コロナ後も変わらない看護労働の現実・・・人権委「人権を保護せよ」 2023年09月04日 韓国の労災・安全衛生

5月、ソウル駅広場の臨時選別検査所の運営最終日に、看護師が検体採取室に入っている。/クォン・ドヒョン記者

国家人権委員会が、看護師の労働人権保護方案を作るように保健福祉部長官に勧告したと明らかにした。

人権委は医療機関の種別・病棟別の特性などを考慮し、看護師一人当たりの最大担当患者数を関係法令に規定するように先月18日に勧告した。また、これを基準に、看護管理料の差等制が、看護師の配置レベルを向上するという目的に合わせて運営されるように、改善方案を準備するように注文した。

人権委は看護師の定員基準を守らない医療機関に対し、管理・監督がきちんと行われるように行政処分の基準を強化するなどの規定を改正するよう指示した。看護師の長時間労働・処遇改善のために、看護師の交代制改善モデル事業を全面的に拡大できるようにロードマップを樹立し、「看護人材の夜間勤務ガイドライン」の履行方法も作るべきだと話した。また、看護師を対象に、感染症対応に関連する職務教育と訓練を行い、心理的な支援体系を用意するように呼びかけた。

新型コロナウイルス感染症のパンデミック真最中だった2021年5月、釜山の東区保健所の看護師が過労を訴えて死亡したことがあり、同年9月にも、ソウル地域の公共病院の看護師674人が、人手不足を訴えて団体で辞職届を提出した。適正水準の法定の看護師配置基準がなく、現場は人材不足を訴え、一線の看護師たちは過度な業務量に苦しめられていると人権委は指摘した。

人権委は「コロナ対応の過程で、看護師が過労を訴えて極端な選択をし、人材不足を理由に団体で辞職届を提出するなど、劣悪な労働人権問題が明らかになった。」「2020年基準で、人口1000人当りの活動看護師数は4.4人で、OECD加盟国の平均8.0人の半分に過ぎない」とした。

同時に「看護師が健康で安全に働ける権利、労働の社会的な価値に符合する雇用と補償体系などを保障する制度的な改善が必要だ」と明らかにした。

2023年9月4日 京郷新聞 ユン・キウン記者

https://www.khan.co.kr/national/labor/article/202309041216001