「重大災害処罰法・予告篇」金鎔均(キムヨンギュン)さんの8回公判 2021年11月03日 韓国の労災・安全衛生

キム・ヨンギュン財団のキム・ミスク理事長が2日、政府ソウル庁舎前で金鎔均さんの8回公判を前に行われた記者会見で発言している。/イ・ジェ記者

金鎔均財団の金美叔(キム・ミスク)理事長が元請けの責任を厳しくする判決を出して欲しいと裁判所に求めた。大田地方法院瑞山支院は2日午後、故金鎔均(キム・ヨンギュン)さん関連の8次公判を開いた。

キム理事長はこの日午前、政府のソウル庁舎前で記者会見を行い「元請け責任に対する社会的な共感にも拘わらず、依然として事故を被害者の責任だと主張する韓国西部発電の事業主を、厳重に処罰すべきだ」と主張した。キム理事長は「政府の特別調査委員会が危険の外注化による元・下請け間の安全責任の空白を事故の原因だと明らかにしたのに、使用者は息子のキム・ヨンギュンが勝手に中に入って事故が起きたと言っている。」「社会的な殺人を止めるために、ヨンギュンの裁判に集中して、重要な判例を作らなければならない」と話した。

この日、瑞山支院は被疑者の元請け・韓国西部発電㈱と下請け・韓国発電技術㈱を呼んだ。先の7回公判では、キム・ヨンギュンさんの同僚を証人として召還して尋問した。先月の21日には、裁判所が異例の現場検証を実施した。公共輸送労組韓国発電技術支部のイ・ジュンソク泰安支会長は、「現場検証によって、事故が当然に起きる構造的な問題を裁判所は感じただろう」と話した。

この日の参加者は、今回の公判が「重大災害処罰などに関する法律」(重大災害処罰法)の施行以後の使用者の態度を計る定規になると話した。キム・ヨンギュンさんと遺族を代理するパク・ダヘ弁護士は、「今回の裁判は、重大災害処罰法の施行時に、加害者がどんな姿勢を執るのかを推測させる予告篇」とし、「事故発生の最も主要な原因を提供したこれらが、当然な法的責任を負うように、また判決による刑罰の警告機能が正しく作動するように、関心を持って見守って欲しい」と話した。

キム・ヨンギュンさんは2018年12月、韓国西部発電の泰安火力発電所の下請け労働者として働き、ベルトコンベヤーを点検していて事故に遭って死亡した。死亡当時、24才だった。キム・ミスク理事長など遺族をはじめとする「故キム・ヨンギュンさん死亡事故市民対策委員会」は、2019年1月に元請けの西部発電と下請けの韓国発電技術の責任者と関連者を告訴・告発した。昨年8月3日、大田地検瑞山支庁は、元・下請け法人と代表理事を含む16人を業務上過失致死と産業安全保健法違反で起訴した。同年10月22日、瑞山支院で事故発生から2年余り経って裁判を始めた。

裁判の過程で元・下請けの使用者は、公訴事実を一切否認している。元請けは下請業務に対する指示・管理を否認し、下請けは元請けに安全責任があると主張した。パク・ダヘ弁護士は「被害者に対する侮辱と、公共機関としての責任放棄が、被告人の防御権という防壁の後で手加減なく強行されている」と批判した。

2021年11月3日 毎日労働ニュース イ・ジェ記

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