災害死亡者、今年第1四半期に12.9%減少 2023年05月16日 韓国の労災・安全衛生

今年第1四半期の災害調査対象事故死亡者は128人で、1年前より12.9%(19人)減少した。雇用労働部は景気低迷が影響を与えたと分析したが、専門家は「重大災害処罰などに関する法律」(重大災害処罰法)施行の効果がもっと大きかったと見ている。

労働部は15日、2023年第1四半期の災害調査対象死亡事故発生現況を発表した。1~3月に124件の業務上死亡事故が発生し、128人が死亡した。事故は9件(6.8%)減少し、死亡者は19人減少した。

建設業と製造業の両方で、事故件数と死亡事故が減少した。製造業の重大災害の減少幅が大きかった。製造業は今年の第1四半期に30件の事故で31人が死亡した。昨年は46件の事故が発生し、51人が死亡したのと較べると、死亡者数は39.2%減少したことになる。建設業の場合、63件の事故が発生し、65人が死亡した。一年前に64件の事故が発生し、71人が死亡したことを考えれば、死亡者は8.5%減少した。

重大災害処罰法の適用が猶予された50人未満の事業場、または工事金額50億ウォン未満の建設現場の場合、昨年の第1四半期に続き、今年も79人が死亡し、死亡者数には変化はなかった。一方、50人以上(工事金額50億ウォン以上の建設現場)の死亡者は、68人から49人へと、27.9%(19人)減少した。

労働部の関係者は「確かなことは、前年より大型事故が減少し、景気の状況と災害減少との関係が有意に見える」と説明した。

ソウルサイバー大学のカン・テソン教授(安全管理学)は、「景気が悪化することは、安全保健への投資が減る現象に繋がりかねず、明確な因果関係があるとは見難い」とし、「重大災害処罰法の社会的な実効性が現れたと思われる。重大災害処罰法の制定で、重大災害に関する報道も多く、企業の安全保健管理者の雇用も増えた」と分析した。カン教授は「経営責任者が、『我が社でも人が亡くなることがあり得る』と仮定したため」と付け加えた。

重大災害処罰法が適用されない事業場の死亡事故と死亡者の減少幅が少ないのは、法適用の猶予によるものだという解釈には警戒を示した。カン教授は「重大災害処罰法の適用・未適用事業場を同時に見なければならない」として、「重大災害処罰法は、適用対象事業場だけを気にする法ではなく、施行の一年間で、中小企業であれ大企業であれ、事業主の安全保健意識はアップグレードされたと考える」と主張した。

2023年5月16日 毎日労働ニュース カン・イェスル記者

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