『地下鉄のエスカレーターから障害者が墜落死』に無嫌疑処分-全障連「誰も責任を負わない」と糾弾 2022年6月6日 韓国の労災・安全衛生

全国障害者差別撤廃連帯のパク・ギョンソク共同代表が4月11日、「陽川郷校駅」で、車椅子がエスカレーターから墜落した事故に関して、ソウル市の公式謝罪を要求している。/2022.04.11.

4月に車椅子に乗った障害者がエスカレーターから墜落死した事件を捜査していた警察が、地下鉄運営会社の問題点を見つけられずに内偵を終結することを決めたことに対し、障害者団体が遺憾を表明した。

全国障害者差別撤廃連帯(全障連)は6日に論評を出し、「事故の主犯はソウル市であるにも拘わらず、江西警察署は事件を終結させた」とし、「陽川郷校駅での障害者の死は、『勧告』という虚構に閉じ込められる、誰も責任を負わない実験用の死だったのか」と糾弾した。

全障連は「ソウル市は、既に、続発している地下鉄内のエスカレーターでの墜落事故と死亡事件を知っていた。そのため、ソウル交通公社が管理するエスカレーターの入口には、全て進入遮断バーが設置されている」。「地下鉄9号線のエスカレートの進入遮断バーは、義務ではなく勧告事項だったために、民間運営事業者に法的な責任を問えないという警察の発表は、障害者の事故による死や負傷もやはり『勧告』の水準に過ぎないという意味か」と批判した。

全障連は「ソウル市は既にその危険が繰り返されていて、予見できたにも拘わらず、地下鉄のリフトとエスカレーターで死んでいった障害者の命は『勧告』する水準と片付けられる実験用の命だということを明確に見せ付けている」と指摘し、「ソウル市は障害者の死に答えろ」と追求した。

ソウルの江西警察署は、前日、陽川郷校駅の運営会社のソウル市メトロ9号線の安全総括責任者を調査し、関連資料を調べた結果、事件を立件する前に調査(内偵)を終結すると発表した。

事故が起きたエスカレーターに、車椅子の進入を防ぐ遮断バーが設置されておらず、エレベーターの入口の幅も他の駅より狭くて車椅子が入らないという指摘がされていたが、法的責任を問うのは難しいというのが結論だ。

警察によると、死亡したAさん(59)は事故当日の4月7日の昼頃、加陽駅でエレベーターを利用して地下鉄に乗った。その後、陽川郷校駅で降りて、エスカレーター2機を通った後、エレベーターをしばらく眺めていたが、これに乗らずにエスカレーターに乗ったことが分かった。エスカレーターの傾斜が急で、車椅子は直ぐひっくり返って、Aさんは転落した。救急車で病院に移送したが、亡くなった。

2022年6月6日 民衆の声 チェ・ジヒョン記者

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