アスベストの雪!「ホワイトクリスマス」の殺人セットと輸入・使用継続の呪われた真実-2021年12月20日 米アスベスト被害者団体ADAO

クリスマスのプレイリストを始める前に…50年前に戻って、ビング・クロスビー、ダニー・ケイ、ローズマリー・クルーニー、ヴェラ=エレン主演の象徴的なクリスマス映画「ホワイト・クリスマス」を思い出してみよう。ホワイトクリスマスは、美しいアメリカ北東部ののどかな雪の降るクリスマスに休日のシーンを設定している。しかし、当時の俳優や映画製作者がほとんど知らなかったことは、舞台で使われていた「雪」が実は人に対する発がん物質・アスベストであったことだ。

アスベストは、熱や電気、腐食に強いその柔軟な繊維から一度は「魔法の鉱物」と考えられ、20世紀初頭には非常に高い人気を誇っていた。それは、水や火に強く、軽くて溶けにくく、取り扱いが簡単なために、映画の撮影現場での偽物の雪(フェイクスノー)として最適だった。しかし、安全とはほど遠いものだった。むしろアスベストは致死的であり-アスベストへの曝露の安全なレベルはなく、中皮腫や肺・咽頭・卵巣のがんを含む致命的な病気を引き起こす。

アスベスト繊維は非常に小さく、肉眼では見えないため、ほとんどの人はいつアスベストに曝露したかわからない。中皮腫は、侵襲性の高いアスベストを原因とするがんで、主に肺、心臓、腹腔を包む膜を攻撃する。

ホワイトクリスマスのセットでは、本物の雪が平穏に降っているように見せるために、アスベスト雪が使用された。当時は危険なものであることが広くは知られていなかった、この有毒鉱物は、映画に携わるすべての人の肺を満たしていたのである。ハリウッド以外でも、個人宅のクリスマスツリーにもアスベストが使用されていた。1960年代にアスベストがいかに致死的な物質であるかが明らかになった。しかし、アスベスト産業は、アスベストの健康に対する危険性を認識させられた後も、この発がん物質の輸入と使用を続け、いたるところでアメリカ人の健康と幸福を危険にさらしたのである。1900年以降、アメリカは3,100万トンを超すアスベストを「消費」してきた。利用可能な代替品という選択肢があるにもかかわらず、アメリカは、すでにアスベストを禁止している70か国に遅れをとっている。

それに映画のセットだけではない。何百万もの家屋、学校や職場にいまもなおアスベストが使用されている。同様に、アメリカは、いまも毎年数百トンを輸入している。気候変動が吹雪やみぞれ、雨などのより激しい気象現象を引き起こす現実に直面して、平均的なアメリカ人は、これらの自然災害の際にアスベストに曝露する可能性があり、嵐のなかで人々の安全確保に努める緊急対応要員もまた曝露する可能性がある。

アスベストの影響を受けた人々のために、われわれが望むことは、アスベストの輸入と使用を防ぐことである。いまこそアメリカは、自国からアスベストを禁止し、市民の健康を守るべきときである。議会はいますぐ行動を起こし、30年以上にわたって議会に提出されているもっとも包括的な禁止法案であるアラン・ラインスタイン・アスベスト禁止(ARBAN)法案を可決しなければならない。アスベストのために、全米で何百万もの家族が、アスベストが原因の病気で亡くなった愛する人のいないクリスマスとホリデーシーズンを過ごしている。アスベストはもはやホワイトクリスマスのようなハリウッドのセットで使用されていないが、現在でも何十万ものアメリカ人が、日常生活を送るだけで望まぬままアスベストに曝露している。数十年前に禁止されるべきであった発がん物質を心配することなく、クリスマスとホリデーシーズンを明るく過ごすことができるようにするために、すべてのアメリカ人にとってより安全な世界を作る必要がある。

https://www.asbestosdiseaseawareness.org/newsroom/blogs/its-snowing-asbestos-the-haunting-truth-about-the-white-christmas-killer-set-and-continued-imports-and-use/