公共医療・感染症対策めぐり、保健医療労組-韓国政府福祉部、11時間のマラソン交渉で劇的合意、ゼネスト回避 2021年9月2日 韓国の労災・安全衛生

ナ・スンジャ保健医療労組委員長とクォン・トクチョル保健福祉部長官が、2日午前、ソウルの医療機関評価認証院で、全国保健医療産業労働組合と保健福祉部の間の13次労政実務交渉が妥結した後、記念撮影をしている。/ニューシス

民主労総全国保健医療産業労働組合(保健医療労組)と保健福祉部が、2日の労組のストライキ突入まで5時間を残して、保健医療陣の補充と医療公共性の拡充方案に劇的に合意した。これによって、労組はこの日予定していたストライキを撤回した。

労組と福祉部は1日午後3時、ソウルの医療機関評価認証院で13次交渉を行い、11時間のマラソン交渉の結果、午前2時に合意文を発表した。

両者は公共医療の拡充と感染病対応体系構築のために、△感染病専門病院の設立、△感染病対応の人員基準、△生命安全手当て、△公共病院の拡充・強化、△公共病院の予備妥当性調査の免除と国庫負担、△公共病院の必須運営経費と公益的な赤字支援、△国立中央医療院の機能強化、△国立医学専門大学院の設立と医師の増員、△国立大病院の所管部処の移管、△私立大病院の公共性強化、△公共医療ガバナンスへの参加、△医療安全網の構築、などを推進することにした。

また、保健医療陣の拡充のために、△職種別の人員基準、△看護等級制、看護・看病の統合サービス、△教育専門担当看護師制、△夜間看護料・夜間専門担当看護師の管理料、△不法医療の根絶、△交代制の改善、△医療機関に週五日制の定着、△非正規職の雇用、などにも合意した。

具体的には、感染病専門病院は2024年まで4圏域に設立し、3ヶ所の追加拡大に努力することにした。中央感染病専門病院も、2026年までに新築を完了することにした。

感染病対応の人員基準を定めることに関しては、今月中にコロナ19の重症度別に勤務当たりの看護師配置基準を決め、細部の実行方法は10月までに準備することにした。この間派遣の人材で対応してきた足りない看護人員は、専門担当病院・協力病院などが直接採用することに合意した。

また、先の追加補正予算で臨時的に反映された感染病対応医療陣への支援金(生命安全手当て)は、感染予防法を改正して制度化し、2022年1月に施行することに念を押した。

公共病院の拡充に関しては、公共病院は2025年までに、70余の中診療圏ごとに1ヶ所以上の責任医療機関を早急に指定して運営することにした。また、蔚山、光州、大邱、仁川、東釜山、提川など、地域住民が公共病院の設立を強く要請する地域の公共病院の設立を、該当の地方自治体、企画財政部などと議論して確定することにした。

また、保健医療陣の拡充に関しては、実態調査と研究によって、看護師、医療技師などの優先順位を決めて、2022年から段階的に人員基準などを作ることにした。

保健医療労組の産別ストを一日前にした1日午後、ソウルの慶煕大学校病院で行われた2021保健医療労組産別スト前夜祭で、組合員がスローガンを叫んでいる。/ニューシス

看護師が指摘してきた『焼き入れ問題』の解決のための『教育を専門に担当する看護師制』を既に施行している国・公立医療機関に対しては、現在のレベルでの支援を維持し、民間の医療機関に対しても、2022年からモデル事業に含ませて施行するなど、拡大することで合意した。

保健医療労組は今回の合意内容について、「感染病専門病院の設立と共に、コロナ19対応の医療陣の基準と補償方法を準備することで、どんぶり勘定式の感染病対応体系から抜け出して正しい対応体系を備えられるようになった」として「『医療陣の入れ替え式』の対処と臨時派遣人材中心の、はんだ付け式の人材運営を克服できる軸が作られた」と評価した。

続いて「言葉だけの公共医療の拡充でなく、公共医療を拡充するための具体的な計画と、これを後押しする法制度の改善と財源作りの方法を作って、実質的で速度感のある公共医療の拡充が可能になった」とした。

保健医療労組は今後の計画について、「労政交渉の妥結で産別ストは撤回するが、未だ医療機関別の現場交渉が残っている」とし、「今日から7日までの一週間を、現場交渉を完全に妥結するための集中交渉期間と決めて、円満な合意のために最善を尽くす」とした。

それと共に政府と国会に向かって、「今日の合意が終わりではない。今日の合意事項が忠実に実行されるように、国務総理室が部署間の役割調整などの支援を約束している」として、「労政の合意を実行するために、政府が責任を持って役割を果たし、法改正と予算の拡充で必ず後押しするように、国会もまた責任を持って役割を果たさなければならない」とした。

2021年09月02日 民衆の声 キム・バッキョン記者

https://www.vop.co.kr/A00001594949.html

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