「通報しても無駄」・・・職場内いじめ申告の権利救済は14.5%だけ 2023年07月16日 韓国の労災・安全衛生

職場内いじめ禁止法。使用者や勤労者が職場での地位または関係の優位を利用し他の勤労者に身体的・精神的な苦痛を与える行為などを禁止する法によって2019年7月16日から施行された。
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「2021年頃、雇用労働部に職場内いじめに関する手続きを問い合わせたことがあった。『2019年度に作られた法なので、未だ体系が具体的ではない』という担当者の話を聞いて、申告しても無駄だと思ってあきらめた」(2023年1月に職場の甲質119に情報提供)

職場の甲質119が16日、「共に民主党」のキム・ヨンジン議員室を通じて受け取った資料によれば、いわゆる「職場内いじめ禁止法」(勤労基準法第76条2項)が施行された2019年7月16日から2023年6月までに、雇用労働部に申告された職場内いじめ事件は2万8731件だった。申告類型(重複集計)では、暴言が33.2%(1万2418件)で最も多く、続いて不当人事12.8%、いじめ・悪口10.7%、差別3.3%の順だった。

申告された事件の内、権利救済が行われたのは4168件(14.5%)に止まった。権利救済が行われた事件の内、改善指導が3254件(11.3%)で、検察送致が513件(1.7%)、過料賦課が401件(1.3%)の順だった。検察送致事件の内、起訴意見で送致されたのは211件で、全体の0.7%だった。

申告された事件の51.3%(1万4751件)は「その他」に分類され、行政終結となった。「その他」の項目には「調停のための任意取り下げ、法適用除外、同一苦情、不出席、告訴受付など」だが、この内『法適用除外』は、『事業場の規模(5人未満)、特殊雇用労働者、元請けとの労使関係など』を意味する。5人未満の事業場の労働者や特殊雇用労働者などには、勤労基準法の相当数の条項が適用されていないという現実がそのまま現れているわけだ。

その上、現行法上でも、いじめなどの不当待遇で社会的に物議を醸した事業場に対しては、労働部が特別勤労監督をすることができるが、職場内いじめ法の施行以後、労働部が特別勤労監督を行ったケースはわずか15件に過ぎない。職場の甲質119のキム・ハナ弁護士は、「労働部は特別勤労監督だけでなく、定期勤労監督でも『苦情処理(社内申告)内訳』を確認するといったレベルで業務を処理している。」「労働部が制度の定着をむしろ遅延させている」と批判した。

2023年7月16日 ハンギョレ新聞 キム・ヘジョン記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1100311.html