ILO 「地方自治体の勤労監督権共有、協約背反ではない」 2021年10月07日 韓国の労災・安全衛生

資料写真(特別勤労監督請願書)/チョン・キフン記者

李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事が数回にわたって提起した『勤労監督権限の市道知事共有』問題が、雇用労働部の国政監査で俎上に上がった。この間労働部は「ILO勧告と協約に違背する」として反対してきたが、ILOは該当の勧告は『老朽』として、来年廃棄する方案を検討中だという事実が明らかになった。

6日、共に民主党のユン・ジュンビョン議員は国会・環境労働委員会の国政監査で「ILO国際労働基準局に問い合わせした結果、『勤労監督権限を地方当局と共有することは、ILO協約に違背しない』という回答を受け取った」と話した。勤労監督権限に関連して適用されるILOの基準は、20号の勤労監督勧告と81号の勤労監督協約がある。1923年に作られた20号勧告は「監督官は、中央政府の直接的で排他的な統制下になければならず、職務執行に関連して、彼らを地方政府のいかなる統制や責任の下に置いてはいけない」と規定する。ところがILOは2018年に、既に該当の勧告を時宜性を失った『老朽』勧告に分類した。現在『2022年に撤回考慮対象』と決定され、消える運命だ。

労働部はこうした事実を知っていた。今年5月の人事聴聞会の当時、事前の書面回答で「地方政府に勤労監督権限を委任するのは、ILO協約違反などの理由により慎重な検討が必要だ」と明らかにしたアン・ギョンドク労働部長官は、この日「20号勧告が撤回考慮対象である事実を知っている」と答えた。これにユン議員は「知っていながら、勤労監督権限の地方政府との共有に反対したのは、組織利己主義で意図的な欺瞞だ」と声を強めた。

アン長官は「わが国政府が1992年批准したILO 81号協約は『勤労監督機関は国家機関の直接的で排他的な統制下になければならない』と明示している」と反論した。ILO勧告は強制性のない指針の性格だが、韓国政府が批准したILO協約は、国内法と同じ拘束力を持つ。依然として勤労監督権限の共有が協約違反なのかは、議論になり得る。

アン長官は「勤労監督権限の共有に対する概念が、委任を意味するのか、委譲を意味するのかが明確でなく、権限共有に対する考え方を回答するのに混乱している」と話した。

ところが、ILO側はユン議員に送った答弁書で「勤労監督権限の市道知事共有に対する適用可能な基準を検討した結果、20号勧告は撤回考慮対象であり、ILO勤労監督81号協約には違背しない」と回答した。ユン議員は「労働部は勤労監督権限の市道知事共有方案を直ちに検討しなさい」と要求した。

2021年10月7日 毎日労働ニュース キム・ミヨン記者

http://www.labortoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=205278