者に対し、リスクアセスメントの結果に基づき、関係労働者の意見を聴き、必要があると認めるときは、医師又は歯科医師が必要と認める項目について、医師等による健康診断を行い、その結果に基づき必要な措置を講じなければならないこと、

(2) リスクアセスメント対象物のうち、一定程度のばく露に抑えることにより、労働者に健康障害を生ずるおそれがない物として厚生労働大臣が定めるものを製造し、又は取り扱う業務に従事する労働者が、厚生労働大臣が定める濃度の基準を超えてリスクアセスメント対象物にばく露したおそれがあるときは、速やかに、医師等が必要と認める項目について、医師等による健康診断を行い、その結果に基づき必要な措置を講じなければならないこと
が事業者に義務付けられることになっています。

事業者、労働者、産業医、健康診断実施機関及び健康診断の実施に関わる医師等にこれらの健康診断の趣旨・目的を正しく理解いただき、その適切な実施が図られるよう、基本的な考え方及び留意すべき事項を示した「リスクアセスメント対象物健康診断に関するガイドライン」を別添[省略]のとおり策定しました。厚生労働省では、今後、本ガイドラインの周知等を行ってまいります。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35778.html

■「新しい時代の働き方に関する研究会」の報告書を公表します~2023年10月20日

新型コロナウイルス感染症等の影響による生活様式の変化など、働く人の働き方に対する意識等が個別・多様化している背景を踏まえ、働き方や職業キャリアに関するニーズ等を把握しつつ、新しい時代を見据えた労働基準関係法制度の課題を整理することを目的として、厚生労働省の「新しい時代の働き方に関する研究会」(座長:今野浩一郎学習院大学名誉教授・学習院さくらアカデミー長)において検討が行われてきたところですが、本日、研究会の報告書がとりまとめられましたので、公表いたします。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35850.html

■石綿対策に係る全国一斉パトロールを実施します~2023年9月29日

厚生労働省は、国土交通省、環境省と合同で、石綿対策に係る全国一斉パトロールを令和5年10月頃~11月頃まで実施します。

今後、石綿含有建材を使用する建築物等の解体工事等が増加することが想定される中、令和5年10月1日から、建築物および船舶(鋼製の船舶に限る)の石綿含有の事前調査については、厚生労働大臣が定める資格者が行うことが義務付けられます。解体工事に伴う石綿等の粉じんの発散の防止など、これまで以上に現場における法令の遵守徹底が重要になっています。

このため、厚生労働省では、石綿対策に係る全国一斉パトロールを実施し、労働者への石綿等のばく露防止対策の徹底や再生砕石への石綿含有産業廃棄物の混入防止の徹底について国土交通省、環境省と連携し、現場指導や監視の徹底を図ります。

【概要】

  1. 実施期間 令和5年10月頃~11月頃まで
    ※上記は概ねの期間であり、都道府県・市区町村により実施期間は異なります。
  2. 実施機関各都道府県労働局の労働基準監督署が、各都道府県および特定行政庁の建設リサイクル法担当部局および環境部局と合同で実施
  3. 実施内容
    【労働基準監督署】労働安全衛生法、石綿障害予防規則の遵守状況の確認及び周知徹底
    【建設リサイクル法担当部局】建設リサイクル法の遵守状況の確認及び周知徹底
    【環境部局】廃棄物処理法、大気汚染防止法及びフロン排出抑制法の遵守状況の確認及び周知徹底
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35474.html