「光州の建物崩壊惨事」現代産業開発の現場所長に執行猶予 2022年9月8日 韓国の労災・安全衛生

民主労総光州地域本部提供

昨年6月に17人が死傷した光州の撤去建物崩壊事故に関し、現代産業開発の現場所長に執行猶予が宣告された。

光州地裁は7日、業務上過失致死などで起訴された撤去工事の関係者7人と法人3社に対する判決公判で、現代産業開発の現場所長・ソ某被告(58)に懲役2年、執行猶予3年と罰金500万ウォンを宣告した。現代産業開発の安全部長のキム某容疑者(58)と公務部長のノ某容疑者(54)には、それぞれ禁固1年、執行猶予2年が宣告された。

裁判所は建物撤去工事の下請け会社の現場所長のカン某被告(29)に懲役2年6月、再下請け会社の代表でショベル技師のチョ某被告(48)に懲役3年6月を、それぞれ言い渡した。監理者のチャ某被告(60)には懲役1年6ヵ月が宣告された。アスベスト撤去工事の下請け会社の現場所長のキム某被告(50)は禁固2年、執行猶予3年の判決を受けた。現代産業開発の法人は、罰金2千万ウォン、ハンソル企業とベクソル建設には、それぞれ罰金3千万ウォンが宣告された。

被告らは、解体計画書を守らず、無理に撤去工事をしたり、管理・監督義務を疎かにした疑惑で裁判に付された。昨年6月9日、光州の再開発4区域の撤去工事中に建物が崩壊し、近くの道路を通っていた市内バスの乗客9人が死亡し、8人が負傷した。裁判所は「被告人に要求される注意義務の程度と、業務の過程で独自の意思決定権を行使できたかを勘案して量刑を決めた」と量刑理由を説明した。

裁判所は宣告公判で、2019年7月にソウルで発生した撤去建物の崩壊事故を挙げた。部長判事は「牛をなくして牛小屋を直すということわざがある」が、「果たして今以上に何を失ったら牛小屋を直せば良いのか、裁判をしながらもどかしかった」と話した。同時に「2年前のソウルの崩壊事故で一人が命を失っても、正されたことは何一つなかった」「今回の事故が反面教師になることを希望すると言いたいが、今年の1月にもまた別の事故が発生し、そのような話さえし辛い」と付言した。

現代産業開発の関係者には全員に執行猶予が宣告され、『軽い』処罰だという批判が起きている。光州鶴洞・花井洞惨事市民対策委員会は、この日声明を出し「現代産業開発に対する手加減判決が大韓民国の安全をダメにしている」「現代産業開発の関連者は全員が執行猶予を受け、下請け業者と監理だけに実刑が宣告された」と指摘した。

2022年9月8日 毎日労働ニュース シン・フン記者

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