タワークレーンの設置・解体労働者が『作業中止権』発動/上層部の捜索は延期 2022年1月17日 韓国の労災・安全衛生

建設労組光州全南本部

光州市の現代産業開発アイパーク建設現場の崩壊事故の救助作業が、タワークレーンの設置・解体労働者による「作業中止権」の発動で、全面的に再調整された。16日現在、行方不明者は5人だ。産業安全保健法は、労働災害が発生する切迫した危険に直面している労働者に、作業を中止できる権限を保障している。光州の崩壊事故後、危なげに立っているタワークレーンの上層部の解体作業に投入された労働者たちが作業の中止を要求し、当初16日に予定していた上層部の行方不明者の捜索が延期された。

光州市と関係機関が参加した事故収拾統合対策本部は14日、崩壊後に傾いたタワークレーンの一部を解体し、建物上層部で行方不明者の捜索に本格的に着手するという捜索方針を決めた。この作業のために、タワークレーンの設置・解体労働者5人が投入された。しかしタワークレーンの設置・解体労組所属の組合員は、「タワークレーンの中間支持台が外れていて、いつ崩壊するか分からない状況では、上層部の解体作業を行うことはできない」として作業中止を宣言した。

タワークレーンの設置・解体労組のチョン・フェウン委員長は「行方不明者の家族の焦りはよく理解しているが、余りにも危険な状況なので、タワークレーンの上層部の解体作業は不可能だ」と説明した。タワークレーンと建物とを固定するブレーシングの中間部分に当たる6・8番が完全に脱落し、ブレーキ4カ所の固定部分のうち2カ所が外れた状況では、上層部の解体作業は不可能だということだ。チョン委員長は「現状では、タワークレーンがこれ以上崩れないよう、ワイヤーを使ってでも壁と固定する作業を行って補強した後、上層部を解体するやり方で作業をすべきだ」と説明した。

建物の上層部は14日、行方不明者一人(死亡と判定)を収拾した地下1階と共に、探知犬が特異な反応を見せた場所だ。対策本部は同日、崩壊建物にもたれているタワークレーンを解体するための1200トン級のクレーンの組立を完了し、17日に現場に投入して、崩壊する恐れがあるタワークレーンを解体することにした。傾いたタワークレーンの上部から半分ほどを解体する作業は、今月21日頃に行われる見通しだ。

一方政府は、雇用労働部が主管する中央産業災害収拾本部の本部長を次官級に格上げし、行政安全部、国土交通部、消防庁、警察庁などの関係省庁が参加する会議を随時開催することにした。安全保健公団は14日、HDC現代産業開発㈱の安全保健経営システム(KOSHA-MS)認証を取り消した。

2022年1月17日 毎日労働ニュース キム・ミヨン記者

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