労働者の健康権にも元請け・下請けの交渉構造が必要 2023年05月19日 韓国の労災・安全衛生

労働健康連帯

「重大災害処罰法だけでは労働者の健康権を完全に保障できない」(ユ・ソンウク宅配労組CJ大韓通運本部長)

「重大災害処罰法の適用で職場の安全保健と災害予防の責任問題は解決されたのか。そうではない」(パク・ダヘ金属労組法律院弁護士)

「私たちは処罰より再発防止対策についての要求を加えることになる」(イ・ビョンジョ金属労組現代ウィア昌原非正規職支会事務長)

18日に国会議員会館で行われた「労働者健康権のための労組法2・3条改正案の必要性」討論会で出てきた証言だ。現場の労働者が、下請け労働者が法の強制性や抑制力ではなく、交渉によって労働者の安全と健康を守ったという事例を次々と挙げ、使用者の範囲と争議行為の対象を拡げる労組法改正によって、元請けの使用者と下請け労働者の交渉構造を作るべきだと主張した。討論会は労組法2・3条改正運動本部、国会生命安全フォーラムが主催し、金鎔均財団、労働健康連帯、パノリム、韓国労働安全保健研究所が主管した。

現場労働者、元・下請けが対話をして初めて現場は変化

現代ウィア昌原非正規職支会のイ・ビョンジョ事務長は、交渉を始めて健康権を確保することができたと紹介した。「2019年に、シンナーで部品を拭き取っていた労働者の手の皮膚が剥がれ、ひび割れて血が出ることが多くなり、下請け労働者12人が代表となって雇用労働部に申告し、交渉の結果、皮膚疾患対策としてニトリル手袋を支給されるようになった」と話した。「この事件で、保護装具に対する支給基準を作り、社内の三つの下請け会社と、統合産業安全保健委員会を作った。」「法の強制性や抑制力が問題を解決するキーではない」と強調した。

鉄道労組KORAILネットワークス支部のソ・ジェユ政策部長はKORAIL安全勤労協議会を紹介した。公共機関の安全管理に関する指針に従って作られた機構だ。KORAILネットワークスには自主的な労使協議会と産業安全保健委員会があるが、2019年9月に安全勤労協議体が稼動し、実質的な労働条件改善がなされたという説明だ。「自主機構では『権限がない。KORAILに要請してみる』という返事しか返ってこなかったが、KORAILと労側の地域本部産業安全保健委員、KORAILネットワークスの業務担当者と労働者代表が参加することによって、労働条件を改善することができた」と話した。宿直室内に防音壁と遮断壁の設置、車のUターンが頻繁で事故の危険がある駅舎前の歩道に遮断壁の設置、女子トイレ内の防音壁の設置などができた。

ただし、対話機構が持つ限界によってすべての健康権を保護できず、元・下請け間の直接交渉が更に必要だと強調した。ソ・ジェユ政策部長は「安全勤労協議会は、主に構造物と施設物の欠陥や休憩施設の設置しかなく、2018年にKORAILと鉄道労組の年一回の元・下請け協議会を開催することにしたが、拘束力がないために協議を行わなかった」とし、「結局KORAILネットワークス支部はこうした限界の中で直接交渉を要求する公文書を発送する他なかった」と話した。

労組法2・3条改正で労働者の健康権確保は政府の重大災害予防策とも一致

専門家は労組法2・3条の改正で、労使が健康権に関する事項に合意することは、政府の基調とも一致すると主張した。政府は重大災害ロードマップの核心メカニズムとして、企業規制と処罰よりも、労使の参加による自律規制を強調している。

パク・ダヘ弁護士は発題で「団体交渉や労組活動による集団的な参加が保障されないまま、労働者個人が一人で危険を把握し、会社に要求して作業を中止したり行動することは不可能であり、非正規労働者が一人で元請けに危険を報告し、措置を要求することは、実に想像し難い。」「団結した労働者たちが、安全で健康な作業環境という最優先の勤労条件のために、その勤労条件を決める実質的な主体に交渉を要求することは、職場環境の権利と労働三権という憲法上の基本権が調和した行使として当然な帰結だ」と話した。

2023年5月19日 毎日労働ニュース イム・セウン記者

http://www.labortoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=215160