産災被害家族ために『災難家族支援法』を作ろう 2021年11月12日 韓国の労災・安全衛生

通常の社会福祉サービスでは産業災害被害者の家族の痛みは治癒しにくいために、災難という産災の特殊性を考慮した社会サービスを提供すべきだという提案が出た。仮称『災難家族支援法』を制定して、ケア、医療サービス、心理サービスなどを支援しようという主張だ。

  社団法人「希望の種子」と公共共生連帯基金、共に民主党のイ・スジン議員、正義党のカン・ウンミ議員は11日、国会議員会館で、産災家族の支援体系を構築するための研究結果を発表する『産業災害は家族にも社会的災難だ』討論会を共同で開催した。

  (社)「希望の種子」が事故死・過労死・重症障害者の家族8人にインタビューしたが、産災被害家族は産災承認の過程で困難を経験したと、異口同音に打ち明けた。家族の死を哀悼する暇もなく、専門家でもないのに産災承認の手続きを踏まなければならず、その過程で社会的な孤立と心理的な苦痛などを経験した。重症障害の場合、予想できなかった障碍者の家族としての生活に適応するのが難しく、経済的な問題にもぶつかった。

  産業災害補償保険法(産災保険法)によれば、政府は「奨学事業など、被災勤労者とその遺族の福祉増進のための事業」をすることができる。勤労福祉公団と安全保健公団が事業を担当しているが、産災被害家族に対する支援の範囲が非常に狭い。勤労福祉公団は奨学事業をするが、大学の学資金は除いている。安全保健公団の職業トラウマセンターは全国に13ヶ所しかないうえに、心理相談しか支援しない。保健福祉部の自殺遺族ワンストップサービスは、産災申請に関連する法律サービスを提供せず、行政安全部の災難心理回復支援センターは産災が災難の範疇に含まれるのか明確でなく、家族は利用しづらい。

  細分化された社会サービスが産災被害家族に適用されるようにするために、二つの方案が対案として提示されている。災難および安全管理基本法(災難安全法)を改正して、産災を災難と規定し、これを根拠に、通常の社会福祉サービスを利用できるようにしようという意見だ。しかし、この方法は、我が国の社会福祉サービスが所得を基準として運用されているため、産災被害家族が排除される可能性が少なくない。

  他の対案は、仮称『災難家族支援法』を制定して、これらを包括する方案だ。提案したカトリック大のペク・スンホ教授(社会福祉学)は、「既存の支援体系に、産災家族が包括されるようにする方案は、新しい支援体系を作るよりも施行が容易なこともあるが、事業が色々な部署に分けられていて、産災という災難に直面した家族が経験する多層的な欲求を統合的に解決するのには限界がある」と指摘した。ペク教授は、「災難家族支援法を導入して、自然現象による災難だけでなく、産災・自殺などの社会的な災難によって経済的・心理的な困難を経験する家族に、統合サービスを提供する必要がある」と提案した。

 2021年11月12日 毎日労働ニュース チェ・ジョンナム記者

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