また機械に挟まれ、災害が止まらない「SPCグループ」 2023年08月09日 韓国の労災・安全衛生

資料写真/チョン・ギフン記者

昨年、食品混合機に労働者が挟まれて死亡したSPCグループの会社で、同様の事故で労働者が重症を負う災害が発生した。雇用労働部の企画監督、SPCグループ独自の安全点検が行われた現場だったにも拘わらず、事故が起きた。労働部の杜撰な監督と事後の管理不足、企業レベルの杜撰な自己点検が事故に繋がったという批判は避けられない。

8日、労働部とSPCグループ、労働界によると、同日午後、城南市のシャニー製パン工場で、50代の労働者のAさんが、生地の機械に挟まれる事故が起きた。Aさんが生地の機械の下から材料を移動する途中に、止まっていなければならない生地の機械が突然作動したものと推定されている。事故後、心停止状態になったAさんは119救急隊員の心肺蘇生法(CPR)を受け、病院に運ばれた。意識は戻ったが、重篤な状態だという。

同社はSPCグループのホ・ヨンイン会長と一家が持分70%をを保有する会長一家の会社と見ることができる。

今回の事件は昨年10月15日、SPCグループの系列会社であるSPLの平澤製パン工場で働いていた23才の労働者が、ソースの混合機械に挟まれて死亡した事件と良く似ている。現在、重大災害処罰法違反の疑いで労働部が捜査している。

当時の事件の後、労働部はSPCグループ会社を企画監督し、277件の法違反を確認した経緯がある。監督の過程でSPグループの職員が、労働部の監督官の書類を調べて、監督計画書を無断撮影・流布した事件が発生して非難を浴びた。この日、事故が発生したシャニー製パンの工場は、労働部が企画監督したところだ。SPCグループがグループ会社の安全環境を改善するために、昨年11月に発足させたSPC安全経営委員会も、この工場を調べたことがある。労働部の監督とグループ会社次元の点検では事故を防げなかったわけだ。特に、シャニー製パンの工場は、昨年10月23日と先月12日にも、機械に挟まれる事故で労働者の指が切断されたり折れる事故があった。挟まれ労災事故が続いて発生していて、結局、この日の大事故に繋がったのだ。

SPCグループは文書で、「不慮の事故に遭った職員と家族の方々に深い慰労の言葉を申し上げる。」「全生産ラインを直ちに稼動中止し、正確な事故原因の究明のための警察の調査に誠実な姿勢で臨む」と明らかにした。

2023年8月9日 毎日労働ニュース チェ・ジョンナム記者

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