韓電『電力線接触・電柱上の作業から撤退』特別対策を発表 2022年01月09日 韓国の労災・安全衛生

韓国電力公社のチョン・スンイル社長(左から2人目)以下の役員陣が9日に記者会見を行い、「韓国電力下請け会社の労働者の感電死亡事故」について、頭を下げて謝罪している。/ニューシス

韓国電力が昨年11月に発生した下請労働者の感電死亡事故をきっかけに、作業者を電力線に接触する「直接活線」作業から撤退させることにした。

電力供給に支障が生じても、感電の恐れがない「停電後作業」と、作業者が電力線に接触しない「間接活線」作業を、引き続き拡大していく方針だ。

チョン・スンイル韓電社長は9日、下請け会社の労働者の感電死亡事故に関して公式に謝罪し、事故根絶のための特別対策を発表した。

韓電は、感電・挟まれ・墜落の繰り返し発生する三大主要災害については、あらかじめ定めた安全要件が満たされた場合に限って作業を行う原則を立てた。

感電事故の根絶のためには、直接活線からの即時撤退、停電後作業の拡大、間接活線の持続的な拡大などによって、作業者と危害要因とを物理的に分離する。

韓電は「2018年から間接活線作業に転換しているが、約30%は依然として直接活線作業が行われていると把握している」とし、「今後はこれから完全に撤退し、作業者と危害要因を物理的に分離する」と明らかにした。

続いて「感電事故の事例がなく、直接活線に比べて安全な間接活線作業の現場適用率を高めるために、現在行っている9種類の工法のほかに、23年までに9種類の工法を追加して開発する」とした。

挟まれ事故を根絶するためには、電気工事用の絶縁バケット(高所作業車)に車止めなど、接触防止装置の設置を義務付けることにした。

車止めを設置したかどうかを遠隔モニタリングシステムで確認した後、作業を実施するという計画だ。

墜落事故根絶のために電柱に直接登る作業を全面禁止する。

韓電は「すべての配電工事の作業は絶縁バケットの使用を原則とするが、絶縁バケットが持ち込めない場合や、電気工事業者の装備需給条件が困難な場合に限り、該当事業所が事前に安全措置を検討して承認した後、制限的に例外を適用する」と説明した。

同時に4万3695ヶ所の鉄塔に墜落防止装置を設置する作業を、当初より3年を繰り上げた2023年までに完了することにした。墜落防止ネットの設置位置を鉄塔の最下段のアームの下部を10mに調整する案も推進する。

韓電はこれと共に、電気工事業者の管理体系を改善するため、すべての電気工事に『一工事現場一安全担当者配置』の原則を適用することにした。

違法な下請け慣行を遮断するためには、事前に申告された内容が実際の工事現場と一致しているかどうかを確認するため、要員・装備の実名制を導入し、これを安全担当者が全数検査することにした。

昨年11月5日の午後4時ごろ、韓電の下請会社のH電力所属のキム・ダウン氏(39)は、京畿道驪州市にある電柱に登って、新しい建物に電気を供給するための開閉器を取り付ける作業中に、2万2千ボルトの高圧電流に感電した。その後、病院で治療をしたが、同月24日に亡くなった。

2022年1月9日 民衆の声 チョ・アヨン記者

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