減っていた化学事故、規制緩和後に『再び増加』 2022年9月23日 韓国の労災・安全衛生

資料写真/チョン・ギフン記者

2015年に「化学物質の登録および評価などに関する法律」(化学物質登録評価法)と、化学物質管理法の施行以後には減っていた化学物質事故の頻度が、関連の規制が緩和された2020年から再び増加したことが判った。

正義党のイ・ウンジュ議員が化学物質安全院から取り寄せた『2015~2022年7月末に国内で発生した化学事故の年度別現況』によれば、国内の化学物質事故は、法施行直後に着実に減少した。2015年114件だった事故は、2016年には78件に減り、2017年は88件に増加したが、2018年66件、2019年58件に減少した。化学物質登録評価法と化学物質管理法は、有害化学物質の取り扱い基準と取り扱い施設の安全管理を強化し、化学物質情報が解るようにようにした法だ。

4年目に半分ほどにまで落ちた事故は、2020年から再び増加し始めた。2020年には75件、2021年には93件に増加した。今年は7月までに29件を記録した。前年比増加率で計算すると、2020年には29.3%、2021年には24.0%だった。

2020年は、政府が化学物質関連の規制を緩和した年だ。企業は2019年に、日本の半導体核心素材三種の輸出規制、2020年のCOVID-19事態を迎えて、経営の困難を訴えた。政府は企業支援を理由に、化学物質管理法上の化学物質取扱施設の許・認可期間を、75日から30日に短縮した。化学事故予防管理計画書の提出免除対象を、運搬・保管施設、少量取扱者、軍事施設、医療機関に拡大した。

また、化学物質管理法施行令の改正で、新規化学物質の159品目について、安全性試験資料の提出を省略できるようにした。COVID-19以降、試験資料の省略品目は338種にまで拡大した。製造・輸入される高分子化合物の登録申請は、年間1千トン未満までなら、危害性関連資料の提出を省略できるようにした。

尹錫悦政府でも、化学物質の規制緩和が続く見通しだ。環境部が先月26日に発表した環境規制革新案には、化学物質を危険度によって分類し、規制を差等適用するという内容が盛り込まれた。6月に全経連が環境部長官に提案した規制改革課題だ。

イ・ウンジュ議員は「規制緩和の政策方向が、安全管理の不十分に繋がった可能性を排除できない」、「規制緩和を濫発すればするほど事故は繰り返される」と指摘した。

2022年9月23日 毎日労働ニュース イム・セウン記者

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