『週一回・三カ月以上』続かなければ・・・・いじめは認められない 2023年11月24日 韓国の労災・安全衛生

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雇用労働部が最近二年間に職場内いじめ関連の委託研究を二回発注するなど、制度改編を進めている。委託研究報告書はいじめの判断基準として、持続性・反復性の要件を新設すべきだと提案する。労働界は『虚偽申告』を防ぐという名目でいじめの認定に厳格な物差しを突きつけば、被害者が「我慢して耐えなければならない」期間が延びるおそれがあると憂慮する。いじめに関する社会的な感受性が高まっている流れに冷水を浴びせることにもなると憂慮している。

共に民主党のユン・ゴンヨン議員が23日、労働部から受け取った『職場内いじめ紛争解決方案研究』報告書は、「主観的な解釈に依存する現行の職場内いじめの定義を、持続性・反復性など、客観的な基準が反映されるように改正するべきだ」と提案した。客観的な基準がなく、虚偽申告などの混乱が発生し、虚偽申告者の内の多数が補償を先に要求するなど、悪用の可能性があるという理由だ。韓国職業能力研究院は三月に、この委託研究報告書を労働部に提出した。

職場内いじめ禁止を規定した勤労基準法改正案は2019年7月16日に施行された。勤基法は職場内いじめを「職場での地位または関係などの優位を利用して、業務上の適正範囲を越えて、他の勤労者に身体的・精神的苦痛を与えたり、勤務環境を悪化させる行為」と定義している。

報告書では「一回性でもいじめと認められる行為」と「持続・反復されていじめと認められる行為」を区分した。前者は、暴力、暴言、セクハラ、部署移動と退社強要、不適切な疑いや濡れ衣、侮辱的な言動、不当懲戒などだ。後者は、業務能力・成果不認定と嘲弄、昇進・報酬差別、困難で敬遠する業務の集中的な割当、主要な意思決定からの排除、休暇や福祉恩恵を使えないように圧力、仕事をしたり休息する様子の過度な監視、会食参加の強要などだ。

報告書によれば、持続・反復されなければいじめと認められない行為は、「三ヶ月以上持続し、平均的に週一回以上反復」という要件が付く。但し、持続期間が三ヶ月より多少短くても13件以上の記録があれば、いじめと認められる。持続期間が三ヶ月を越えれば、状況に応じて反復性の基準を一部緩和(月2~3回)する方案も提示された。報告書では、虚偽申告に対しては「客観的基準を土台に、いじめと見難い行為を反復的に申告するなど、明確な故意性が確認される場合、制裁を考慮すべきである」と明らかにした。

労働部は4月に、労働法理論実務学会に「職場内いじめ禁止制度改善方案研究」も依頼した。イ・ジョンシク労働部長官は、青年労働者懇談会で「職場内いじめに対する法上の判断基準の補完、労働委員会の調整・仲裁、判断手続きの導入など、多様な意見があるので、実効性のある制度改善を推進する」と話した。

労働界はイ・ジョンシク長官が言及した「法上の判断基準補完」が、委託研究報告書の提案通りに進められれば、いじめの認定が極端に難しくなると憂慮する。職場の甲質119は「週一回以上のいじめに遭えば、一ヶ月も耐えられずに会社を辞めることもあるが、数ヶ月を我慢して耐えなければいじめと認められないということか」と反問した。続けて「証拠不足でいじめの認定を受けられなかった事例が『虚偽申告』として集中されれば、会社員は申告を更に敬遠せざるをえない。いじめ被害者の10人に1人しか申告をしていないのが現実」と話した。

2023年11月24日 京郷新聞 キム・ジファン記者

https://www.khan.co.kr/national/labor/article/202311240600005