裁判所「高血圧を理由に業務関連性を否定するのはダメ」 2023年10月20日 韓国の労災・安全衛生

ハイト真露ビル/チョン・ギフン記者

「『高血圧』の基礎疾患があっても、業務との関連性を考慮する」という趣旨で雇用労働部の告示が改正されたにも拘わらず、これを反映しない勤労福祉公団の労災不承認判定は違法だという控訴審の判決が出た。高血圧があっても、業務が疾患の悪化や脳血管疾患の発病に影響を与えたかどうかを確認すべきだということだ。特に、改正告示は、高血圧の診断を受けたことのある労働者が、高血圧を管理せずに脳血管疾患が生じたと見た過去の告示の『反省的考慮』によって改正されたという点を指摘した。

ハイト真露労組の幹部、『リストラ』の影響で脳出血

<毎日労働ニュース>の取材によれば、ソウル高裁はハイト真露の労働者・Aさんが勤労福祉公団に提起した療養手当不承認処分取り消し訴訟で、一審を覆して原告勝訴とした。

Aさんは2008年1月に入社した後、2013年7月から総括支援チームに勤め、公共運輸労組貨物連帯本部ハイト真露支部の代議員になった。2017年3月29日に、支部の事務室で支部長と話し合っている時、胸の痛みを訴えた。診療の結果、『高血圧性足脳出血および四肢麻痺』と診断された。

公団はAさんの療養給付の申請を拒否した。Aさんは訴訟を起こしたが、2019年9月に最高裁で敗訴が確定した。Aさんは2020年3月に再び療養給付を申請したが、不承認となった。脳出血と業務の間に相当因果関係を認めるのは困難という理由だ。再審査請求まで棄却され、Aさんは2021年10月に二回目の訴訟を提起した。

公団、基礎疾患の高血圧を根拠に療養給付を不承認

ハイト真露が行った『希望退職』が脳出血の原因になった可能性もあった。Aさんは「ハイト真露が2017年3月頃に希望退職を施行して業務が増え、この過程で深刻なストレスを受けた。」「それでも公団は労働部告示の改正趣旨を正しく反映しなかった」と主張した。

Aさんが主張した改正告示は、2018年1月1日に施行された『脳血管疾患または心臓疾患および筋骨格系疾病の業務上疾病認定可否決定に必要な事項』である。過去の告示(2016年7月1日施行)が業務上の災害の認定に厳し過ぎたという反省的な考慮から改正された。業務上の負担の有無を判断する要素として『該当勤労者の健康状態』の部分を削除したのが核心だ。公団は「裁判所は、基礎疾患だけでは業務関連性を否認しない傾向にあり、これを告示に反映する必要があった」と説明した。

それでも公団は、Aさんの高血圧を主な根拠にして療養給付を不承認とした。一審は公団の判定を受け容れた。症状発生前の24時間以内に突発的な事件が発生したり、急激な業務環境の変化がなかったと判断した。慢性過労でもなく、業務時間が認定基準にも達しないと判断した。特に、既にAさんが2011年に脳出血で治療を受けたにも拘わらず、管理せずに飲酒と喫煙を続けたと指摘した。

二審「改正告示の趣旨を反映せず、業務負担の加重要因に該当」

しかし、二審の判断は違った。告示が改正された趣旨は、Aさんのような状況を念頭に置いたものと見て、高血圧だけで業務関連性を否認してはならないと明確にした。裁判所は「公団は算術的に評価した原告の業務時間と同時に、基礎疾患(高血圧)を主な根拠として処分をしたことから、改正告示の趣旨が十分に反映されたとは見られない。」「業務時間は業務上過労かどうかを判断する際の一つの考慮要素に過ぎないという点でもそうだ」と指摘した。Aさんの発病前の4週間の一週間の平均業務時間は43時間9分、12週間の一週間の平均業務時間は37時間48分と調査された。過労を認定する12週間で一週間平均60時間と4週間で一週間平均64時間勤務には達していない。

特に、高血圧の症状は業務上の疾病に大きな影響を与えなかったと見た。裁判所は「原告が普段正常に勤務するのに何の問題もなく、傷病の発生と業務の相当因果関係の有無は『原告の健康と身体条件』をそのまま前提にして判断しなければならない。」「告示の改正趣旨などに照らしてみると、そのような事情だけで相当因果関係を否定することはできない」と強調した。希望退職者の業務引継ぎなどによるストレスが、業務負担加重要因として複合して作用したと見た。

2023年10月20日 毎日労働ニュース ホン・ジュンピョ記者

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