牛の角で突かれ豚に噛まれる家畜防疫労働者たち 2022年1月25日 韓国の労災・安全衛生

シン・フン記者

「昨年5月に子牛のサンプルを採取していて、子牛に脇腹を踏まれて肋骨を骨折しました。人手がないので、同僚のことを考えて、病気でも休めずに働きに出てくることが多いです。」

公共運輸労組家畜衛生防疫支援本部支部が24日に開催した「現場実態告発証言大会」で、防疫官のキム・ギチョルさんは「防疫官たちは一年に一回は死にかけたことがある」と話した。

家畜衛生防疫支援本部で働く防疫官たちは、「最小限の業務スペースすら保障されていない」と声を高めた。防疫官のチョン・グァンスさんは「一日中、牛や豚の糞の畑に転がり、体中に糞がついても、汗まみれになっても、シャワー室がなく、トイレで洗わなければならないのが実情だ。」「肉体的に辛い労働をしている職員のための休憩スペースもない」と訴えた。

支部によると、家畜衛生防疫支援本部の検査員は一年に一人当たり、哺乳類4万5956頭、家禽類258万6827匹を検査している。現場の労働者たちは、過重な業務量がずさんな検査に繋がり、国民に不安全な肉類を提供する結果を招きかねないと指摘した。キム・ヒョンソ検査員は「畜産物の安全を保障するためには、検査員の補充が必要だ」と主張した。

家畜飼育の情報と家畜伝染病の状況をリアルタイムで点検・収集するための電話相談業務を担当している予察員たちは、感情労働に苦しんでいると訴えた。予察員のキム・ソンスクさんは「一日に120通以上の電話に受け応えしなければならない。」「業務中にセクハラや言葉の暴力があっても、農家との繋がりのために我慢している」と話した。

支部は今月20日から23日まで、防疫官213人と検査員139人など、組合員438人に対して業務上の事故の経験を調査した。防疫官122人が「豚に噛まれたり牛の角に刺されたり、牛の後足で蹴られたことがある」と答えた。「牛や豚が動かないように縛っていて、ヤスリで擦り傷や切り傷を負った」(67人)、「試料を採取していて注射器が刺さった」(54人)という回答も多かった。検査員も業務中に怪我をすることが頻繁にあったことが分かった。検査員47人は「検査中にナイフで切ったことがある」と答えた。続いて「屠殺場で滑ったことがある」(31人)、「筋骨格系疾患や手首の疾患を患った」(30人)の順だった。

支部は今月20日にストに入った。現場の人員補充をはじめ、△劣悪な待遇の改善、△非正常な機関運営の正常化、△国家防疫システムの全面改編、△労使政協議の枠組み作りを要求している。

2022年1月25日 毎日労働ニュース シン・フン記者

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