大韓航空の性暴力被害労働者に労災認定 2022年12月7日 韓国の労災・安全衛生

資料写真/カン・イェスル記者

職場内で性暴力被害を受け、長い間精神的苦痛を訴えてきた大韓航空の労働者が、労災を認められた。勤労福祉公団は災害者の被害事実を知った後、会社の処理態度が支援的でなく、災害者が持続的にストレスを受け、うつ病が発生・悪化したと判断した。

<毎日労働ニュース>によれば、勤労福祉公団ソウル南部支社は、大韓航空の職員Aさんの療養給与申請に「申請傷病『中等度憂うつエピソード』と業務との相当因果関係が認められる」とした。

Aさんは2017年に直属上司に強姦未遂の被害を受けた後、職場内セクハラといじめ、不当な人事異動が繰り返され、2019年に問題を公にした。しかし、加害者の処罰など、問題解決の方法を巡って会社と争いが続いた。被害者は急性ストレス反応・非気質性不眠症・中等度うつ病エピソードの診断を受け、今年3月に勤労福祉公団に労災を申請した。

公団は「2008年に上司からセクハラ事件、そして2017年には業務報告の過程で性暴行事件を経験した点、これに対する適切な処理が社内でなされなかったと見られる」とし、「労働部の処分に対して会社が訴訟を提起するなど、会社の処理態度もやはり支援的だったと見難い点、陳情、告訴・訴訟などを提起する過程で、持続的にストレスを受けたと見られる」として中等度憂うつエピソードを業務上疾病と認定した。ただ、人事異動と業務排除については明確な根拠がなく、ストレスのレベルを把握するのは難しいと見た。

雇用労働部中部地方雇用労働庁は昨年5月、性暴力の加害者に何の措置も執らなかった大韓航空に是正指示と過料の処分をした。会社は労働部の是正指示事項は履行したが、過料処分には従わずに行政訴訟を提起し、結局、過料処分は取り消された。

コ・グァンホン公認労務士は、「(性暴力事件の場合)労災を申請する事件が多くなく、それ自体に意味がある」と評価した。「会社が被害者を助けるためには、労働部の処分を受け容れ、その後の後続手続きを行うべきだが、この事件の場合、会社は自分たちが加害をしなかった(責任がない)という立場で一貫した」「それによって生じたストレスを(労災決定に)考慮したという点に意味がある」と話した。

被害者のAさんは会社に対して損害賠償訴訟を提起し、ソウル中央地裁は今年7月、「大韓航空が加害者の使用者として、その事務執行に関して発生した強姦未遂の不法行為によって原告が被った精神的な損害を、加害者と連帯して賠償する責任がある」と判決した。

2022年12月7日 毎日労働ニュース カン・イェスル記者

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