現代重工業の下請け労働者が仕事中に続けて倒れ 2023年3月22日 韓国の労災・安全衛生

民主労総蔚山地域本部

現代重工業の下請け労働者が業務中に倒れて、意識を回復できなかったり死亡することが続けて起こっている。しかし、遺族は会社の非協力で死亡原因さえ解らない。

「重大災害のない世界づくり運動本部」と民主労総蔚山地域本部は21日、蔚山市の現代重工業の正門前で記者会見を行い、このような事実を明らかにした。9日に亡くなった下請け業者・㈱ヨンジンのSさんの遺族は、真相究明を要求して現代重工業の正門の向い側に焼香所を設けた。

Sさんは先月27日、作業中に脳出血で倒れた。労・使・政が集まって「造船業の二重構造改善のための共生協約」を締結した日だ。正規職の労働者が見付けて病院に移送されたが、意識を回復できず、9日に亡くなった。金属労組・現代重工業社内下請け支会によれば、Sさんは下請け労働者だが、正規職労働者が働く部署に派遣されて働いてきた。

Sさんの遺族は死亡の原因を明らかにしようと、下請け業者に勤務時間表・給与明細書・作業指示書・作業日報・勤労契約書・健康診断記録表などを要求したが、会社は勤務時間表を除く資料は見せていない。遺族と蔚山地域本部は、三ヶ月分の勤務時間表では、法定の勤労時間を守っていたが、実際の勤労時間とは異なる可能性があると見ている。Sさんの家で見付かった昨年7月の勤務時間表を見ると、週62.5時間働いたこともあったためだ。

Sさんの死後も下請け労働者が続けて倒れた。今月10日、建造部署で働いていた下請け労働者のAさんは、脳出血で倒れて病院に運ばれた。今まで意識を回復できていない。運動本部は、「14日と15日にも、胸の痛みとめまいを訴えた下請け労働者が、病院に移送された」と話した。

運動本部は「遺族は、Sさんがどのように働いたのか、なぜ仕事中に死ななければならなかったのか、当然知るべきだ」とし、「元請けの現代重工業も責任から自由ではない」と主張した。造船所の下請け労働者は元請けの造船所で働くが、通常は正規職と作業空間が分離されている。しかし、Sさんのように正規職労働者と一緒に働く派遣業務も持続して存在するというのが支会の主張だ。

2023年3月22日 毎日労働ニュース カン・イェスル記者

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