国民の7割「50人未満事業場への重大災害処罰法猶予はダメ」 2023年12月19日 韓国の労災・安全衛生
国民の10人の内7人は、50人未満の事業場にも「重大災害処罰などに関する法律」(重大災害処罰法)を、来年から適用すべきだとしているという調査結果が出た。政府・与党が50人未満の事業場への適用猶予を更に二年延長するという方案を推進している状況で、国民世論はこれに反対する意見が多いということが確認された。
10人中8人は、重大災害処罰法は『労災予防に役立つ』
民主労総が、全国の18歳以上の成人1007人に行った重大災害処罰法の効果と50人未満事業場への法適用に関するアンケート調査の結果を発表した。
調査の結果、回答者の71.3%は「50人未満の事業場に来年から重大災害処罰法を適用すべきだ」と答えた。「50人未満の事業場の経営危機を考慮して更に二年猶予すべきだ」と答えたのは27.4%だった。
50人未満の事業場で発生する重大災害を防ぐために必要な政府の政策としては、「中小事業場の労働環境改善への支援」が36%で最も多かった。「政府の財政支援の拡大」(27.4%)、「政府の監督の強化」(17.9%)、「安全担当要員の拡大と法制度の改善」(16.7%)の順だった。
重大災害処罰法の効果についても、国民の大多数が肯定的に認識していることが判った。回答者の79.4%は「重大災害処罰法は労災予防に役立つ」と答えた。「とても役に立つ」が27.4%で、「役に立つ方だ」が52.1%だった。
民主労総は「政府と経営界が主張する重大災害処罰法の実効性への非難に国民は同意せず、むしろ労災予防に役立つと考えていることが確認された。」「短期的な労災死亡者の数で法の有効性を云々し、50人未満の事業場への適用猶予延長といった改悪推進を中断すべきだ」と指摘した。
共に民主党は与党との条件付き論議を中止せよ
「共に民主党」の、条件付きで適用猶予を議論する立場にも批判の声が強い。この日の記者会見で、故イ・ハンビッPDの父親のイ・ヨングァンさんは「政府・与党が間違っていればそれを正し、牽制すべき野党第一党の民主党の指導部は、何をしているのか。」「今さら何を謝り、既に完了していなければならない対策を、今になってやり直せといった条件は、話にもならない」と批判した。民主党は、政府の公式謝罪を含め、二年後に必ず施行し、今後二年間の具体的な支援策の樹立を、交渉の前提条件として掲げ、与・野党は、2+2協議体で重大災害処罰法の適用猶予を協議している。
イ・ヨングァンさんは「法制定当時でも5人未満の事業場を除外しようという『国民の力』に引き摺られたが、今回も引き摺ろうとしている。」「民主党の議員の主導で制定した法は、民主党が責任を持って守らなければならない」と強調した。
記者会見に参加した正義党のイ・ウンジュ議員も「50人未満の事業場に重大災害処罰法を直ちに適用するにしても、この三年間で準備をしてきたので、多くの費用が(追加で)必要にはならない。」「50人未満の事業場への適用猶予ではなく、5人未満の事業場まで拡大するための努力が必要だ」と話した。
2023年12月19日 毎日労働ニュース オ・ゴウン記者
https://www.labortoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=218881