鉄鋼産業の災害死亡、半分は避けられた 2021年9月3日 韓国の労災・安全衛生
最近5年間に発生した鉄鋼産業の産災死亡事故の半分は、危険要因を考慮した作業計画を樹立・遵守しなかったために発生したことが分かった。
雇用労働部は2016年から2021年7月までの5年7ヶ月間、75件の鉄鋼産業での死亡事故災害調査意見書を分析した結果を明らかにした。労働部の説明を総合すれば、死亡事故75件の内、53件(71%)が設備・機械を運用する過程で発生したが、具体的な原因は挟まれ(27%)と墜落(16%)、火災・爆発(15%)だった。
労働部は鉄鋼産業での死亡事故の要因を更に細かく分析した結果、153の要因が複合的に作用したとした。特に、危険要因を考慮した作業計画を樹立・遵守しなかったり(52%)、設備・機械の老朽化を放置し、狭窄防止の覆い設置しないなど、安全施設を確保していない行為(36%)は、多くの死亡事故に共通して見られる要因だった。
労働部は危険設備・機械を日常的に使う鉄鋼産業の特性上、会社が徹底して危険要因を確認し、作業計画を樹立して計画を履行する必要があると分析した。また、元・下請け業者が同時に作業する場合、危険要因を事前に共有し、作業の途中で疎通することも重要だと付け加えた。
雇用労働部のパク・ファジン次官はこの日、ポスコ、現代製鉄など、鉄鋼産業の代表理事と会う『鉄鋼産業安全保健リーダー会議』を開催して、このような要請を伝えた。また、鉄鋼産業の死亡事故現況と政府の政策方向、参加企業の安全管理計画などを議論した。この席でポスコは、作業手順などが守られるように、現場安全管理要員を今後550人にまで増員する計画を、現代製鉄は安全関連予算を1600億ウォンにまで拡大して、機械・設備の危険要因を見付け出す計画を明らかにした。
パク次官は「来年1月の重大災害処罰法の施行に先立ち、企業が自ら危険要因を確認して除去し、改善できる安全保健管理体系を構築するように、安全組織と予算に全面的な投資が必要」で、「経営陣は安全経営方針が現場でも作動するように持続的な関心を持って、労働者も安全規則をしっかり守って、安全な事業場になるように願う」と話した。
2021年9月3日 ハンギョレ新聞 シン・ダウン記者