『避難路封鎖』で38人死亡した発注者のチーム長に『無罪』 2021年11月26日 韓国の労災・安全衛生

『産災死亡対策作りのための共同キャンペーン団』が4月28日、利川物流倉庫火災で労働者38人の命を奪った責任者の発注者・ハンエクスプレスを『2021最悪の殺人企業』として発表した。/チョン・キフン記者

京畿道の利川物流倉庫で発生した火災事故で、避難通路を閉鎖して労働者38人の命を奪った責任として裁判に付された発注者・ハンエクスプレスのチーム長の無罪が確定した。遺族は火災事故を起こした発注者の責任を問えないという判決に、納得できないと糾弾した。ハンエクスプレスは今年4月、『産災死亡対策作りのための共同キャンペーン団』に『2021最悪の殺人企業』に選ばれている。

大法院一部は25日、業務上過失致死傷・産業安全保健法違反などで起訴されたハンエクスプレスのPTチーム長に、無罪を宣告した原審を確定した。大法院は被告人と検察の上告をすべて棄却した。

一緒に裁判に付された施工者・コンウの現場所長と安全管理者には、それぞれ懲役3年と禁固2年が確定した。建築事務所の監理団長も禁固1年6月が確定した。施工者のコンウにも原審と同じ罰金3千万ウォンが確定した。

昨年4月29日午後1時32分頃、物流倉庫の工事現場から強烈な爆発音と共に黒い煙と炎が吹き出した。避難路から脱出できなかった38人の労働者が亡くなり、10人が重軽傷を負った。

ウレタンフォーム作業と貨物エレベーターの溶接を同時に行っていた部分が、火災の直接的な原因だった。ウレタンは小さな火種でも簡単に発火して爆発する危険が大きいのに、同時作業が行われたのだ。冷凍倉庫の結露を防止するという理由で非常口の避難路を封鎖した措置が、被害を大きくした。

このように作業せざるを得なかった背景には、発注者のハンエクスプレスの工事期間短縮の圧力があった。検察はハンエクスプレスの関係者をはじめ、施工者のコンウと関係者など10人を起訴した。しかし裁判所の刑量は軽かった。

一審は昨年12月、元請けの現場所長と安全管理者に、それぞれ懲役3年6月と禁固2年3月を宣告した。監理団長は禁固1年8月とされた。施工者のコンウは罰金3千万ウォンを宣告されるに止まった。ハンエクスプレスのPTチーム長に対して、裁判所は禁固8月に執行猶予2年、社会奉仕400時間履修を命じた。7月の控訴審では刑量がさらに削られた。現場の所長と安全管理者は、それぞれ懲役3年と禁固2年に減刑された。監理団長も禁固1年6月に軽減された。

特に通路封鎖の決定をしたハンエクスプレスのPTチーム長には、控訴審で『無罪』が宣告された。控訴審は「通路封鎖の決定は発注者の権限内の行為であり、施工に関して具体的な指示・関与をしたとは見られない」と判断した。避難路の封鎖を決定した時点が、改正産業安全保健法の施行以前で、安全措置に対する注意義務を発注者の関係者に直接問うことは難しいという趣旨だ。しかし、このチーム長は、封鎖された通路を自ら通って進行状況の報告を受けていたと調査された。裁判所は、ハンエクスプレスがコンウと安全措置義務関連の契約を締結していないと一線を引いた。大法院もこのような原審の判断が正しいとした。

ハンエクスプレス火災惨事の一周忌を前に、民主労総と重大災害企業処罰法制定運動本部、惨事の遺族が、4月26日に大韓建築会社会館の前で、惨事一周忌追悼行動宣言の記者会見を行った。/チョン・キフン記者

遺族と法曹界は発注者に責任を問えないという大法院判決に、納得できないという立場だ。亡くなった労働者の一人、故キム・イルスさんの娘のキム・ジヒョンさんは、宣告後の<毎日労働ニュース>との電話で、「大法院で無罪が確定して、口惜しくてたまらない。明らかに工期短縮による被害を受けたのに、裁判所はその部分を全く無視したようだ」とし、「元請けが『尻尾切り』で下請けに押し付ければ、他の事故でも同じように繰り返される」と批判した。遺族側は元請けに対して民事訴訟を提起する計画だ。

金鎔均財団のクォン・ミジョン事務局長も、「(発注者の責任者が)一々、何時、どのように非常口を塞げと指示しない限り、具体的ではないというのか。」「元請けが工期短縮と言った瞬間、下請けは期限に間に合わせるために混在作業をせざるを得ないのに、それは指示ではないのか」と声を荒げた。

ソン・イクチャン弁護士は、「現行の法律では、発注者の責任を問うには限界があることを明らかにした判決」で、「国会で議論中の建設安全特別法は発注者にも幅広い安全管理義務を定め、安全諮問師から工事期間と費用に関する諮問を受けるように決めているので、建設安全特別法を通過させることが必要だ」と強調した。

202111月26日 毎日労働ニュース ホン・ジュンピョ記者

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